前脛骨筋の構造・役割
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)の鍛えるための筋トレメニューとストレッチメニューを解説します。効率よく前脛骨筋を鍛えるには、正確な筋肉の場所や動きを意識する必要があります。まずは、トレーニング方法の詳細の前に、前脛骨筋の構造と役割を知っておきましょう。
前脛骨筋の構造
前脛骨筋は、名称の通りひざ下の脛(すね)の骨の前に位置する筋肉です。膝の外側あたりから足の甲を通り、内側に向かって足の裏まで伸びています。足首に近づくにつれて筋肉が細くなっているのが特徴の1つです。
前脛骨筋の役割
前脛骨筋は、足首を動かすときや足の甲を反らすときに使われる筋肉部位です。より詳しくいえば、足首関節の背屈と内反、すなわち足先を手前や親指側に向ける動きです。
これらは歩く、走るなどの基本的運動動作に関わることから、日常生活でも自然と疲労が溜まりやすい繊細な筋肉部位であるといえます。また、いわゆる土踏まずと呼ばれる足の裏のアーチ状態の維持の作用があります。
前脛骨筋の筋トレ・ストレッチをするメリット
前脛骨筋は、足首の動きに作用する筋肉です。歩くときやランニングで足を踏み出す際につま先を持ち上げてつまずきにくくする働きがあります。したがって、この筋肉はどのようなスポーツや筋トレの動作にも関わっており、鍛えて柔軟に保つことで体がスムーズに動くようになります。
また、転倒リスクを減らすため、高齢者にもこの筋肉を鍛えることがすすめられます。さらにハイアーチや偏平足など足裏のアーチ状の構造に異常の改善にもつながり、その結果としてけがの防止にも役立つでしょう。
前脛骨筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ
ここからは、前脛骨筋を鍛えるためにおすすめの筋トレメニューを紹介します。次の8種目について、フォームやコツ、注意点を解説します。自宅でできる種目ばかりですので、できるものから挑戦してみましょう。
・座って行うトゥレイズ
・立って行うトゥレイズ
・チューブトゥレイズ
・ダンベルトゥレイズ
・ケトルベルトゥレイズ
・両足トゥレイズ
・床に座るトゥレイズ
・中腰でかかと上げ
トゥレイズのバリエーションは、負荷を大きくしていくことができます。最初は自重で、慣れてきたらチューブなど器具を使ってみましょう。
前脛骨筋の筋トレメニュー①座って行うトゥレイズ
トゥレイズは足のつま先を持ち上げる動きを繰り返すことで、前脛骨筋を鍛えられます。足の甲を曲げるために必要な筋肉に効果があるので、すねの筋肉を全体的に強化したい方におすすめです。座って行うやり方だと、軽い負荷なので初心者の方や高齢者の方も無理せずできます。
▼座って行うトゥレイズのやり方
①椅子などに座り、背筋を伸ばす
②片方の膝を伸ばして、軽く浮かす
③足のつま先を上に持ち上げる
④元のポジションに戻る
⑤もう片方の足も行う
トゥレイズを座って行う場合は正しいフォームで限界が来るまで行うことが効果的です。または前脛骨筋に効果のある他の低負荷トレーニングを行いましょう。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程が最適です。
前脛骨筋だけでなく、筋トレによって疲労した筋肉は約48時間~72時間で回復します。毎日の筋トレは逆効果となるので注意してください。
▼座って行うトゥレイズのコツ&注意点
・動作中の足の指はニュートラルなポジションをキープする
・足の指が反り返ってしまわないようにする
・上半身をしっかりと伸ばし、背中が丸まってしまわないように注意
・床に着けている足の膝は曲げたままでOK
・動作中はかかとを床から少し浮かし、完全に床につかないように
トゥレイズを行う場合には、まずは座って行うトゥレイズのように器具なしで行うことをおすすめします。慣れてきたら、ダンベルなどを使って負荷を大きくしてみてください。
ずーみー(泉風雅)
前脛骨筋は疲労して硬くなっている方は結構多いです。そういう方はストレッチを行ってしっかりとほぐしてあげて、筋トレで足首を動かすことで血流改善へと繋がります。
(トゥレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)
