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浅指屈筋の筋トレ&ストレッチメニュー!構造・作用〜鍛え方のコツまで徹底解説

2020年05月17日

浅指屈筋(せんしくっきん)は前腕の筋肉の1つです。指の屈曲などに関わっているので、トレーニングすることで握力アップなどの効果が期待できます。今回はそんな浅指屈筋の構造作用や効果的な鍛え方、またストレッチメニューなどを紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

浅指屈筋の構造・作用

出典:https://kobe-relief.com/column/knowledge/post-781/

浅指屈筋(せんしくっきん)は前腕にある筋肉の1つです。尺骨粗面や橈骨上前部などから始まって、親指以外の指の第2〜5中節骨の両側前方まで付いています。

そして指の骨に付いているということからもわかる通り、この浅指屈筋は親指以外の4本の指を曲げる作用を持っています。その他にも手首を内側に屈曲させたり、肘の屈曲のサポートなども行っています。

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浅指屈筋の筋トレをするメリット

浅指屈筋を筋トレすることで得られるメリットは主に以下のようなものがあります。

・握力の向上
・前腕のサイズアップ
・腱鞘炎などのトラブルの予防

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

握力の向上

先ほど解説したように浅指屈筋は親指以外の指を曲げる作用を持っています。そのため筋トレで筋力を上げると指を曲げる力、つまり握力の向上につながるのです。

筋力が向上すれば、懸垂デッドリフトなど握力が必要な筋トレ種目で握力不足を気にすることなく動作に集中できるようになります。また固い蓋を開ける時など日常生活におけるふとした動作にも役立つでしょう。

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(握力トレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

前腕のサイズアップ

浅指屈筋は前腕の中でも大きな筋肉の1つなので、筋トレで鍛えればより容易に太い前腕を作りやすくなります。前腕はTシャツなどを着た時に特に目立ちやすい筋肉なので、逞しい印象を出したい人は積極的に鍛えるべきだと言えるでしょう。

(前腕の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

腱鞘炎などのトラブルの予防

運動不足などが原因で手首を動かす筋肉が衰えてしまうと、手首の動きが悪化した分、指に負担がかかってしまいます。そして場合によっては腱鞘炎などのトラブルが起きてしまう可能性があるのです。

しかし、浅指屈筋を含む前腕の筋トレでは、手首を曲げる筋肉も同時に鍛えられます。そしてその手首の動きに関わる筋肉を鍛えることで、指への負担が減り、腱鞘炎などのトラブルの予防や改善が期待できるのです。

浅指屈筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ

ここからは浅指屈筋を鍛えるのにおすすめの筋トレメニューを紹介します。それぞれのメニューでの鍛え方のコツも解説するので、合わせて確認してください。

浅指屈筋の筋トレメニュー①ダンベルリストカール

ダンベルリストカールは、ダンベルを持ったまま手首の曲げ伸ばしを繰り返す筋トレメニューです。浅指屈筋を含めた前腕を鍛える最も基本的なメニューの1つでもあります。

▼ダンベルリストカールのやり方

①ダンベルを持ち、ベンチ台から手首を出した状態にする
②手首を上に巻き上げる
③ダンベルを降ろす

筋力アップを目指すなら1~6回、筋肥大の場合には6~12回に設定します。筋持久力アップを目的とする方は15回以上で限界が来る重量を扱うと良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼ダンベルリストカールのコツ&注意点

・ボトムポジションで指先に引っ掛けるところまで降ろす
・一番上までしっかりと巻き上げる

ダンベルリストカールで浅指屈筋を効率的に鍛えるには、指先に引っかけるまで降ろしきることが重要です。常に意識しながら動作を行ってください。

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ずーみー(泉風雅)

上級者に限り毎日トレーニングをしても問題ないという可能性はあります。しかし、基本的には回復期間は必要なので、前腕のトレーニングだとしても毎日やるのを避けましょう。

(リストカールのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

浅指屈筋の筋トレメニュー②バーベルリストカール

バーベルリストカールは、ダンベルリストカールをバーベルで行うメニューです。リストカールの応用の種目として覚えておくと良いでしょう。

▼バーベルリストカールのやり方

①ベンチに座り、足の上に前腕を置く
②手首を膝の上から出し、バーベルを持ち上げる
③バーベルを下に降ろす

筋力アップを目指すなら1~6回、筋肥大の場合には6~12回に設定します。筋持久力アップを目的とする方は15回以上で限界が来る重量を扱うと良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼バーベルリストカールのコツ&注意点

