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フロアプレスのやり方!ベンチとの効果の違いは?大胸筋・三頭筋に効かせるコツも!

2020年04月15日

フロアプレスとは床に寝たままベンチプレス動作を行う筋トレです。今回はこのフロアプレスとベンチプレスとの効果の違いや正しいやり方を解説します。ダンベルを使う方法や大胸筋・三頭筋に効かせるコツも紹介するので、筋肉に効かないと悩んでいる人も参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

フロアプレスは床でできるベンチプレス

フロアプレスとは床に寝てベンチプレスを行う種目で、上半身の強化をしたいという方にぴったりな筋トレメニューです。

今回はこのフロアプレスとベンチプレスとの違いや効果的なやり方、ダンベルを使った応用の方法などを紹介します。それでは初めにこのフロアプレスとベンチプレスとの効果の違いから詳しく解説していきます。

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フロアプレスとベンチプレスの効果の違いは?

フロアプレスとベンチプレスには主に以下の2つの違いがあります。

・上半身の純粋なストレングスを鍛えられる
・怪我をするリスクが減る

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

上半身の純粋なストレングスを鍛えられる

ベンチプレスはベンチで行い、フロアプレスは床に寝ころんだ状態でプレスを行います。そのためベンチプレスのように高いアーチが組みにくく、大胸筋・三角筋上腕三頭筋など上半身の純粋なストレングスを鍛えることができるのです。

そのため全身の連動性ではなく、上のような限られた筋肉だけを集中的に鍛えたい人には向いている種目と言えるでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

ベンチプレスとは違うメリットのあるフロアプレスですが、一方でベンチプレスほど広い可動域が取れないというデメリットがあることも知っておきましょう。

(ベンチプレスのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

怪我をするリスクが減る

通常のベンチプレスでは腰椎を反らしすぎて、腰を痛めるリスクがあります。また可動域が広いため、間違ったフォームでは肩関節の前側に大きな負担がかかって怪我をするリスクなどもあります。

一方でフロアプレスは地面に寝た可動域が狭い状態で行うため、腰痛を反らせすぎたり、肩関節に無駄な負荷をかける心配が少ないのです。これもフロアプレスならではの効果と言えます。

フロアプレスの効果的なやり方

フロアプレスは正しいフォームを知らないと、大胸筋や三頭筋などの筋肉を効かせることができません。これから効果的なやり方を解説するので、最大限の効果を得るためにも実践前にしっかりと確認しておきましょう。

①床に寝ころんでバーベルを持つ

まずは床に膝を立てて寝ころび、バーベルをベンチプレスの要領でラックアウトします。この時のグリップについてですが、手の根元である手根骨に乗せるようにして持ちましょう。

フロアプレスで床に寝ころぶ時に膝を立てるフォームではなく、膝を伸ばしたままのフォームもあります。この膝を伸ばしたままのフォームは負荷を強めたい時におすすめの方法です。通常のやり方に慣れたら挑戦してみても良いでしょう。

②肘を地面に付ける

フロアプレスのスタートポジションを取ったら、バーベルを降ろして肘を地面に付けましょう。またこの時にバーベルは胸を張りながらベンチプレスの要領でみぞおちのあたりに降ろします。

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ずーみー(泉風雅)

床に肘を付ける時に勢いよく降ろしてしまうと、肘が地面にぶつかって意図しない方向に曲がってしまう可能性があり危険です。そのため動作を行う時は常にコントロールした速さで行うようにしましょう。

③肘を伸ばす

肘が地面に付いたら腕を伸ばしてバーベルを最初の位置まで挙げます。切り返しの時に肘がバーの真下にないと肘が折れ曲がったり、伸ばされる方向に力がかかって怪我する可能性があるので注意してください。

フロアプレスのコツ&注意点

フロアプレスを行う上のコツや注意点は主に以下の3つあります。

①手首が反って痛い
②前腕や上腕筋・上腕二頭筋が疲れてしまう
③大胸筋が動かせていない

それでは①の手首が反って痛いことから詳しく解説していきます。

①手首が反って痛い

フロアプレスを行うと手首が痛いという方がいますが、これは多くの場合グリップに問題があります。フロアプレスでは基本的にベンチプレスと同様に手首はバーベルの真下に位置するようにしなければいけません。もし手のひらで握ってしまうと上の画像のように手首が反りかえり、痛みを誘発してしまいます。