トゥレイズのやり方!脛を鍛えて冷え・むくみ改善も!ダンベル・チューブなどで負荷UP!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレメニュー②立って行うトゥレイズ
座って行うトゥレイズにも慣れたら、次は立った状態で前脛骨筋を鍛えてみましょう。立って行うバージョンでは上半身の姿勢だけでなく、下半身のバランスもしっかりとキープしながら行うことがポイントです。
▼立って行うトゥレイズのやり方
①直立姿勢となる
②片方の脚を前方へ出し、かかとを軽く浮かせる
③足のつま先を上に持ち上げる
④元のポジションに戻る
⑤もう片方の足も行う
立って行うトゥレイズの場合も正しいフォームで行える範囲で限界ギリギリまで行うことで、前脛骨筋を効果的に鍛えられます。または前脛骨筋を狙える他の低負荷トレーニングを取り入れてみてください。
初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行うことをおすすめします。週3回以上の筋トレは疲労が取れず、効果的に鍛えられないので控えてください。
▼立って行うトゥレイズのコツ&注意点
・足を反りすぎると、足の指を伸ばす前脛骨筋以外の筋肉に効きすぎてしまう
・足の指はニュートラルな状態を保ち反らさない
・背筋をしっかりと伸ばし、片足でしっかりとバランスを取る
・動作中はかかとが床につかないように、常に浮かせた状態を保つ
・目線は真っすぐでなくても、足元を見てもOK
トレーニング後はストレッチを行い、すねの筋肉をしっかりとケアしてあげましょう。
ずーみー(泉風雅)
前脛骨筋を強化することで、歩く際に疲れにくいすねの筋肉を手に入れることができます。より負荷を大きくしたい方は。ダンベルやチューブなどを使って行うこともおすすめです。
(低負荷でできるスロートレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)
スロートレーニングは低負荷で筋肥大効果UP!メリット〜やり方を徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレメニュー③チューブトゥレイズ
何も器具を使わないトゥレイズを余裕でできるようになったら、チューブを使って前脛骨筋を鍛えることをおすすめします。チューブは1,000円台で買えるものも多いので、自宅で気軽に前脛骨筋を鍛えたい方はぜひ試してみてください。
▼チューブ・トゥレイズのやり方
①直立姿勢になる
②両足の甲にチューブを引っかける
③片足を前へ出して、軽くかかとを浮かせる
④足のつま先を上に持ち上げる
⑤元のポジションに戻る
⑥もう片方の足も行う
チューブ・トゥレイズでは筋力アップの場合は1回~6回、筋肥大では6回~12回、筋持久力アップは15回以上を限界が来る重量で行いましょう。筋肥大の場合は軽負荷であっても限界まで行うことで同等の効果を得られます。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行いましょう。
▼チューブ・トゥレイズのコツ&注意点
・足首をあまりにも反らせてしまうと、前脛骨筋以外のすねの筋肉に負荷がかかる
・足の指は曲げたり反らしたりしすぎない
・背中が曲がらないように、上体の姿勢をまっすぐに
・かかとは常に浮かせた状態をキープする
・目線は足元を見てもよい
・身体のバランスを保ちにくい場合は、片手を壁などにつきながらでもOK
チューブは負荷の大きさを調整することができるので、最初は軽い負荷から始めることをおすすめします。
ずーみー(泉風雅)
チューブバージョンは気軽に負荷を上げやすいのでおすすめです。特に問題がなければバンドタイプのチューブを用いてください。
(チューブトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)
チューブトレーニングの効果抜群メニュー!腹筋・背筋・肩・太もも・胸筋など部位別にコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレメニュー④ダンベルトゥレイズ
