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内腹斜筋の筋トレメニュー!くびれを作る鍛え方のコツ&構造・作用なども解説

2020年04月25日

内腹斜筋は腹筋群のうちの一つです。鍛えることで脇腹の引き締めやパフォーマンス向上させる効果も期待されます。この記事では内腹斜筋の構造・作用、鍛えるメリットを解説しつつ内腹斜筋に効果的な筋トレや鍛え方のコツまで詳しく紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

内腹斜筋の構造・作用

出典:https://note.com/chonmal/n/n2df0f632fbbc

構造

内腹斜筋は腹筋群の一つで、呼吸を行うために働く呼吸筋の一つでもあります。脇腹にあり、外腹斜筋の内側に位置している部位です。腹筋群は内腹斜筋のほか、腹直筋、外腹斜筋、腹横筋で構成されています。内腹斜筋は胸腰筋膜深葉・上前腸骨棘・鼠径靭帯・腸骨稜中間から起始して、第10~12肋骨の上部、腹直筋鞘中部・精巣挙筋下部に停止します。

腹斜筋を構成しているもうひとつの外腹斜筋との違いは、筋繊維の向きです。内腹斜筋は腹部深層のインナーマッスルで、筋繊維は斜め下に通っています。一方、腹部全体を覆う表層筋である外腹斜筋の菌繊維は斜め上を走っています。

作用・役割

内腹斜筋の役割は主に以下の3つになります。

・身体を前に倒す
・前を向いた状態で体を横に曲げる
・後ろを向く

内腹斜筋は、外腹斜筋とともに腰を曲げたり、ひねったりする際に働き、左に身体をひねるときには左の内腹斜筋と右の外腹斜筋が作用するといった動きをします。内腹斜筋があるから身体をひねることができるといってもいいでしょう。また、内臓などの位置を安定させたり、腹腔の内圧を上昇させる役割もあります。

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内腹斜筋の筋トレをするメリット

腹部の深層にある腹斜筋は身体をひねるなどの役割があることがわかりました。ではこの内腹斜筋を鍛えることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下のような効果があるとされています。

・脇腹が引き締まる
・腹圧の向上が期待できる
・パフォーマンスの向上

それでは詳しく見ていきましょう。

脇腹が引き締まる

内腹斜筋を鍛えることで脇腹を引き締めることができます。外腹斜筋は腹部全体を覆う筋肉ですが、内腹斜筋は脇腹を中心に巻き付くように存在しています。内腹斜筋を鍛えることでコルセットの役割をし脇腹を引き締めます。それとともに臓器の位置が矯正されるメリットもあるので、臓器によって押し出された下腹の引き締めも期待することができます。

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腹圧の向上が期待できる

腹斜筋を鍛えるメリットとして腹圧の向上が期待できます。腹圧が向上することによって正しい姿勢を維持できたり、腰痛の改善、トレーニングのパフォーマンス向上などさまざまなメリットがあります。腹筋とは違う腹圧を鍛えることによって見た目だけではない機能的な筋肉を作ることができます。

パフォーマンスの向上

内腹斜筋は、体幹の動作や回旋運動に影響があります。回旋運動はスポーツで見れらる動きのため、鍛えれば鍛えるほどパフォーマンスが向上します。例えば野球のスイングスピードを上げられたり、柔道では身体を強く回したりできるようになります。

内腹斜筋の筋トレメニュー&鍛え方のコツ

ここからは、内腹斜筋の筋トレメニューをいくつか紹介します。併せて鍛え方のコツや注意点も解説しますので参考にしてください。

内腹斜筋のトレーニング①サイドプランク

サイドプランクは、サイドエルボーブリッジとも呼ばれる種目です。脊柱に上から重さでの圧迫負荷を掛けずに、ブレーシングによって筋肉を鍛えていくことができます。腹斜筋だけでなく、脊柱起立筋広背筋、腰方形筋といった広い範囲の筋肉が鍛えられるトレーニングです。