そのため痛みを感じる時はバーベルは手の根っこに乗せるようにバーベルを握りましょう。ただし、滑り落ちる危険性があるので、サムレスグリップは使用しないでください。

②前腕や上腕筋・上腕二頭筋が疲れてしまう

フロアプレスでは途中で前腕上腕筋上腕二頭筋が疲れてしまうという方もいます。これはバーベルを降ろす位置と体幹の縦のアーチが一致していないことが主な原因です。

しっかりと胸を張って体幹の縦アーチを作らずバーを降ろしてしまうと、肘がバーベルの真下に来ず、その分の力を肘関節屈筋群で補ってしまいます。このような状態では前腕や上腕の肘関節を曲げる筋肉が強く動き、大胸筋や三頭筋などの主動筋に効かない原因となります。

狙った筋肉に効かせるためにも上の画像のように体幹の縦アーチを作った上で、みぞおちのあたりにバーベルを降ろすようにしましょう。

③大胸筋が動かせていない

フロアプレスでは大胸筋が動かせていない問題もよく起きます。これは肩甲骨の動きに問題があることが多く、特にバーベルを降ろす時に肩甲骨を寄せて作る体幹の横アーチが形成できていない可能性が高いです。

大胸筋が動かせていないという方は、正しいアーチを作れるようになるためにも肩甲骨のモビリティを高められるエクササイズを取り入れてみることをおすすめします。また僧帽筋下部・菱形筋などを刺激するエクササイズも有効なので、ぜひ並行して取り組んでみてください。

フロアプレスの最適な重量・回数・セット数

フロアプレスを行う上での最適な重量や回数は、筋トレの目的によって変わります。基本としては筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。ちなみに筋肥大が目的であれば、限界まで行うことで軽い重量×高回数のトレーニングでも同程度の効果が期待できます。

ちなみにセット数についてもトレーニングのステータスによって変わります。初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

(最適なセット数については以下の記事も参考にしてみてください)

【種類別】フロアプレスの効果的なやり方&注意点

それでは次にフロアプレスのバリエーションについて紹介します。それぞれ違うメリットがありますので、基本のやり方をマスターしたらぜひ挑戦してみてください。

①ダンベルフロアプレス

フロアプレスのバーベルをダンベルに変えて行うこのやり方は、不安定性が増して三頭筋や大胸筋などの筋肉の動員を活性化させられるのが大きなメリットです。ダンベルさえあれば家でも取り組めるメニューなので、家で筋トレしている人にもおすすめです。

▼ダンベルフロアプレスのやり方

①床に寝ころんでダンベルを持つ
②ダンベルを降ろして肘を床に付ける
③肘を伸ばしてダンベルを挙げる

ダンベルフロアプレスも通常のフロアプレスと同様に筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

▼ダンベルフロアプレスのコツ&注意点

・肘を常にダンベルの真下に持っていく
・ダンベルが肘よりも内側に入らないようにする

②カウントダウンフロアプレス

カウントダウンフロアプレスはカウント数を決めてバーベルを降ろしてから、爆発的に挙げるやり方です。この方法はコントロールしたネガティブ動作と爆発的な筋活動の増加を狙えるのが大きなメリットです。

▼カウントダウンフロアプレスのやり方

①床に寝ころんでバーベルを持つ
②5秒などカウントをしながらバーベルを降ろす
③爆発的にバーベルを挙げる

カウントダウンフロアプレスも通常のフロアプレスと同様に筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

▼カウントダウンフロアプレスのコツ&注意点

・肘を常にバーベルの真下に持っていく
・肩甲骨を寄せてバーベルを降ろす

③デクラインフロアプレス

デクラインフロアプレスは膝を曲げて腰を浮かすやり方です。角度を付けることでより大胸筋の下部にフォーカスできるのが大きなメリットです。また可動域も少し大きくなるので、さらに筋肉に負荷をかけたいという方はトレーニングメニューに取り入れてみましょう。

