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腕立て伏せで手首が痛い原因&対策!初心者向けに正しいフォームまで解説!

2020年05月17日

腕立て伏せを正しいフォームでできていないと、手首が痛くなることあります。この記事では、腕立て伏せで手首痛い症状の原因と対策、正しい腕立て伏せのフォームを解説します。姿勢についてのコツや回数設定、プッシュアップバーの使用などを知り、手首の痛みをなくしましょう。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

腕立て伏せで手首が痛い…

腕立て伏せは器具やマシンが必要なく、自宅で手軽に行えるトレーニングです。筋トレ初心者でも挑戦しやすい人気種目ですが、正しいやり方を覚える機会が少ないことから誤ったイメージのまま行っている人が少なくありません。

腕立て伏せを正しいフォームで行えていないと、肩や、手首に痛みを感じることがあります。この記事では、腕立て伏せで手首が痛い原因とその対策を解説します。記事の後半では正しいフォームも紹介しますので、手首が痛くならない腕立て伏せをマスターしましょう。

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腕立て伏せをすると手首が痛い原因

腕立て伏せをすると手首が痛い場合に考えられる原因として、次の3点について詳しく解説します。

・正しいフォームでできていない
・体重をかける位置が間違っている
・回数設定に無理がある

いずれも腕立て伏せをイメージだけで行っていると起こりやすい間違いです。自分に当てはまることがないか確認してみましょう。

正しいフォームでできていない

こちらの動画は、肩甲骨がしっかり動かせていないよくない例です。腕立て伏せでは、頭から足まで身体を一直線に保ったまま下げていくことが大切です。しかし、動画のように肩がすくんでしまう人は多く、身体をスムーズに降ろすことができずに肩の前のほうにストレスがかかってしまいます。

すると、肩の痛みが出やすくなり、それをかばうために手首に負荷がかかることもありえます。しっかりと胸を開いて地面を迎えに供養に肩甲骨を寄せていくことが重要です。このような正しいフォームで腕立て伏せができていないことは、痛みの大きな原因になります。

重心が間違っている

腕立て伏せを行うと手首に痛みを感じる人は、体重をかける位置、つまり重心が間違っている可能性があります。腕立て伏せでは、重心を置くのは手首の付け根です。身体が前に出過ぎたり、手幅や足の位置が間違っていると、手首ではなく手のひらに体重がかかってしまいます。

手のひらに体重がかかると手首が前方に反り返ってしまい、この状態で腕立て伏せを行うと曲がった手首に体重がかかり、痛みが生じてしまうのです。継続して行うと腱鞘炎になったり、バランスを崩して転倒し、怪我や骨折など思わぬ事故に繋がることも考えられます。

回数設定に無理がある

「腕立て伏せ〇回」などと回数の目標を立てる筋トレの話題をよく聞きますが、回数を最優先に考えたトレーニングは、フォームが崩れてしまってもとにかく挙げるという形になってしまいがちです。回数は多いほど良いというものではなく、正しいフォームで限界まで行うことのほうが大切です。自己満足にならないように、限界を冷静に見極めて回数を設定しましょう。

(腕立て伏せの回数については以下の記事も参考にしてみてください)

腕立て伏せをすると手首が痛い対策

ここまでに挙げた腕腕立て伏せをすると手首が痛い原因を踏まえて、以下の5つの対策を解説します。フォームに関する注意点を守るほか、手首の痛みを予防するアイテムも取り入れてみましょう。

・前腕の位置と手幅に注意
・腕立て伏せの重心は手首の付け根
・プッシュアップバーを使用する
・あらかじめ十分な筋力をつける
・適切な回数を知る

オーバーワークにならないよう、痛みを感じたら休息することも大切です。また、数日経過しても痛みが治まらない、手をつくと手首が痛い、手首の曲げ伸ばしの際に痛みがあるなど、腕立てを中断しても痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。

前腕の位置と手幅に注意

基本の腕立て伏せの姿勢は、横から見た時に手、肩、足が直角三角形を形作るようになります。つま先と腕でうつぶせの体を持ち上げて支えますが、腕は肩からまっすぐ降ろすようにすると直角になります。体を降ろしたときには、みぞおちが両方の手首を一直線に結んだラインよりも少し上に来る形になるでしょう。

手幅は肩幅の1.3倍から1.5倍程度になるかと思います。腰はまっすぐに、浮いても下がってもいけません。

(手幅を狭くするナロープッシュアップについては以下の記事も参考にしてみてください)

腕立て伏せの重心は手首の付け根

体の重心が前にかかりすぎると手首が反りかえり、手首の痛みが出やすくなってしまいます。身体の重さを手首の根元、付け根で受けるようにすると手首の痛みを回避しやすくなります。

記事後半ではより詳しい腕立て伏せのやり方・フォーム・注意点などを解説しています。初心者向けの腕立て伏せのやり方も紹介していますのでぜひ参考にしてください。

プッシュアップバーを使用する

プッシュアップバーとは、効率よく筋肉を鍛えるための筋トレサポート器具です。通常、床に手をついた状態で行う腕立て伏せを、床にプッシュアップバーを置きそれを握って使います。効果としては、筋肉の可動域が広がり効率よく鍛えることができます。手首のつき方が変わるので、痛みの軽減にもつながります。