ダンベルトゥレイズではダンベルを足の甲に乗せて、足首を曲げることで前脛骨筋を鍛えられます。動作が安定せず、正しいフォームを保つことが難しいので初心者の方は座って行うバージョンがおすすめです。
▼ダンベルトゥレイズのやり方
①まっすぐに立つ
②片方の足を前へ出して、ダンベルを足の甲に横向きに乗せる
③かかとを軽く浮かせる
④足のつま先を上に持ち上げる
⑤元のポジションに戻る
⑥もう片方の足も行う
筋力アップでは1回~6回、筋肥大は6回~12回、筋持久力アップは15回以上を限界が来る重量で行ってください。筋肥大の場合は軽い重量を用いても、限界の回数まで行うことで十分に効果を得られます。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行いましょう。
▼ダンベルトゥレイズのコツ&注意点
・ダンベルが落ちないように、足の甲の上でしっかりとキープする
・ダンベルを勢いよく落としてしまうと足の指や甲を痛めてしまうので注意
・足首は過度に反りすぎると前脛骨筋への負荷が弱まってしまう
・腰が曲がらないように、背筋を伸ばして行いましょう
・片手を壁などにつけながら行うと、身体のバランスを保ちやすい
ダンベルを落とさないことを気にしすぎると不安定なトゥレイズの動作になってしまうことがあります。その場合は、ベルトのついたケトルベルのほうが安定して行えます。
ずーみー(泉風雅)
トゥレイズをダンベルで行う方もいます。より負荷をかけることはできますが、足の甲にダンベルを乗せることで動作が不安定になってしまうのです。また足の甲も痛めてしまう可能性もあるのでおすすめはできません。
(ダンベルの脚トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
ダンベルの脚トレ11選!初心者〜高負荷で筋肥大も!自宅で下半身を強化!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレメニュー⑤ケトルベルトゥレイズ
ケトルベルトゥレイズはケトルベルを足の甲に引っかけてトゥレイズを行う筋トレメニューです。ケトルベルと足の甲の間にタオルなどを挟んで行うと足の甲への圧力を軽減できます。
▼ケトルベルトゥレイズのやり方
①直立姿勢になる
②片足を前方へ出し、ケトルベルを足の甲にひっかける
③かかとを軽く浮かす
④足のつま先を上に持ち上げる
⑤元のポジションに戻る
⑥もう片方の足も行う
筋力アップを目指す場合は1回~6回、筋肥大では6回~12回、筋持久力アップは15回以上を限界が来る重量を使って行いましょう、筋肥大の場合は軽重量を用いることもOKですが、限界ギリギリまで行ってください。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行うことをおすすめします。
▼ケトルベルトゥレイズのコツ&注意点
・足の指は反らしすぎるとうまく前脛骨筋を鍛えられない
・背筋を伸ばして、身体のバランスを保つことを意識する
・動作する足は床につけずに、軽く浮かせた状態に
・足元を見てもOK
通常のトゥレイズよりも負荷がかかるので、無理をせずに筋トレ後はストレッチも行いましょう。
ずーみー(泉風雅)
ダンベルを使うよりもケトルベルの方がより安定した動作でトゥレイズを行うことができます。
(ケトルベルのトレーニングメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
ケトルベルのトレーニングメニュー!効果的に腹筋・胸筋など全身を鍛えるコツを解説
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレメニュー⑥両足トゥレイズ
このトゥレイズでは両足の前脛骨筋を同時に伸ばしていくことができます。両足のつま先を同時に上げる動作があるので、身体のバランスを崩しやすくなります。このやり方がきつい方は、他の低負荷のトゥレイズメニューを行いましょう。
▼両足トゥレイズのやり方
①足幅を肩幅程度に広げて立つ
②背筋を伸ばす
③両足のつま先をできるだけ高く持ち上げる
④ゆっくりと足を床に付ける
⑤つま先の上げる・下げる動作を繰り返す
