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インクラインダンベルプレスは大胸筋上部に効果的な筋トレ
インクラインダンベルプレスは、インクラインベンチに仰向けになってダンベルを上げ下げするダンベルプレスの動作を行う筋トレです。胸の筋肉である大胸筋の上部を集中的に鍛えたい方は、ぜひ挑戦してみてください。ではまず、インクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉部位と得られる効果について押さえておきましょう。
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インクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉部位、得られる効果
まずは、インクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉部位や得られる効果について解説します。自分の目的に合ったトレーニングが行えるよう、この種目で鍛えられる筋肉部位に関する理解を深めておきましょう。
大胸筋上部
インクラインダンベルプレスで鍛えられるのは、胸にある大胸筋の上部です。大胸筋は上部・中部(内側)・下部から構成されていますが、インクラインベンチで行うこの種目は動作の軌道と大胸筋上部の走行が一致することで上部を効果的に鍛えられます。
また、ダンベルを使って動作を行うためバーベルで行うインクラインプレスより不安定性が高いこともこの種目の特徴のひとつです。トレーニングを重ねて大胸筋上部を鍛えると「胸板が逞しくなる」「バストアップができる」といった効果が期待できるでしょう。
ここで大胸筋の鍛え方について触れておきます。日本では大胸筋の筋トレとしてフラットベンチで行うベンチプレスなど中部・下部狙いの種目が人気です。しかし、米国などでは上部狙いの種目から行うのが一般的だとされています。胸の厚みを強調するには上部の発達が欠かせません。しっかりと上部を発達させるために、インクライン種目を積極的に取り入れましょう。
ずーみー(泉風雅)
インクラインベンチで行うプレス種目は、ラグビー・アメフトといったコンタクトスポーツのトレーニングとしても有効です。実際のタックルなどに近い動作を行うことができるので、コンタクトスポーツをしている方は筋トレにインクラインのベンチプレスを取り入れると良いでしょう。
(大胸筋上部の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大胸筋上部の筋トレメニュー!短期間で服がピチピチになる鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
インクラインダンベルプレスの効果的なやり方
ここからは、インクラインダンベルプレスのやり方を解説していきます。正確なフォームやベンチの角度などのポイントを把握して、効果的にトレーニングを行いましょう。
①インクラインベンチに寝そべって構える
まずは、インクラインベンチの角度を約30~45度に設定します。角度をつけすぎると肩の三角筋の前部に負荷がかかってしまうため、まずは30度くらいから始めると良いでしょう。角度を設定したら仰向けに寝そべり、ダンベルを上げて構えます。このとき、足はしっかりと地面につけてください。
また、ベンチに仰向けで寝そべる際にはオンザニーテクニックを使いましょう。オンザニーテクニックの方法は以下の通りです。
①両手にダンベルを持ってベンチの端に座る
②ダンベルを縦向きにして太ももの上に置く
③ダンベルを膝で持ち上げながら仰向けになる
④両足を地面につけてスタートポジションをとる
ずーみー(泉風雅)
ダンベルを最初に上げるときは深いところから始める必要があるので、補助者がいる場合は手伝ってもらうと良いでしょう。
②ダンベルを下げる
次に、肩甲骨を寄せた状態でダンベルを下ろしていきます。このときに脇を開きすぎて肩がすくまないよう注意しましょう。フォームについては鎖骨の中心から胸を開くイメージで、横アーチを作ることを意識してみてください。
こちらの画像のように肘が常にダンベルの真下にある状態を保ち、動作の軌道が大胸筋上部の走行に沿うよう心がけましょう。
③ダンベルを上げる
続いて、ダンベルを上げていきます。このときにダンベルの位置が肩より内側になると負荷が抜けてしまうので注意しましょう。肩甲骨は自然に出る程度であれば動いても構いません。この種目ではフラットベンチで行うパターンよりも上から負荷がかかるため、肩は自然に下がりやすくなります。また、ダンベルが上に来たときにカチンと合わせる必要はありません。
ずーみー(泉風雅)
初心者の方の場合、肩の柔軟性が不足しているケースが多くみられます。まずは狭い範囲で上の方から徐々に下ろせるようにしていきましょう。上級者の方は、大胸筋上部の動きが大きいボトムからミッドレンジあたりまでの範囲で往復するテクニックにも挑戦してみてください。
インクラインダンベルプレスのコツ&注意点