▼デクラインフロアプレスのやり方

①バーベルを持って仰向けになる
②腰を浮かせて身体を傾ける
③バーベルを降ろして肘を床に付ける
④肘を伸ばしてバーベルを挙げる

デクラインフロアプレスも通常のフロアプレスと同様に筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

▼デクラインフロアプレスのコツ&注意点

・上半身から膝まで直線の状態を保つ
・挙げた時に肩甲骨を外に出し過ぎない

④ワンアームフロアプレス

ワンアームフロアプレスとは片手ずつフロアプレスを行うやり方です。このように片腕だけで行う種目はユニラテラル種目と呼ばれています。そしてこのユニラテラル種目は不安定性が増すため、体幹などの姿勢維持のための筋肉を刺激できるのが大きなメリットです。

▼ワンアームフロアプレスのやり方

①床に寝ころび、片手でダンベルを持つ
②ダンベルを降ろして肘を床に付ける
③肘を伸ばしてダンベルを挙げる

ワンアームフロアプレスも通常のフロアプレスと同様に筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

▼ワンアームフロアプレスのコツ&注意点

・身体を真っ直ぐの状態に保つように意識する
・ダンベルが肘よりも内側に入らないようにする

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ずーみー(泉風雅)

バーベルのような左右対称の種目についてはバイラテラル種目と呼ばれています。

⑤ケトルベルフロアプレス

ケトルベルを利用するフロアプレスは、ダンベルを利用する方法よりさらに不安定性が増します。また両手ではなく片手で扱うことで、体幹の動的姿勢維持機構を強力に刺激することができるのがメリットです。

▼ケトルベルフロアプレスのやり方

①床に寝ころび、片手でケトルベルを持つ
②ケトルベルを降ろして肘を床に付ける
③肘を伸ばしてケトルベルを挙げる

ケトルベルフロアプレスも通常のフロアプレスと同様に筋力アップなら1~6回、筋肥大なら6~12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。セット数については初心者なら週1回3セット、上級者なら週2回6セットを目安に取り組むと良いでしょう。

▼ケトルベルフロアプレスのコツ&注意点

・身体を真っ直ぐの状態に保つように意識する
・ケトルベルが肘よりも内側に入らないようにする

(ケトルベルトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)

フロアプレスの効果を高める為のポイント

最後にフロアプレスの効果をさらに高める為の以下のポイントを紹介します。

・オーバーワークに気を付ける
・僧帽筋下部や菱形筋を刺激するメニューと行う

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

オーバーワークに気を付ける

フロアプレスはオーバーワークに気を付けながら取り組むことが大切です。トレーニングは週1回よりも週2回の方が効果的だとされていますが、週3回以上のトレーニングがそれ以上の効果を生むかはわかっていません。

しかし、多くの方は早く筋肉を鍛えようとトレーニングをやりすぎてしまう傾向にあります。しかし、無理をするとオーバーワークになり、怪我を引き起こす可能性があるのです。そのため自分の体調などを観察しながら、自分に合った無理のないトレーニングをすることを意識しましょう。

(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)

僧帽筋下部や菱形筋を刺激するメニューと行う

フロアプレスは僧帽筋下部や菱形筋を刺激することがメニューと一緒に行うとより効果的です。具体的にはワンハンドローイングやラットプルダウン、ベントオーバーローイングなどです。

これらの筋トレメニューでは大胸筋や三頭筋に対しての拮抗筋を鍛えられます。そしてこの拮抗筋と一緒に鍛えると大胸筋のパフォーマンスアップや怪我の予防、疲労回復効果などが得られるのです。一緒にどんなメニューとやるか悩んでいる人はぜひ試してみてください。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

フロアプレスで大胸筋・三頭筋を鍛えよう!

フロアプレスは正しいフォームで追い込むことで、大胸筋や三頭筋などの筋肉を効率的に鍛えることができるメニューです。大胸筋や三頭筋を鍛えて逞しい上半身を作りたい人は、ぜひトレーニングメニューにフロアプレスを取り入れてみてください。

(大胸筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)