プラスチック製と金属製があり、1セット2,000~4,000円程度のものが人気です。スポーツショップやネットショップで販売されていますので、手首の痛みが気になる人や、筋トレ初心者、短時間で効率よく腕立て伏せの効果を上げたい人は、プッシュアップバーを試してみましょう。

(プッシュアップバーについては以下の記事も参考にしてみてください)

あらかじめ十分な筋力をつける

腕立て伏せでは、 大胸筋上腕三頭筋三角筋に負荷がかかる筋トレです。手首が痛くなるのは、これらの筋力が十分でないという理由も考えられます。そこで、腕立て伏せよりも負荷の小さいトレーニングで、あらかじめこれらの筋肉を鍛えておくことが一つの手首の痛み対策となります。

また、腕立て伏せは膝付きで行うことで負荷を下げられるので、まずはその方法で必要な筋力を鍛えておくのもよいでしょう。やり方については記事の後半で紹介します。

(大胸筋や上腕三頭筋を鍛えられるデクラインプッシュアップのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

適切な回数を知る

上腕二頭筋や大胸筋は紡錘状筋といって、大きな負荷をかけて少ない回数で鍛えるよりも、少しハイレップ気味で回数を多くして鍛えるのに向いた筋肉です。しかし、必ずしも高回数行わなければならないというわけではありません。

自重トレーニングのうち、負荷が調節できるものは8〜12回程度できる程度まで負荷を調整して行うようにします。そのため、このくらいの回数で限界がくる場合でも、十分に効果が見込めるといえるでしょう。大切なのは、限界まで正しいフォームで取り組むことです。

腕立て伏せの正しいフォームを見直してみよう

ここまで、手首が痛くなる原因となるフォームのNG例をピンポイントで解説しました。ここからは、腕立て伏せの正しいフォームを全体的に見直すことができるよう、動作やコツについて紹介します。腕立て伏せでは負荷が大きすぎる場合には、2つ目に紹介する膝付き腕立て伏せから始めてみましょう。

腕立て伏せの正しいフォーム

腕立て伏せは、腕や肩、胸といった押す筋肉を鍛えることができるトレーニングです。鎖骨の中心から、胸をガバっと開いていくイメージで行いましょう。

▼ 腕立て伏せのやり方

①うつ伏せになり肩幅の1.3~1.5倍の手幅で手のひらをつく
②腕とつま先を地面につけて体を上げる
③肘を曲げ、真下に体を沈める
④肘を伸ばし、身体を元の位置に戻す

正しいフォームで行える限界の回数繰り返します。筋トレ初心者は週1回3セットを目安にし、慣れてきたら週2回6セットまで回数・頻度を増やしていきましょう。

▼ 腕立て伏せのコツ&注意点

・腰を浮かせたり沈めたりしない
・頭からかかとを一直線に
・体を沈めたとき前腕が地面と垂直になる

肩甲骨を寄せるイメージで体を降ろしましょう。しっかり狙った筋肉を鍛えられるだけでなく、痛みを防ぐのに有効です。

(腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)

膝つき腕立て伏せ

筋トレ初心者や女性など、身体を一直線にするフォームが難しい人は、膝を付けた状態で行う「膝つき腕立て伏せ」から始めてみましょう。負荷が少なくなり、正しいフォームが確認しやすくなります。

▼ 膝つき腕立て伏せのやり方

①基本の腕立て伏せの姿勢になり膝をつく
②横から見たときに手のひら・肩・膝が直角三角形になるよう調整
④肘を曲げ、真下に身体を沈める
⑤肘を伸ばし、身体を元の位置に戻す

回数は、正しいフォームで行える限界の回数を設定しましょう。3~6セットを週に1~2回行います。

▼ 膝つき腕立て伏せのコツ・注意点

・ 腰が浮いたり沈んだりしないように注意
・ 手幅は肩幅よりも広く

フォームが確認できて、回数がこなせるようになったら通常の腕立て伏せに挑戦しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

膝をつくことで、負荷を少なくして始めることができます。膝から頭までをまっすぐにし、あとは通常の腕立て伏せと同様の動作を行っていきます。通常の腕立て直後の追い込みとしても利用できるでしょう。

(膝つき腕立て伏せについては以下の記事も参考にしてみてください)

腕立て伏せで手首が痛い原因はフォームにある!

腕立て伏せは、正しいフォームで行えば手首に痛みを感じることはありません。腕立て伏せで手首が痛くなる人は、重心が間違っている可能性が考えられます。手のひらの位置や腕の角度など、自分のフォームをチェックしてみましょう。また、プッシュアップバーを使用するのも有効な対策です。

腕立て伏せには、上級者向けのワイドプッシュアップヒンズープッシュアップなどさまざまなバリエーションがあります。膝付き腕立て伏せから始め、徐々にステップアップしていってください。

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