15回~20回を2セットか3セット程行いましょう。または前脛骨筋に効果のある軽い負荷の他のメニューを行ってください。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行うことをおすすめします。
どの筋肉部位も筋トレによって疲労すると、回復するまでに48時間~72時間かかります。きちんと前脛骨筋を休ませないで筋トレを続けると、効果が得られない場合もあるので注意してください。
▼両足トゥレイズのコツ&注意点
・立って行うことがきついのであれば、座ってもOK
・身体のバランスを保ちづらい場合は、両手を壁につきながら行ってもよい
・足のつま先を下げるときはゆっくりと動かすことを意識する
・かかとが浮かないように注意する
前脛骨筋をしっかりと鍛えることで足の捻挫予防にも効果があります。
前脛骨筋の筋トレメニュー⑦床に座るトゥレイズ
こちらの前脛骨筋トレーニングでは、床に座った状態で足首を曲げるだけの簡単トレーニングです。歩くことでも疲労しやすい前脛骨筋を、疲れにくい筋肉へと変えることができます。筋力の少ない方でも簡単に行うことができるので、初心者の方にもおすすめです。
▼床に座るトゥレイズのやり方
①床にリラックスした状態で座る
②両膝を立てる
③両手を後ろに持っていき、上体を支える
④ゆっくりと両足を上に持ち上げていく
⑤ゆっくりと下げる
まずは5回程を行い、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。または前脛骨筋を鍛えられる他の低負荷トレーニングを取り入れてみてください。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度が最適です。
毎日筋トレを行っている方もいますが、疲労した筋肉が完全に回復するには48時間~72時間程必要となります。筋トレのやりすぎは逆に筋肉が落ちてしまうこともあるので注意しましょう。
▼床に座るトゥレイズのコツ&注意点
・膝の角度は軽く両膝を曲げる程度で角度はこだわらなくてもOK
・呼吸は足を持ち上げた時に息を吸い、足が床についたと同時に吐く
動作中にすねに痛みを感じたら無理をしないようにしましょう。負荷は少ないトレーニングメニューですが、筋トレを行う上で怪我をの予防のためには大切なことです。
前脛骨筋の筋トレメニュー⑧中腰でかかと上げ
この中腰で行うトレーニングは、かかととつま先を交互にを上げ下げする動作によって前脛骨筋とふくらはぎを鍛えられます。さらに中腰の姿勢を保つために体幹を強化することもできるます。1分間で行えるので、空いた時間に気軽に行えるのがうれしいポイントです。
▼中腰でかかと上げのやり方
①足幅を肩幅程に開き、お尻を後方へ引く
②両手を前方へ真っすぐ伸ばす
③両足のつま先を上げて下ろす
④両足のかかとを上げて下ろす
つま先を上げて、かかとを上げる動作をそれぞれ10回~15回程行いましょう。または前脛骨筋を狙える低負荷の他の筋トレメニューを取り入れてください。初心者の方は3セットを週1回、上級者の方は6セットを週2回程度行うことをおすすめします。
毎日筋トレを行うと筋肉の疲労が溜まっていくだけとなるので、しっかりと筋肉を休ませることを忘れないでください。
▼中腰でかかと上げのコツ&注意点
・動作中はしっかりと体幹を意識し、常に中腰姿勢を保つ
・目線は真っすぐをキープする
・つま先やかかとを上げるときには滑らないように注意
・つま先を上げたときに前脛骨筋がしっかりと刺激されていることを意識する
・かかとを上げたときはふくらはぎの筋肉に負荷がかかっていることを意識する
足首をきちんとコントロールしないとひねってしまうことがあります。1つ1つの動作を丁寧に行いましょう。
(筋トレの休息日については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレは休息日が大切!日数〜プロテインの必要性・食事など過ごし方まで解説!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋のストレッチメニュー
前脛骨筋のストレッチや筋膜リリースメニューを6種目紹介します。画像で正しい姿勢を確認してください。前脛骨筋は日常生活のなかでも疲労が溜まりやすい筋肉部位です。硬くなった前脛骨筋をそのままにしてしまうとすねがつることがあり、さらに運動能力低下にも繋がります。