▼サイドプランクのやり方

①横向きに寝る
②肘・足を接地させて身体を浮かせる
③その姿勢をキープする

まずは30秒キープを目指してください。回数よりも正しいフォームを意識することがとても重要です。正しいフォームを身に着けてから秒数を増やしていくようにしましょう。

▼サイドプランクのコツ&注意点

・頭から足を一直線にし、肩が上がらないようにしましょう
・お腹を膨らませるように力を入れつつ、脊柱・背骨はニュートラルなポジションを保つようにします
・頭から足で行うのが難しいという方は、膝を付けるようにすると負荷を減らすことができます

付いている肘が痛いといった場合はマットやパッドを使ってください。応用トレーニングとして、脚上げプランクやサイドプランクバイクがあります。

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ずーみー(泉風雅)

サイドプランクで鍛えていく筋肉はブレーシングで鍛えていくべきであり、ドローインによって狙われる腹横筋とは狙いが少し異なってきます。しっかりとお腹を膨らませる方向に力を入れて体幹部を固めてください。

(サイドプランクについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋のトレーニング②サイドクランチ

サイドクランチは腹斜筋が鍛えられるトレーニングです。あまり大きい動きではありませんが、脇腹の筋肉の収縮感はつかみやすいでしょう。マシンやダンベルを使った上級者向けのバリエーションもあります。

▼サイドクランチのやり方

①横向きに寝て膝をたたみます
②上側の手は頭の上に、下側の手は上側の脇腹に置く
③肘を骨盤にくっつけるように身体を横に起こす
④元に戻す

1セット10~20回を3セット行うのが目安になります。高回数をテンポよく行うことで血流を改善し、脇腹の部分痩せの効果を狙っていくこともできます。

▼サイドクランチのコツ&注意点

・背中が過度に丸まらないようにする
・腹斜筋や腰方形均の体幹側屈をバランスよく使うために背骨はニュートラルか少し丸めた上体が理想

きつくて1回もできないという人は、まずは何も持たない状態から始め、ペットボトルを持つなどして徐々に負荷を高めていくとよいでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

くびれを作りたい場合は、身体のバランスとして相対的にウエストが細くなる必要があります。広背筋や大臀筋・中臀筋の強化に加えて、ドローインの練習などで腹横筋に刺激を与えてウエストを細くしていくとよいでしょう。

(サイドクランチのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋のトレーニング③ツイストクランチ

ツイストクランチはクランチに斜めの運動が加わるため、腹直筋に加えて腹斜筋も鍛えていくことができます。さらに股関節も動かすことで腸腰筋にも刺激を入れられます。腹部の下部から上部、横まで全体的に鍛えていくことができるトレーニングです。

▼ツイストクランチのやり方

①横になり、上背部と足を浮かせた状態にする
②逆側の肘と膝をクロス方向にくっつけるように動かしていきます
③片方が終わったらそのまま逆側のクロス方向にも交互に行う

目的が筋力アップなら1〜6回、筋肥大なら8〜12回で限界がくるような負荷を用いるのが目安です。筋肉が回復するためには48〜72時間かかりますので、毎日トレーニングを行うのはやめましょう。

▼ツイストクランチのコツ&注意点

・腹筋に効かない人は背中が上までぺったりと地面についている可能性があります
・腹筋をしっかりと働かせて骨盤を後ろに傾けるような意識で上背部・肩甲骨を浮かす

立って行うツイストクランチもありますが、その場合はループバンドを用いた腿上げエクササイズとし、腸腰筋を刺激して姿勢改善などを狙うとよいでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

筋肥大を狙う場合には8〜12回の負荷を用いるのが標準的ですが、それよりも軽い負荷であっても限界まで行うことで同等の筋肥大効果が期待できます。

(ツイストクランチのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋のトレーニング④バイシクルクランチ