・ボトムポジションで指先に引っ掛けるところまで降ろす
・一番上までしっかりと巻き上げる

バーベルを使うので高重量は扱いやすいですが、手首への負担が増えて痛みが出る可能性があります。そのためこのメニューでは無理に高重量を使わないようにしましょう。

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ずーみー(泉風雅)

バリエーション種目であるビハインドリストカールは手首を反らさずにトレーニングできるため、手首の痛みが気になる方にはおすすめです。

浅指屈筋の筋トレメニュー③リバースカール

リバースカールは順手でバーベルを握って、アームカールを行う筋トレメニューです。腕橈骨筋上腕筋にも高い効果が期待できます。これらの筋肉は腕に立体感を出すのにも重要なので、前腕を含めた腕全体を逞しくしたい人にもおすすめです。

▼リバースカールのやり方

①バーを順手で握って、足は肩幅程度にして立つ
②肘を曲げてバーを持ち上げる
③胸の高さまで持ち上げたら、ゆっくり降ろす

筋力アップを目指すなら1~6回、筋肥大の場合には6~12回に設定します。筋持久力アップを目的とする方は15回以上で限界が来る重量を扱うと良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼リバースカールのコツ&注意点

・挙げる時に肘が前に出ないようにする
・反動を使ってバーベルを挙げない

肘が前に出ると負荷を骨で支えるような形になり、前腕を効果的に鍛えることができません。手首を曲げないようにしながら、真っ直ぐかやや反らすように動作を行うと前腕の収縮感が得やすいので、ぜひ意識してみてください。

(リバースカールのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

浅指屈筋の筋トレメニュー④指立て伏せ

指立て伏せは親指から小指の第一関節のみを床につけて行う腕立て伏せの応用メニューです。指を伸ばそうとする方向に負荷がかかるので、指を曲げるための浅指屈筋の強化に効果的です。

▼指立て伏せのやり方

①腕立て伏せの姿勢になり、5本指のみで体を支える
②身体を真っ直ぐに保ったまま身体を沈ませる
③身体を元の位置まで持ち上げる

指立て伏せは自分で負荷を変えられない自重トレーニングなので、正しいフォームで行える限界の回数をこなすのを基本とすると良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼指立て伏せのコツ&注意点

・腕立て伏せが難しい場合は姿勢を取るだけでもOK
・腰を曲げたり反らせたりしない

指立て伏せの姿勢すらも取れない方は膝を付いた状態からスタートさせても良いでしょう。

(指立て伏せのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

浅指屈筋の筋トレメニュー⑤フィンガーカール

フィンガーカールは浅指屈筋や深指屈筋などの指の筋肉が鍛えられるトレーニングです。バーベルの代わりにダンベルで行うこともできます。

▼フィンガーカールのやり方

①ベンチの端に手首を固定し、バーベルを持つ
②手首を伸ばしたら指も伸ばす
③指を曲げてから、手首を巻き上げる

筋力アップを目指すなら1~6回、筋肥大の場合には6~12回に設定します。筋持久力アップを目的とする方は15回以上で限界が来る重量を扱うと良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼フィンガーカールのコツ&注意点

・ゆっくりとした動作を心がける
・指先をしっかりと伸ばして負荷をかける

手首は痛めやすい部位なので速く動かすことは避け、ゆっくりとした動作でトレーニングを行うようにしましょう。

浅指屈筋のストレッチメニュー

それでは次に浅指屈筋のストレッチメニューを紹介します。柔軟性の向上や怪我の予防などの効果が期待できるので、筋トレ前後や入浴後など適切なタイミングで取り入れてみてください。

浅指屈筋のストレッチ①

まずは手首の疲れに効く浅指屈筋のセルフストレッチを紹介します。このストレッチには手首のコリやだるさ、痛みを改善する効果があります。動作自体はそれほど難しくないため、誰でも気軽に取り組めるでしょう。

▼浅指屈筋のストレッチのやり方

①片腕を伸ばし、外側に捻る
②反対側の手で、伸ばす側の第二関節辺りを握る
③第二関節から手首にかけて反らす

このストレッチでは手首を反らした状態を30秒ほどキープしましょう。

▼浅指屈筋のストレッチコツ&注意点

・第一関節から伸ばさない

親指から小指にかけての第一関節を持って反らした状態では、最大限の効果を得られなくなります。必ず第二関節の辺りを握って、手首を反らしていきましょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