日頃からしっかりとストレッチを行うことが大切です。筋トレの後のケアにも有効です。発達しすぎてたくましく見えるのが嫌で治し方を探しているという女性も、マッサージでほぐすとよいでしょう。
前脛骨筋のストレッチ①
こちらの正座で前脛骨筋を伸ばすストレッチでは前脛骨筋以外に、長趾伸筋(ちょうししんきん)という他のすねの筋肉も伸ばせます。すねの筋肉をしっかりと伸ばすことで、歩行時の足のひっかかりや末端冷え性も改善することができるのでおすすめです。
▼前脛骨筋のストレッチ①のやり方
①タオルを丸めてゴムなどを巻き、横向きに置く
②タオルの上で、足の甲に押し当てるように正座する
両膝を上げたまま20秒間~30秒間程キープしましょう。きつい方は10秒間から少しずつ伸ばすのでも構いません。
▼前脛骨筋のストレッチ①のコツ&注意点
・タオルなどを使用する方が前脛骨筋をより効果的に伸ばすことができます。
・余裕がある方は手を後ろへ持っていき、両膝を高く上げるとより伸ばしていくことができます。
かなり前脛骨筋を伸ばせるストレッチメニューではありますが、すねがカチカチに張っている方は痛みを伴うこともあるでしょう。無理してストレッチをせずに、自分のステータスに合わせて行ってください。
福田翔馬パーソナルトレーナー
タオルなどに乗せるとき、爪先を乗せると前脛骨筋よりも足趾伸筋が伸びます。前脛骨筋を狙うためにも、足の甲より足首側を乗せるようにしましょう。
(下半身のストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)
【下半身のストレッチ】痩せる・疲労回復の効果抜群のメニュー&やり方を解説
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋のストレッチ②
こちらの前脛骨筋ストレッチでは立って足首を反ることで、前脛骨筋を伸ばしていくことができます。短時間で気軽に行えるストレッチメニューで、立ち仕事の途中にも行うことで足のむくみも改善できるでしょう。
▼前脛骨筋のストレッチ②のやり方
①直立姿勢となる
②片方の足を後方へ引く
③足のつま先をつきながら、身体の重心を前へ移動させる
左右交互に行い、足のつま先をついたままそれぞれ15秒間~30秒間キープしましょう。
▼前脛骨筋のストレッチ②のコツ&注意点
・伸ばしていない方の足の膝は自然と軽く曲がる状態になる
・足のつま先をつく際、足の指先を曲げない
・すねが張りすぎていて痛みを感じる方は無理をしない
両手は自然に下げておけばよいですが、バランスがとりにくい場合は壁に手をついてもよいでしょう。
福田翔馬パーソナルトレーナー
このストレッチではバランスを崩すとすぐ捻挫につながる可能性があります。やる時は、必ず何か掴まるものを用意しましょう。
前脛骨筋のストレッチ③
こちらの前脛骨筋ストレッチではストレッチポールを使って行います。ストレッチポールとはトレーニングやエクササイズなどに用いられる棒状の硬めのクッションです。医療の現場でもリハビリに活用されています。
▼前脛骨筋のストレッチ③のやり方
①ストレッチポールを横向きに置く
②片足の前脛骨筋をストレッチポールに押しあてる
③もう片方の足はストレッチポールの後ろで膝をつく
④両手の平を床について。上体を支える
⑤前脛骨筋をストレッチポールの上で上下に動かす
まずは左右交互に5往復ずつ行いましょう。慣れてきたら徐々に回数を増やしていくのも効果的です。
▼前脛骨筋のストレッチ③のコツ&注意点
・ストレッチポールがきちんと前脛骨筋に当たっていることを感じながら行う
・前脛骨筋はすねの真ん中の骨よりも少し外側に位置しています
ストレッチポールは長さや太さに種類があり、2,000円~10,000円程で購入可能です。1つあるとストレッチだけでなくエクササイズなどもできるので便利です。
福田翔馬パーソナルトレーナー
前脛骨筋は大きな筋肉になるので、大きく動かすことが重要です。ポイントで抑えるのでなく、スネ全体でストレッチポールを転がしましょう。
前脛骨筋のストレッチ④