バイシクルクランチはツイストクランチと似た動作を行うトレーニングです。こちらも腹部の下部から上部、横まで全体的に鍛えていくことができます。ツイストクランチと違う点は、肘と膝を付けた後に元の状態に戻さず、自転車を漕ぐように左右交互に行っていくことです。

▼バイシクルクランチのやり方

①横になり、上背部と足を軽く浮かせた状態にする
②手を頭の後ろに組み、対角の肘と膝を付ける
③左右を交互に行っていく

目的が筋力アップなら1〜6回、筋肥大なら8〜12回で限界がくるような負荷を用いるのが目安です。初心者の方は週1回3セット、上級者の方は週2回6セット程度がよいでしょう。

▼バイシクルクランチのコツ&注意点

・お腹を膨らませる方向に力を出した状態をキープし、収縮時に自然にフッと息を吐くようにします
・腰が反ってしまっている、または背中がペッタリと地面についている状態だと腹筋に効きません

一緒に行うと良いメニューとして、拮抗筋が鍛えられるバックエクステンションがあります。組み合わせてトレーニングしていきましょう。

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ずーみー(泉風雅)

トレーニングは週1回よりも週2回のほうが効果はあるとされていますが、週3回以上がそれ以上の効果を生むかは不明です。多くなりすぎるとオーバーワークになってしまう可能性がありますので、注意してください。

(バイシクルクランチのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋のトレーニング⑤ロシアンツイストハイパー

ロシアンツイストハイパーは、クランチの姿勢で体幹をツイストしていく種目です。お腹、特に腹斜筋を鍛えたいという人におすすめです。負荷を大きくしたい人には、応用メニューとしてダンベルやメディシンボールを使う方法があります。初心者の方はアンクルタッチという手軽なエクササイズがおすすめです。

▼ロシアンツイストハイパーのやり方

①仰向けに寝る
②仰向けの状態から上背部を浮かせ固定しクランチの最終ポジションを作る
③腕をまっすぐ伸ばし胸の前で合わせる
④顎を引いておへそを見るように腹直筋に力をいれる
⑤力をいれたまま肩甲骨を地面につけないようにキープ
⑥キープしたまま腹斜筋を使って左右にひねる


初心者の方は10回を1日2~3セットが目安です。慣れてきたら、20回を2~3セットを目安に行うとよいでしょう。

▼ロシアンツイストハイパーのコツ&注意点

・顎を引いて腹直筋に力を入れたままにし、肩甲骨を地面に付けないようにしてください
・伸ばした腕は上半身に固定するようにすると負荷を大きいままキープできます
・しっかりと胸の高さから身体をひねるようにしましょう
・腰からひねるのではなく胸の高さで体幹を回す意識でおこないましょう

肘を伸ばすと負荷が大きすぎるという方は、胸のすぐ前で合掌のように組んでもかまいません。腕をクロスさせて行う方法もテンポが取りやすくおすすめです。

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ずーみー(泉風雅)

腰の骨はひねる動作にはあまり適していないため、腰からひねろうとすると腰痛の原因になってしまいます。みぞおちのあたりの高さから、腰ではなく胸をねじるように動作していくことが重要です。

(ロシアンツイストハイパーのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

内腹斜筋のトレーニング⑥リバーストランクツイスト

リバーストランクツイストは、体幹の回旋動作に負荷を掛けることで腹斜筋群などをメインに狙っていくトレーニングです。上級者向けのバリエーションとして、バランスボールやメディシンボールを脚に挟んで行う方法があります。

▼リバーストランクツイストのやり方

①仰向けになり、脚を上に伸ばす
②上体はそのままで脚だけを横に倒す
③脚を反対側に倒す

目的が筋力アップなら1〜6回、筋肥大なら8〜12回で限界がくるような負荷を用いるのが目安です。初心者の方は週1回3セット、上級者の方は週2回6セット程度がよいでしょう。

