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ヒンズースクワットのやり方!脂肪燃焼・下半身痩せ効果UPのコツをプロが解説

2020年04月20日

ヒンズースクワットはあえて膝を前に出すスクワットの応用のやり方です。今回はこの種目の正しいやり方や回数・セット数などの効果UPのコツなどを解説します。またダイエット効果、消費カロリー、腰痛への影響などについても紹介するので、参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ヒンズースクワットとは?通常のスクワットとの違いを解説

ヒンズースクワットはインドのトレーニング方法であることが由来で名前が付いた筋トレです。インド人プロレスラーにより日本に伝えられたと言われています。同じくインド発祥のヨガでもスクワットの動作が行われたりします。

このヒンズースクワットは通常のスクワットとは違って上の動画のように膝を大きく前に出して動作で行うものです。その他にもしゃがむ際にかかとを浮かせることや反動をつけて行うことなども違う点として挙げられます。また連続して行うことで有酸素運動的にダイエット効果を狙う人も多いのも特徴と言えるでしょう。

今回はそんなヒンズースクワットの効果的なやり方や最適な回数・セット数などについて解説します。それでは初めにヒンズースクワットで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果から見ていきましょう。

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ヒンズースクワットで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ヒンズースクワットでは大腿四頭筋を主に鍛えることができます。それでは早速、この大腿四頭筋がどのような筋肉なのか、鍛えると得られる効果と合わせて解説していきます。

(スクワットの効果については、以下の記事も参考にしてみてください)

大腿四頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

大腿四頭筋は太ももの前側を覆うように付いている筋肉です。大腿直筋外側広筋内側広筋中間広筋の4つから構成されていて、主に膝を伸ばす働きをしています。ヒンズースクワットでは立ち上がる時に膝を伸ばすため、この大腿四頭筋を集中的に鍛えられるのです。

そしてこの大腿四頭筋を鍛えるとキックやジャンプなどの膝を伸ばす動きのパフォーマンスの改善や基礎代謝アップ効果が得られます。それに加えて膝関節の保護などの効果も期待できます。

(大腿四頭筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ヒンズースクワットの効果的なやり方

それでは次にヒンズースクワットの効果的なやり方を解説します。間違ったフォームでは膝に悪い影響が出ることもあるので、ここで正しいフォームや動作のポイントを確認しておきましょう。

①まっすぐに立つ

スタートポジションは、まっすぐに立った状態です。

②膝を前に出してしゃがむ

次に上の画像のように膝を前に出しつつ、上体は垂直に保ったまましゃがみます。この時スクワットと違って、軽くつま先立ちになることで膝を前に出していきましょう。

このようにヒンズースクワットでは膝の大きな曲げ伸ばしを行うことで、大腿四頭筋に効かせていくことができます。ただし、ヒンズースクワットでは腰痛などのリスクが低い分、このボトムポジションで膝を痛めやすいので、十分に注意しながら行ってください。

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ずーみー(泉風雅)

テンポよく行う場合は、腕を振ってバランスを取ると良いでしょう。

③元の姿勢に戻る

膝を伸ばして①の状態に戻ります。後は①~③を繰り返し行ってください。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

テンポよく持続的に行いたい場合、呼吸はボトムポジションから切り返すときにフッと息を吐き、挙げきりから降ろす時に自然に息を吸うようにしてみてください。

ヒンズースクワットのコツ&注意点

それでは次にヒンズースクワットのコツ&注意点を解説します。ヒンズースクワットならでは刺激を得るためにも、しっかりとチェックしておきましょう。

(ワイドスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

膝が前に出ていない

ヒンズースクワットでは上の動画のように膝が前に出ていないフォームはNGです。なぜなら膝を前に出さないやり方では通常のスクワットと同じと変わらず、大腿四頭筋へのヒンズースクワット独特の負荷を得られないからです。ヒンズースクワットならではの刺激を得るためにもしゃがむ際にはつま先立ちになり、あえて思いきり膝を前に出すように意識しましょう。

ヒンズースクワットの最適な回数・セット数

ダンベルやバーベルなどを使うスクワットでは重さや回数を調整することで、筋トレの目的に合った効果を狙います。しかし、ヒンズースクワットでは自重で行うため負荷を変えることができません。そのため基本的には正しいフォームを守れる限界の回数までこなすようにすると良いでしょう。

セット数についてはトレーニングステータスによって変えます。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。ちなみに頻度については週1回より2回の方が効果的ですが、3回がそれ以上の効果を生むかはわかっていません。オーバーワークにならないためにも無理のない頻度で取り組むようにしてください。

(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)

ヒンズースクワットは有酸素運動にもなる?消費カロリーは?