こちらの前脛骨筋ストレッチはテニスボールですねの筋肉を圧迫していくことで、前脛骨筋をほぐしていくことができます。足首を柔らかくする効果のあるメニューです。足首が硬い方や捻挫をよくしてしまう方は試してみてください。
▼前脛骨筋のストレッチ④のやり方
①床に両膝を立てた状態で座る
②両手でテニスボールを前脛骨筋に押し当て圧迫する
③テニスボールをコロコロと軽く転がしてほぐす
5秒間程圧迫して、場所を変えてまた5秒間圧迫していきましょう。一番痛い前脛骨筋の部位は長めに圧迫していきましょう。
▼前脛骨筋のストレッチ④のコツ&注意点
・膝の下あたりから足首に向かって上から下へ圧迫する
・動作中は痛いけど気持ちいいと感じる程度の強さで圧迫する
・最後にテニスボールを転がして筋肉をほぐすことを忘れない
・テニスボールでは痛すぎる場合は、タオルの結び目を使っても効果的
前脛骨筋だけでなく、どの筋肉部位でも押して痛い場合は不調であるという証拠といえます。不調の場合は、無理のない範囲でストレッチを行ってください。テニスボールのほかに、トリガーポイントなどのメーカーから販売されているマッサージボールを使うのもよいでしょう。
福田翔馬パーソナルトレーナー
テニスボールの圧がかかりすぎると逆効果になります。圧をかける時は、膝を曲げてリラックスできる姿勢で行うようにしましょう。
前脛骨筋のストレッチ⑤
座った状態で足を組んですねの筋肉をほぐしていく前脛骨筋ストレッチです。前脛骨筋が硬いとしゃがむことさえ難しくなることもあるので、しっかりとストレッチをして柔軟性を高めることが大切です。
▼前脛骨筋のストレッチ⑤のやり方
①床に座り、右足を内側に曲げてもう左足の上に乗せる
②伸びている足の方の手(左手)で、曲げた右足の指先を持つ
④右手で曲げている方の足首を掴む
⑤手前に足首を伸ばしていく
深呼吸をしながら、左右20秒間ずつ行いましょう。
▼前脛骨筋のストレッチ⑤のコツ&注意点
・足首を手前に伸ばしていくときには、しっかりと足首を手でロックする
・足首を手で固定するときは、上から足首を掴む
・伸びている方の足はリラックスさせた状態に
・呼吸はゆっくりと吸う・吐くを繰り返しましょう。
ストレッチを始めたばかりの頃はすねの筋肉が痛む人もいます。継続的にストレッチを続けることで、しっかりと筋肉はほぐれていきます。
福田翔馬パーソナルトレーナー
前脛骨筋の走行はまっすぐでなく、スネからやや内側を走って足につきます。そのため、爪先をやや外に向けながらストレッチをかけると効果的です。
前脛骨筋のストレッチ⑥
こちらの前脛骨筋ストレッチでもテニスボールを使って行います。床とすねの間にテニスボールを挟んで押し、前脛骨筋をマッサージすることができます。
▼前脛骨筋のストレッチ⑥のやり方
①膝の骨の出っ張りから外側に向かって指4本分のところにテニスボールを当てる
②そのまま床とすねでテニスボールを挟むように乗る
⑤筋肉に圧をかけていき、ぐりぐりとテニスボールを動かす
テニスボールを動かす動作を30秒間程行ってください。もう片方の足も同じようにストレッチしましょう。
▼前脛骨筋のストレッチ⑥のコツ&注意点
・テニスボールを挟む位置は押すと痛いのが目印
・前脛骨筋の上側の一部をしっかり見極めてから始める
・ベッドなどの柔らかい場所で行うと身体を痛めにくい
前脛骨筋は太もも・骨盤の外側の筋肉とも関連しているので、筋肉前脛骨筋の上側をほぐすことで脚の外側の筋肉をほぐす効果があります。
福田翔馬パーソナルトレーナー
正座のような姿勢で行うと、圧がかかりすぎて逆効果になります。四つ這いなど、圧を調整しやすい姿勢で行ってください。
(テニスボールを使ったストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)
小胸筋のストレッチで巻き肩・肩こり・痛みが改善!壁・テニスボールを使ったメニューなど!
出典:Slope[スロープ]
前脛骨筋の筋トレ・ストレッチをマスターしよう
前脛骨筋を鍛えることで基本的な運動能力をアップさせるだけでなく、疲れにくいすねの筋肉を手に入れることができます。しかしながら、日常的によく使う筋肉なので疲労も溜まりやすい部位でもあります。硬くなった前脛骨筋は足の動きに支障をもたらすため、日頃からしっかりとストレッチをし、弱らないように筋トレで鍛えていきましょう。