▼リバーストランクツイストのコツ&注意点

・腕は広げて地面につき、身体を支えます
・動作中は上背部が浮いてしまわないように注意しましょう
・腰痛の原因になってしまうので、腰ではなく、みぞおちあたりを中心に身体をひねっていきましょう

通常は足を伸ばして行いますが、初心者の方は膝を曲げて負荷を小さくした方法から始めるとよいでしょう。効果を感じられない場合はコツ&注意点を再チェックしてみてください。

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ずーみー(泉風雅)

この種目の弱点は、ねじる動作への負荷が脚を真上に上げた状態で止まってしまうことです。しかしその分、初心者の方や女性の方にとっては非常に行いやすく有用な種目ともいえます。

(リバーストランクツイストのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

内腹斜筋のトレーニング⑦ダンベルツイスト

ダンベルツイストは、クランチのロールアップ姿勢でツイスト運動を行います。腹直筋が鍛えられることに加え、ツイスト運動により腹斜筋も刺激していくことができます。

▼ダンベルツイストのやり方

①ダンベルを両手で持ち、クランチのロールアップ姿勢をとる
②上半身をひねる
③上半身を反対側にひねる

左右で合計30回くらいができるようになったら、次の重量へとすすめていきましょう。


▼ダンベルツイストのコツ&注意点

・腰ではなく、みぞおちあたりを中心に身体をひねっていきましょう
・ダンベルだけ動かして身体がねじれていないと、腹直筋や腹斜筋にかかる負荷が小さくなってしまいます

腰からねじってしまうと腰の痛みが出やすくなってしまいます。しっかりとみぞおちの高さから身体をねじるようにすることで、安全に腹直筋・腹斜筋を刺激していくことができます。

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立った状態でダンベルを持ってツイスト運動を行う場合は、ダンベルの負荷は下方向にかかっているのに運動方向は横方向となります。慣性で初めの一瞬だけ大きな負荷がかかりますが、そのほかの領域ではほぼ負荷はかかっていません。

(ダンベルツイストのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋のトレーニング⑧ダンベルサイドベント

ダンベルサイドベントは、脇腹を引き締めたい・腹斜筋を鍛えたい・腰方形筋を鍛えたいという人におすすめのトレーニングです。側屈をすることで内外腹斜筋群が活性化できます。また腰方形筋という部のインナーマッスルも鍛えることができます。

▼ダンベルサイドベントのやり方

①片手でダンベルを持って立つ
②ダンベルを持たない方の手は頭の後ろにおく
③ダンベルを持っていない方に身体を傾けていく
④元の位置に戻る

脇腹の部分痩せ効果を狙う場合は、テンポよく50回以上を行える重量で行いましょう。

▼ダンベルサイドベントのコツ&注意点

・息を吐きながら倒し、戻りながら、または戻ってから息を吸うとよいでしょう
・身体を傾けるとき、骨盤の位置が左右にぶれないように気を付けてください
・身体が丸まってしまうと腹斜筋群の活動が大きくなり腰方形筋への刺激が弱くなります

片側で持てればよいので、ダンベルではなくケトルベルなどでも構いません。やりやすい方でトレーニングを行いましょう。

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ずーみー(泉風雅)

効いている感じがしないのは骨盤の位置がブレてしまうことに大きな原因があります。身体全体を倒していくというより、みぞおちかその少し下あたりを中心として「丸め込む」ような意識をもつとうまくいくはずです。

(ダンベルサイドベントのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

内腹斜筋を鍛えて筋トレ効果をUPしよう

内腹斜筋は外腹斜筋とともに腰を曲げたりひねったりする際に働き、骨盤や内臓の安定にも関わっています。鍛えることで脇腹が引き締まるだけでなく、体幹の安定や内臓の機能向上も期待できます。体幹が安定すれば様々な筋トレの質もアップしますので、自分に合ったトレーニング方法でしっかりと鍛えていきましょう。