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インクラインサイドレイズのやり方!三角筋中部に爆裂に効く軌道などコツを解説

2020年04月13日

インクラインサイドレイズは三角筋中部に効果的な筋トレです。今回はこの種目の正しいやり方や回数・重量、適切な軌道などの狙った部位に効かせるコツを解説します。家でもできるベンチなしのやり方も紹介するので、初心者の方などもぜひ参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

インクラインサイドレイズは三角筋中部に効果的な筋トレ

インクラインサイドレイズはインクラインベンチに横向きになった状態でサイドレイズを行う筋トレです。特に三角筋中部に集中的に刺激を与えられます。また通常のサイドレイズと違って降ろした状態から挙げ切った状態まで負荷をかけ続けられるのが大きなメリットとしてあります。

今回はこのインクラインサイドレイズの効果的なやり方やその効果をさらに高めるのポイントなどについて解説します。またベンチがない状態でもできる方法も紹介するので家などでトレーニングしている方もぜひ参考にしてみてください。

それでは始めにこのインクラインサイドレイズで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果から押さえていきましょう。

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インクラインサイドレイズで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

インクラインサイドレイズでは先ほども解説したように三角筋中部を主に鍛えることができます。それでは早速、三角筋中部がどのような筋肉の部位なのか、鍛えると得られる効果と合わせて詳しく解説していきます。

三角筋中部

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

三角筋中部は肩甲骨肩峰から上腕骨にかけて付いている筋肉です。主に腕を横に挙げる働きをしています。インクラインサイドレイズではダンベルを持った腕を横に挙げる動作を行うため、この三角筋中部に強い刺激が入るのです。

そしてこの三角筋中部を鍛えると肩が横に大きく張り出し、肩幅が広く見える効果が得られます。それに加えて肩周りの血流が良くなるため肩こりの予防や改善に効果なども期待できるのです。

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(三角筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

インクラインサイドレイズの効果的なやり方

それでは次にインクラインサイドレイズの効果的なやり方について解説します。狙った部位にしっかりと効かせるためにも正しいフォームと動作のポイントをここで確認しておきましょう。

①スタートポジションを作る

まずはインクラインベンチの角度を30から60度くらいにします。ベンチの角度が浅いほどストレッチ時の負荷が大きくなるので、いろいろと試して自分に合った角度を見つけると良いでしょう。

そして身体をベンチに対して横向きにセットします。この時、下側となる脚はベンチの座面部分に膝立ちとなります。下側の腕は上の画像のように背面シートに腕を回すような形にしましょう。そして膝から頭までは一直線に保つようにしてください。

ちなみにタンクトップの場合は脇の部分にタオルをかませて使うなどの配慮をしましょう。

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ずーみー(泉風雅)

この状態からいかり肩を作るように鎖骨と背骨の成すTの字を意識します。このいかり肩の状態を崩さないまま動作するのが三角筋のサイドをうまく鍛えるためのポイントです。

②ダンベルを挙げる

ダンベルはおへその前から挙げていきます。肘はなるべく伸ばしたままキープしますがピンピンに伸ばす必要はありません。おへその前では少し肩が内旋した状態、つまりダンベルが内側に回っている状態となります。しかし、ダンベルを挙げるにしたがって少し外旋、つまりダンベルを外側に回すようにすると収縮させやすくなるので意識してみてください。

そして腕が地面と水平になる角度か、体幹と成す角度が90度となる角度まで挙げるようにします。挙げすぎてしまうと負荷が逃げてしまうので注意してください。

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ずーみー(泉風雅)

三角筋のサイドの収縮感が分からないという人はボディービルダーのバックダブルバイセップスの形をとって三角筋に力を入れるとその収縮感がわかりやすいはずです。

③トップポジションから降ろす

トップポジションまでダンベルを挙げたら、ゆっくりと挙げた時と同じ軌道を通って降ろします。ボトムポジションはダンベルはおへその前・身体の前です。後は決めている回数だけ同じ動作を繰り返すだけです。

インクラインサイドレイズのコツ&注意点

それでは次にインクラインサイドレイズのコツや注意点を解説します。他の筋肉に効いてしまうなどの失敗を起こさないためにもしっかりと確認しておきましょう。

肩甲骨が動きすぎている

上の動画のようにインクラインサイドレイズでは肩甲骨が動きすぎているフォームはNGです。肩甲骨が動きすぎると僧帽筋が強く働きすぎて、三角筋から負荷を奪う形となってしまいます。先ほども解説したようにいかり肩を形を常にキープし、肩が落ちてしまわないように気を付けて動作を行うようにしてください。

インクラインサイドレイズの最適な重量・回数・セット数

インクラインサイドレイズは強い動きではないので、他の筋トレのように重い重量は扱うことができません。そのため比較的軽い重量にして後半まで正しいフォームで行えるようにするのがおすすめです。まずは15~20回で限界が来るくらいの重量から始めましょう。

最適なセット数についてはトレーニングステータスで異なります。筋トレ初心者には週1回3セット、筋トレ上級者には週2回6セットがおすすめです。トレーニングに慣れてきたら、頻度やセット数を増加してみましょう。

トレーニングはたくさんやればいいというわけではありません。効果的に筋肉を鍛えるためにも毎日取り組むのではなく、休みを取ることも大切にしましょう。

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ずーみー(泉風雅)