浅指屈筋は上腕についていて、肘を曲げる作用もあります。そのため、しっかりと肘を伸ばした状態でストレッチすると、より効果的です。

浅指屈筋のストレッチ②

次は指を動かすストレッチを紹介します。この指のストレッチは握力の向上につながるだけでなく、指のこわばりや曲がり予防の効果も期待できます。

▼浅指屈筋のストレッチのやり方

①片手でグーを作り、もう片方の手で覆う
②5秒間かけてグーを開いていき、上の手は閉じるように力を入れる
③5秒間かけてグーを閉じ、力を抜いていく
④指先で押し合う・緩める動作を繰り返す

指先を広げて閉じるのを1回として、合計で10回程度行いましょう。

▼浅指屈筋のストレッチのコツ&注意点

・ストレッチ後はアフターケアを行う

このストレッチの後は緊張を緩めるために手の力を抜いてブラブラさせたり、手の表面を優しく撫でるなどのアフターケアを行うことも大切です。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

こちらはホールドリラックスという方法を用いたストレッチです。筋肉の収縮後の弛緩は体を休める作用もありますので、寝る前にするとよく眠れてオススメです。

浅指屈筋のストレッチ③

次には握力強化もできるストレッチを初回します。ストレッチを行う前後では握る力の入り方が変わるので、スポーツの前に行うのが効果的です。

▼浅指屈筋のストレッチのやり方

①手首を反らした状態で肘を曲げ、肩から外に持っていく
②肩を下げてから頭を反対側に倒し、首の根本から外側を向く
③手首を反らして戻す動作を繰り返す
④肘を伸ばして曲げる動作を繰り返す
⑤肩を上げて下ろす動作を繰り返す
⑥首を倒して戻す動作を繰り返す

このストレッチでは③から⑥の動作をそれぞれ3回ずつ行いましょう。

▼浅指屈筋のストレッチのコツ&注意点

・ストレッチのやりすぎに注意
・小指側の握力を意識する

各部位に走る神経のピリッとした感覚を感じながら、無理のない範囲でストレッチを行ってください。ボールなどを使って手の力の入り具合をチェックし、力が入りにくいと感じた方の手を重点的にストレッチするのも良いでしょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

この方法は尺骨神経という、肘の内側を通る神経もストレッチされます。長時間すると痺れたり、神経症状が出る場合もあるため、注意してください。

浅指屈筋のストレッチ④

次は前腕屈筋群を主に伸ばせるセルフストレッチを紹介します。肘の内側から指までの筋肉に効果があり、腱鞘炎やテニス肘の解消にも役立ちます。スーツケースなどを運ぶ機会が多い方にも効果的です。

▼浅指屈筋のストレッチのやり方

①手の平を上に向ける
②もう片方の手で指から掴む
③肘の内側へ向けて手首を反らす

このストレッチでは手首を反らせた状態を30秒間キープしましょう。

▼浅指屈筋のストレッチのコツ&注意点

・親指から持って、手首を曲げる
・無理に手首を曲げ過ぎない

この前腕屈筋群のストレッチは、真っ直ぐに曲げるというよりは内側に向けて曲げるのがポイントです。気持ちいいと思えるくらいの強さで手首を曲げましょう。力を込めすぎると逆効果になってしまうので注意してください。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

浅指屈筋のみをストレッチしていきたいのであれば、しっかりと肘を伸ばしてください。もし他の前腕筋も伸ばしたいのならば、肘を伸ばして行ったとに肘を曲げた状態でも行うと良いでしょう。

浅指屈筋のストレッチ⑤

最後は手をグーとパーの状態を繰り返すストレッチの紹介です。手を開く・閉じるの動作を意識的に繰り返すことで、握力強化・維持の効果も期待できます。

▼浅指屈筋のストレッチのやり方

①両手を前に出す
②手を開く・閉じるの動作を繰り返す

開く・閉じるを10回ほど繰り返しましょう。座っている状態で行うことも可能です。

▼浅指屈筋のストレッチのコツ&注意点

・手は大きくパーにしましょう
・可能な限り手を小さくするよう指を閉じる

このストレッチでは親指もしっかりと握り、1回1回大きく動かすことが大切です。グーにする時はただ手を閉じるのではなく、ゆっくりと指を折りたたむような意識を持って行うと良いでしょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

指の動きに集中しすぎて、手首の動きが中途半端になることがあります。浅指屈筋への効果を得るためにもしっかりと手首を反らすように心がけてください。

浅指屈筋を鍛えて筋トレ効果をUPしよう

浅指屈筋は親指以外の指を曲げる作用がある筋肉です。鍛えることで握力の向上や腱鞘炎の予防、また前腕を太くすることなどのメリットが得られます。いずれかのメリットに魅力を感じる方はぜひ今回紹介した筋トレとストレッチをメニューに取り組んでみてください。