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ハーフデッドリフトのやり方!腰を痛めず背中に高負荷を与えるコツをプロが解説

2020年03月23日

今回は背中を効果的に鍛えられるハーフデッドリフトのやり方や腰を痛めずに高負荷を与えるコツなどを解説します。またスミスマシンを使った応用の方法も紹介します。背中を効率的に鍛えたい人や腰が痛いからとデッドリフトを避けていた人などはぜひ参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ハーフデッドリフトとは?デッドリフトとの違いも解説

ハーフデッドリフトは通常のデッドリフトを床からではなく、あえて高い位置からスタートさせる筋トレです。トップサイドデッドリフトやラックプルとも呼ばれています。床引きのデッドリフトよりも腰への負担が少ないのにも関わらず、高い負荷で背中の筋肉を集中的に鍛えられるのが大きな特徴です。

今回はこのハーフデッドリフトの効果的なやり方や効果を高めるコツ、腰を痛めないためのポイントなどを紹介します。それでは初めにハーフデッドリフトで鍛えられる筋肉の部位や得られる効果からチェックしていきましょう。

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ハーフデッドリフトで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ハーフデッドリフトで鍛えられる筋肉の部位は主に以下の3つあります。

・脊柱起立筋
・僧帽筋
・広背筋

それではそれぞれがどのような筋肉なのか、得られる効果と合わせて解説します。

脊柱起立筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-9

鍛えられる筋肉部位としてまず挙げられるのが、脊柱起立筋です。脊柱起立筋は体幹の伸展・回旋作用に加えて姿勢をキープする作用を持っています。

ハーフデッドリフトでは通常のデッドリフトに比べて可動域を制限している分、重たい重量を扱えます。その結果、体幹を固定する脊柱起立筋に強力な刺激を与えることできるのです。

そしてこの脊柱起立筋をしっかりと鍛えると姿勢の改善やスポーツ・その他の筋トレ種目のパフォーマンスアップなどの効果が期待できます。

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(脊柱起立筋の筋トレ&ストレッチについては以下の記事も参考にしてみてください)

僧帽筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-4

僧帽筋もハーフデッドリフトで鍛えられる筋肉部位です。僧帽筋は肩甲骨を寄せたり、下から腕を引き上げる作用などを持っています。ハーフデッドリフトでバーを引く時には肩甲骨が広がらないように寄せる意識を持ちます。その時に僧帽筋へ強い刺激が入るのです。

そしてこの僧帽筋を鍛えると背中の上部の厚みが増す効果や肩こり解消などの効果が得られます。

(僧帽筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

広背筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-5

広背筋も鍛えられる筋肉部位の1つです。広背筋は上腕を上や前側から引き寄せる作用を持っています。ハーフデッドリフトでは上腕が若干離れた状態からスタートし、引き寄せて動作を終えます。この引き寄せる動作の時に広背筋に刺激が入り、鍛えられるのです。

この広背筋を鍛えると逆三角形の体型になることや姿勢・腰痛の改善、また基礎代謝アップなどの効果が期待できます。

(広背筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

ハーフデッドリフトの効果的なやり方

次にハーフデッドリフトの効果的なやり方を解説します。背中にしっかりと効かせるためにも、実践の前に正しいフォームや大事なポイントを確認しておきましょう。

①バーをセットする

まずはパワーラックなどを使って、バーベルが膝の上あたりの高さになるようセットしましょう。

②バーベルを掴み、スタートポジションを取る

足の中心の位置がバーベルの真下になるように立ち、腰を引いてバーベルを掴みます。この時のグリップ幅は、腕をだらりと下げた状態での幅が目安です。そして画像のようにバーを握った状態がスタートポジションとなります。

③バーを引き上げる

体幹を固定できるよう腹圧を高めます。そしてしっかりと僧帽筋下部や広背筋に力を入れながらバーを引き上げましょう。またこの時、肩甲骨が外に出てしまわないようにバーをなるべく体から遠ざけずに動作を行ってください。

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ずーみー(泉風雅)

肩甲骨を寄せた状態を保てず外に開いたフォームで行ってしまうと、腰が曲がってぎっくり腰発症のリスクが高まるので注意してください。

④ゆっくりとバーを戻す

バーを引き上げたら、ゆっくりと同じ軌道を通りながらスタートポジションに戻ります。後は同じ動作を繰り返します。

ちなみにこの種目における呼吸法についてはバーの上げ下げを行う際に息を止め、上げきった時やラックに戻した時に呼吸をする方法がおすすめです。この呼吸法は「ヴァルサヴァ法」と呼ばれ、体幹を安定させたり、怪我のリスクを減らせるメリットがあります。

一方で血圧が上がりやすいという難点もあります。そのため心血管系リスクを抱えている方は安全のためにも医師に相談して、その指示に従った呼吸法を動作中に行うようにしましょう。

ハーフデッドリフトのコツ&注意点

ハーフデッドリフトを行う上でのコツや注意点は以下の3つあります。

①腰が反る、曲がる
②初めから上体を立てすぎてしまう
③グリップが外れてしまう

それでは①の腰が反る、曲がることから詳しく見ていきましょう。

①腰が反る、曲がる

よくある問題としてまず挙げられるのが、こちらの画像のように腰が反ってしまうことです。基本的に高重量を扱うこの種目では、適切に脊椎を固定できていないと痛みや怪我を引き起こす可能性があります。それを防ぐためにも動作中はしっかりと腹圧を高めて、体幹を固定させるように意識しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