続いて、インクラインダンベルプレスのコツと注意点を解説します。この種目を効果的に行うためには、以下の3点を頭に入れておくことが大切です。
・脇を外に開かないようにする
・ダンベルが内側に入らないようにする
・手首が曲がらないよう注意する
まずは、脇を外に開かないようにすることについて確認していきましょう。
脇を外に開かないようにする
インクラインダンベルプレスでは、動作の際に脇を外に開かないようにすることが重要です。上の画像のように脇が外に開いた状態で動作を行うと、上腕二頭筋や肩に効くトレーニングになってしまいます。先ほども触れたように、脇を開きすぎず肘が常にダンベルの真下に来るよう心がけましょう。
ダンベルが内側に入らないようにする
ダンベルが内側に入らないようにすることも、インクラインダンベルプレスの注意点のひとつです。上の画像のようにダンベルが内側に入ると肘の曲げ伸ばしが大きくなり、上腕三頭筋に負荷がかかってしまいます。
さらに、ダンベルが内側に入った状態では肩関節とダンベルの重力線を結んだ垂直距離(モーメントアーム)が短くなり、胸への負荷が小さくなるためトレーニング効果を十分に得られません。この点についても、肘が常にダンベルの真下に来るように意識することで対処できます。
手首が曲がらないよう注意する
インクラインダンベルプレスの注意点としては、手首が曲がらないようにすることも挙げられます。こちらの画像のように、手首が曲がった状態で動作を行うと「手首を痛めやすい」「肩がすくんで鎖骨から胸を開く動作がしづらくなる」といった問題が起こりがちです。ダンベルは手首の根元に乗せるようなイメージで深く握るようにしましょう。
インクラインダンベルプレスの最適な重量・回数・セット数
インクラインダンベルプレスを行うにあたっては、正確なフォームや動作のコツだけでなく効果的な重量・回数・セット数を知っておくことも重要です。そこで、ここではインクラインダンベルプレスの最適な重量・回数・セット数について解説します。
インクラインダンベルプレスの最適な重量・回数
インクラインダンベルプレスの最適な重量と回数は、トレーニングの目的によって変わってきます。目的が筋力アップの場合は1~6回、筋肥大の場合は6~12回、筋持久力アップの場合は15回以上で限界となる重量を扱ってください。
筋肥大に関しては重量が軽めであっても限界まで追い込めば同等の効果を得られますが、いずれの目的においても正しいフォームを保って限界まで動作を行うことが大切です。また、この種目で鍛えられる大胸筋は紡錘状筋と呼ばれる速いスピードでの収縮が可能な筋肉なので、レップ数を上げて仕事量を増やすと良いでしょう。
インクラインダンベルプレスの最適なセット数
インクラインダンベルプレスの最適なセット数は筋トレの経験によって異なります。初心者の方なら3セット×週1回、上級者の方なら6セット×週2回程度を目安にすると良いでしょう。セット数や頻度はステータスの上昇に合わせて増やしていきますが、週3回を超えるトレーニングは怪我やオーバーワークを招く原因となるため避けるようにしてください。
(筋トレのセット数・回数の最適解については以下の記事も参考にしてみてください)
筋トレのセット数・回数の最適解はコレ!目標別に成長効率を上げるコツを解説!
出典:Slope[スロープ]
インクラインダンベルプレスの効果を高める為のポイント
最後に、インクラインダンベルプレスの効果を高める為のポイントを紹介します。これまで解説してきた正確なフォームや動作のコツと合わせて、ぜひ実践してみましょう。
食事内容にも気を配る
インクラインダンベルプレスの効果をより高めるには、食事内容にも気を配る必要があります。筋トレ中は筋肉の発達や超回復のために、たんぱく質の摂取が欠かせません。また、たんぱく質を適切に摂取できていないとトレーニング効果を十分に得られないので、筋トレ中の食事や栄養摂取に関する知識を獲得しておくことも非常に重要です。
筋肉を発達させるには、1日に体重1kgあたり約2gのたんぱく質が必要だとされています。そして、100gのたんぱく質を摂取するには約500gもの肉類を食べなければなりません。また、一度の食事で体内に吸収できるたんぱく質の量は30g程度です。これらの点を踏まえて、適切にたんぱく質を摂取できる食事のメニューや回数を考えてみましょう。
(筋トレ中の食事については以下の記事も参考にしてみてください)
【筋トレ×食事】効果UPの食べ物〜筋肉の発達が停滞するNG例など徹底解説
出典:Slope[スロープ]
インクラインダンベルプレスで大胸筋上部を鍛えて最強の胸板に
インクラインダンベルプレスは大胸筋上部を集中的に鍛えることができ、逞しい胸板を手に入れたい男性はもちろんバストアップを狙う女性にもおすすめの筋トレです。正確なフォームやベンチの角度などのコツを押さえ、効果的に大胸筋上部を鍛えていきましょう。
(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
ラットプルダウンのフォーム!腕が疲れず背中に効くコツ!重量・自宅版についても!
出典:Slope[スロープ]
懸垂(チンニング)の効果&やり方!できない人向け&腹筋・二頭筋など部位別のメニューも!
出典:Slope[スロープ]