先ほども少し触れたようにヒンズースクワットは、連続で行うことで有酸素運動的なダイエット効果を狙う方が多い種目です。安定した動作を継続できれば、確かにある程度のカロリー消費は期待できるかもしれません。しかし、有酸素運動として多くのカロリーを消費するためには、まとまった時間トレーニングする必要があるので注意が必要です。

またそもそもですが、有酸素運動は無酸素運動(筋トレなど)に比べてダイエットの「時間効率」は悪くなりやすいと言えます。例えば、時速8kmで30分ランニングした場合の消費カロリーは200〜250kcalほどです(体重50〜60kgの場合)。今回取り上げているスクワット運動でも50kgの人なら大体10分でわずか約33kcalしか消費されません。

一方、筋トレは行った後にも酸素を取り込み、代謝が上がった状態になります。筋肉量にもよりますが、大きな筋肉をハードに動かした後、EPOC(運動後過剰酸素消費量)で消費するカロリーは約300〜600kcalくらいにもなるのです。

つまりハードな有酸素運動を1時間行うよりも、短時間で大きな負荷を掛ける筋トレを行うほうが運動にかかる時間が減ります。また、筋肉をつけて太りにくい身体を手に入れ、美しいボディラインをデザインすることができる利点があるのです。

そのためダイエット目的の場合でもヒンズースクワットを有酸素運動として行うのはあまりおすすめできません。それよりも時間効率が良く、さらに体型の変化に効果的な強度の高い筋トレとして取り組むと良いでしょう。

(有酸素運動で痩せない理由については以下の記事も参考にしてみてください)

ヒンズースクワットの効果を高める為のポイント

最後にヒンズースクワットの効果を高める為の以下のポイントを紹介します。

・負荷を高めるならシシースクワットも行う
・目的に合わせて種目を選ぶ
・ハムストリングスや大臀筋の種目と一緒に行う

それでは1つずつ詳しく解説していきます。

負荷を高めるならシシースクワットも行う

ヒンズースクワットとよく似た動きをするトレーニングにシシースクワットがあります。このシシースクワットはヒンズースクワットよりもさらに大きなストレッチを大腿四頭筋にかけられる種目です。そのため大腿四頭筋により強い負荷をかけたい時はシシースクワットも合わせて取り組むと良いでしょう。

(シシースクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

目的に合わせて種目を選ぶ

脂肪燃焼やダイエット目的の女性などの場合、スクワット動作で前傾することの不安からヒンズースタイルのスクワットを選ぶ傾向があります。

しかし、実際にはダイエットとボディメイクという観点から見ると、通常の前傾していくスクワットのほうがトレーニングとして適していると言えるのです。なぜなら通常のスクワットの方が太ももの前側だけでなくお尻も鍛えることができ、ヒップアップも同時に狙えるからです。

自分の目的に合わない種目を選んで、意味ないことをしないように注意しましょう。

ハムストリングスや大臀筋の種目と一緒に行う

筋トレでヒンズースクワットばかりを行っていると、大腿四頭筋に対してハムストリングス大臀筋の発達が遅れ、姿勢不良などの原因になってしまう恐れがあります。

それを防ぐためにも太ももの前側の筋肉だけでなく、太ももの後ろ側やお尻の筋肉もバランス良く鍛えるのをおすすめします。具体的な種目としてはルーマニアンデッドリフトがおすすめです。この種目ならハムストリングスや大臀筋を鍛えることができ、お尻の形を良くしたりもできるので、ぜひ一緒に取り組んでみてください。

(ルーマニアンデッドリフトについては以下の記事も参考にしてみてください)

ヒンズースクワットで脂肪燃焼・下半身痩せを狙おう

ヒンズースクワットは、大腿四頭筋が鍛えられる自宅でもできるトレーニングです。太ももの前側にある大腿四頭筋を集中的に強化でき、脂肪燃焼効果も期待できます。ぜひ今回紹介した情報を参考に日々のメニューに上手く取り入れて、下半身痩せや脂肪燃焼を狙っていきましょう。

(下半身を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)