動作中に正面の鏡を見つめすぎると、頚椎が過伸展するため顎が上がってしまいます。首から胸、そして腰の骨は背骨という大きなユニットとして繋がっているので、腰が反ってしまう場合は鏡を見つめないようにしてみるのも1つの手です。

股関節主動の意識をつかみにくい初心者の方は、こちらの画像のように腰が曲がりやすいという問題も起こりがちです。太ももの付け根あたりにある硬い骨を指す大転子を中心に、ヒンジ運動を行う意識で動いてみましょう。

②はじめから上体を立てすぎてしまう

上体をはじめから立てすぎてしまうことも、よくある問題の1つです。上体を立てすぎたフォームで動作を行うと大腿四頭筋内転筋が主動になってしまいます。そうすると脊柱起立筋などの背中を鍛える種目としては意味ないので注意が必要です。

狙った効果を得るためにも重量にこだわりすぎないようにし、膝を軽く曲げて股関節が屈曲した状態から動作をスタートさせましょう。

③グリップが外れてしまう

グリップが外れてしまうという問題もよく起こりがちです。確かに高重量を扱う種目のため仕方ない面もある問題ではあります。しかし、画像のように指先でバーを握っていることが原因となっている可能性もあるのです。

手の根元で引っ掛けるようなイメージで、こちらの画像のようにしっかりとバーを握るようにしましょう。このように握ることで握力がもちやすくなります。

またこちらの画像のように片手を順手、片手を逆手にして握るオルタネイトグリップにするのも効果的です。ただ、重量が上がってくるとこの方法でも対応が難しくなります。またオルタネイトグリップによる左右差が気になる場合もあるでしょう。そのような時はパワーグリップやリストストラップなどのグリップツールを使うのをおすすめします。

ハーフデッドリフトの最適な重量・回数・セット数

ハーフデッドリフトを行う上で最適な重量と回数は、トレーニングを行う目的によって変わってきます。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量がおすすめです。筋肥大目的の場合は限界まで繰り返せば軽い重量でも同等の効果が得られます。

ちなみにハーフデッドリフトは動作範囲が限られているため、通常のデッドリフトと比べると扱える重量の平均は重たいです。しかし、あまりにも高い負荷を掛けると腰が痛いなどトラブルの原因となるので注意してください。

最適なセット数は、トレーニングにおけるステータスによって決まります。初心者の方であれば週1回3セット、上級者の方であれば週2回6セット程度を目安に行うと良いでしょう。

【初心者向け】スミスマシンを使用したハーフデッドリフトのやり方

初心者の方は通常のハーフデッドリフトで上手くバーベルをコントロールできない場合もあります。そのような時におすすめなのが、スミスマシンを使った方法です。スミスマシンは軌道が固定されているため、バランスが取りやすいのです。直線にバーベルを上げる感覚を養いたい初心者の方などはぜひ試してみてください。

▼スミスマシンを使用したハーフデッドリフトのやり方

①セーフティバーを膝の上あたりの高さに調整する
②足の中心がバーの真下に位置するように立つ
③腰を引いてバーを掴む
④バーを引き上げて下ろす動作を繰り返す

扱う重量や回数は通常のハーフデッドリフトと同じです。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量を目安にしてください。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行うと良いでしょう。

▼スミスマシンを使用したハーフデッドリフトのコツ&注意点

・腰を反らせたり曲げたりしない
・僧帽筋下部や広背筋に力を入れて引き上げる

(スミスマシンの使い方については以下の記事も参考にしてみてください)

ハーフデッドリフトの効果を高める為のポイント

最後にハーフデッドリフトの効果を高めるための以下の2つのポイントを紹介します。

・限界が来たら休息を取る
・背中や腹筋の種目と一緒に行う

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

限界が来たら休息を取る

ハーフデッドリフトを行う際には、限界が来たら休息を取るよう心がけましょう。この種目は基本的に高重量を扱うため、無理をして間違ったフォームなどで上げると怪我をする可能性があります。そのため正しいフォームを維持できる限界が来たら、無理をせずにそこで動作を止めるようにしましょう。

また頻度に関しては週1回よりは週2回の方が効果的ですが、週3回以上のトレーニングがより効果を生むどうかは明らかにされていません。オーバーワークを防ぐためにも、自らのステータスに合った頻度でトレーニングを行うようにしましょう。

背中や腹筋の種目と一緒に行う

ハーフデッドリフトは他の背中の種目や腹筋の種目と一緒に行うのも効果的です。おすすめの背中の種目としてはラットプルダウンやベントオーバーローイングなどがあります。このような種目で違った角度からも背中を追い込むとさらなる成長が期待できるのが大きなメリットです。

またハーフデッドリフトで鍛えられる脊柱起立筋に対しての拮抗筋である腹筋と合わせて鍛えるのもおすすめです。拮抗筋と一緒に鍛えると筋肉量・筋力のバランス改善や怪我の予防、主動筋のパフォーマンスアップなどの効果が期待できます。一緒に行う種目にお悩みの方はぜひ試してみてください。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ハーフデッドリフトでバキバキの背中を手に入れよう

ハーフデッドリフトは腰への負担を抑えながらも、高い負荷を掛けて背中を鍛えることができる種目です。今回紹介した正しいフォームや肩甲骨の位置などのコツを押さえて実践し、バキバキの逞しい背中を作り上げていきましょう。