サイドレイズは筋トレ上級者でも10kgで10回行うことができるかわからないくらいです。低回数しかできない重量を無理に扱うと、僧帽筋の働きが強くなり正しいフォームで行えませんので注意しましょう。

(サイドレイズの重量については以下の記事も参考にしてみてください)

ベンチなしで行うインクラインサイドレイズのやり方

それでは次にインクラインベンチなしで行うインクラインサイドレイズのやり方を解説します。ベンチが使える環境にいない人はぜひ参考にしてみてください。

①ベンチを使わないやり方

身体をサイドブリッジのような状態にして行うこのやり方は、身体を支える支柱のようなものがあれば自宅でも行えるのが大きなメリットです。

しかし、片方の手で体幹を傾けた状態にキープしなければならないため、正しいフォームを維持するのが難しい欠点もあります。そのため筋トレ初心者は通常のインクラインサイドレイズが正しくできるようになってから試してみると良いでしょう。

▼ベンチを使わないインクラインサイドレイズのやり方

①支柱に手をついて、反対の手でダンベルを持つ
②足を支柱から離して身体を斜めにする
③ダンベルを横に挙げる
④ダンベルを降ろす

このやり方でも通常のインクラインサイドレイズと同様に15~20回で限界が来るくらいの重量から始めましょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行なってください。

▼ベンチを使わないインクラインサイドレイズのコツ&注意点

・頭から足先まで常に直線の状態を保つ
・肩甲骨が動きすぎないようにする

②ロープーリーを使うケーブルサイドレイズ

ロープーリーマシンを使って行うケーブルサイドレイズは、フォーム自体は通常のサイドレイズと同じです。しかし、ケーブルの特性からインクラインサイドレイズと同様に常に負荷をかけられるメリットがあります。また先ほど紹介したベンチを使わないやり方よりも難易度は低いという良さもあるのです。

そのためジムなどでベンチが使えない時などはこのやり方を代用種目として採用すると良いでしょう。

▼ケーブルサイドレイズのやり方

①ケーブルのハンドルを持って立つ
②ハンドルを横に挙げる
③ハンドルを降ろす

このやり方でも通常のインクラインサイドレイズと同様に15~20回で限界が来るくらいの重量から始めましょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行なってください。

▼ケーブルサイドレイズのコツ&注意点

・肩甲骨が動きすぎないようにする
・初動から負荷がかかるようにマシンを調節する

(ケーブルサイドレイズのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

③支柱を掴んで行うリー二ングアウェイサイドレイズのやり方

リー二ングアウェイサイドレイズは最初に紹介したベンチを使わないインクラインサイドレイズと逆に身体を傾けてサイドレイズを行うやり方です。通常のサイドレイズよりも可動域が広く、収縮時に強い刺激を与えられるのが大きな特徴です。

▼リー二ングアウェイサイドレイズのやり方

①支柱を掴んで身体を傾けたままダンベルを持つ
②ダンベルを横に挙げる
③ダンベルを降ろす

このやり方でも通常のインクラインサイドレイズと同様に15~20回で限界が来るくらいの重量から始めましょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行なってください。

▼リー二ングアウェイサイドレイズのコツ&注意点

・ダンベルは地面と水平になるまで挙げる
・肩甲骨が動きすぎないようにする

④フラットベンチで行うライイングサイドレイズ

フラットベンチで行うライイングサイドレイズも代用種目として使うことができます。この種目もインクラインサイドレイズと同じようにストレッチポジションで負荷をかけられるのが特徴です。フラットベンチしか使えない時はぜひ挑戦してみてください。

▼ライイングサイドレイズのやり方

①フラットベンチに横になる
②ダンベルを横に挙げる
③ダンベルを降ろす

このやり方でも通常のインクラインサイドレイズと同様に15~20回で限界が来るくらいの重量から始めましょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行なってください。

▼ライイングサイドレイズのコツ&注意点

・いかり肩の状態で動作を行う
・肘主動でダンベルを挙げない

(ライイングサイドレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

インクラインサイドレイズの効果を高める為のポイント

最後のインクラインサイドレイズの効果を高める為の以下の2つのポイントについて解説します。

・肩の痛みに注意
・肩甲骨内転筋の種目と一緒に行う

それでは早速、1つずつ詳しく見ていきましょう。

肩の痛みに注意

インクラインサイドレイズをトレーニングメニューに入れている時は、肩の痛みに注意をしましょう。インクラインサイドレイズは三角筋に強い刺激を与えているため、肩を傷めてしまう場合があるのです。無理に続けるとさらに酷い怪我に繋がる可能性もあります。

そのためトレーニング中やトレーニング後に肩に痛みを感じた場合はすぐにトレーニングを中止してください。そしてしっかりと回復してからトレーニングを再開させるようにしましょう。また再び肩を痛めないようにフォームや扱っている重量を見直しておくこともおすすめします。

肩甲骨内転筋の種目と一緒に行う

筋トレで特に肩を集中的に鍛えたいという方は、肩全体のバランスを取るためにも肩甲骨内転筋の種目と一緒に行うのがおすすめです。具体的にはローイング系の種目やプルダウン系の種目が適しているので、ぜひ取り入れてみてください。

(一緒に行うといいメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

インクラインサイドレイズで三角筋を鍛えて立体的な肩に

インクラインサイドレイズは全ての可動域で刺激を与えらえる優れた肩の筋トレ種目です。ぜひ日々のトレーニングメニューに加えて、より立体的な三角筋を作り上げていきましょう。

(三角筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)