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ケトルベルの大胸筋トレーニング一覧!効果〜正しいやり方まで解説!

2021年05月20日

全身の筋肉をさまざまな種目で鍛えられるアイテムの1つ、それがケトルベルです。今回はこのケトルベルを使う効果的な大胸筋のトレーニングを紹介します。自宅でもできるトレーニングもあるので、家で鍛えたい人もぜひチェックしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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ケトルベルを使用して胸筋を鍛えるメリット

胸筋の筋トレと聞くとベンチプレスチェストプレスなどのバーベルやマシンを使ったトレーニングをイメージする人は多いでしょう。しかし、ケトルベルを使った胸筋のトレーニングにも以下のようなメリットがあるのです。

・1つでもさまざまなメニューをこなせる
・有酸素運動としても取り組める

それではまずこのメリットについて1つずつ詳しく解説します。

1つでもさまざまなメニューをこなせる

後ほどケトルベルを使って胸筋を鍛えるメニューを紹介しますが、ケトルベルは1つだけでもさまざまなメニューをこなせます。なぜならケトルベルは片手で使うメニューもあれば、1つのケトルベルを両手で持ってできるメニューもあるからです。

1つだけで多くのメニューができるのは、自宅で筋トレをしたいけどスペースが取れないという人などにとっては非常に魅力的なメリットと言えるでしょう。

有酸素運動としても取り組める

ケトルベルを使用するもう1つのメリット、それは有酸素運動としても取り組めることです。通常、ダンベルやバーベルを使って鍛えると単純な筋トレとしてしか胸筋を鍛えられません。

しかし、ケトルベルでは後ほども解説する通り、胸筋と合わせて補助のための筋肉も多く働きます。そのためメニューの組み方次第で、有酸素運動のように心肺機能の向上や筋持久力アップなども期待できるのです。この筋トレと有酸素運動のどちらの目的にも対応できることも、ケトルベルを使って胸筋を鍛えるメリットの1つなのです。

ケトルベルを使用して胸筋を鍛える効果

ケトルベルを使用して胸筋を鍛える主な効果は主に以下のようなものが挙げられます。

・筋力や持久力のアップ
・スタビライザーへの刺激を高められる
・左右の筋力差の改善

それでは1つずつ詳しく解説します。

筋力や持久力のアップ

ケトルベルを使って胸筋を鍛えると、当然通常の筋トレと同様に筋力や筋肉量の増加が期待できます。また先ほど解説したように、ケトルベルには有酸素運動のように心肺機能や筋持久力アップも狙えるのです。

ちなみに2010年には1時間での消費カロリーが一番多い運動がケトルベルと発表されたこともあるので、ダイエット目的の一般の人にも向いている鍛え方と言えるでしょう。

スタビライザーへの刺激を高められる

ケトルベルはヤカンのような形をしていて、手で持つ部分から重心が遠い場所にあります。そのためハンドルと重心がほぼ一致しているダンベルなどよりも、不安定な状態で動作を行うことになるのです。

不安定な状態で動作を行う分、その動作を安定させるためにスタビライザーが働きます。スタビライザーとはある動作を安定させようと働く補助のための筋肉のことです。例えば、ケトルベルの大胸筋の種目であれば、大胸筋以外に三角筋上腕三頭筋が補助のために働きます。また脊柱起立筋などの体幹の筋肉にも強い刺激が入ることも多いです。

このように単純に狙っている大胸筋だけでなく、それをサポートする筋肉への刺激を強められることが、ケトルベルを使って鍛える大きな効果の1つと言えます。実際、この効果を狙って、多くのメジャーリーグやアメリカンフットボールの選手、また日本の大相撲や柔道などの選手も取り入れているほとです。

左右の筋力差の改善

バーベルなどを使って両脚や両腕など左右の筋肉を同時に鍛えるトレーニングでは、筋力が強い筋肉が弱い方の筋肉を助けてしまいます。その結果、左右同時に鍛えていても筋力や筋肉量に差が出てしまうことがあるのです。

一方でケトルベルを使った胸筋を鍛えるメニューには片手で行う、いわゆるユニラテラルトレーニングに分類されるメニューがあります。このユニラテラルトレーニングでは左右どちらも同じ重量でこなせるため、左右の筋力差を改善する効果が期待できるのです。

ちなみに片方ずつ行うこのユニラテラルトレーニングには、両側同時に行うトレーニングのパフォーマンスアップ効果もあります。そのためベンチプレスなどの胸筋のトレーニングをしている人にも、ケトルベルで鍛えるのはおすすめです。

ケトルベルを使用した胸筋トレーニングメニュー

それではここからケトルベルを使用した胸筋のトレーニングメニューを紹介します。動作のポイントや注意点も解説するので、併せてチェックしましょう。

ケトルベルの胸筋トレーニング①フロアプレス

フロアプレスは床に寝たままベンチプレスのようにケトルベルを上に押し出す動作を行う筋トレメニューです。両手で行うやり方もありますが、今回は体幹などにより効果的な片手で行うやり方を解説します。

▼フロアプレスのやり方

①床に仰向けに寝て、横にケトルベルを置く
②身体ごと横を向きケトルベルを掴み、そのまま仰向けに戻る
③ケトルベルを片手で挙げる
④ゆっくりと元の位置に降ろす

このメニューでは筋トレの目的に合わせて負荷を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重さが適切です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼フロアプレスのコツ&注意点

・身体がブレないように真っ直ぐのままに固定する
・降ろすときにケトルベルを肘よりも内側に入れない

体幹などへの刺激を減らして、集中的に胸筋へ刺激を入れたい場合は両手同時に行うやり方で取り組んでも良いでしょう。

(フロアプレスのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ケトルベルの胸筋トレーニング②ケトルベルフライ

ケトルベルフライは仰向けに寝た状態で両手を広げて閉じる動作を繰り返す筋トレメニューです。いわゆるダンベルフライをケトルベルで行うメニューなのですが、ケトルベルの方が収縮時に負荷が抜けにくいメリットがあります。

▼ケトルベルフライのやり方

①ベンチに仰向けになり、ケトルベルを胸の上で構える
②肘を軽く曲げたまま腕を広げる
③ゆっくりと元の位置に戻す

このメニューでは筋トレの目的に合わせて負荷を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重さが適切です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼ケトルベルフライのコツ&注意点

・手をなるべく遠くに持っていくイメージで行う
・肩甲骨を寄せながら降ろす

このメニューではケトルベルを使うことでダンベルフライとはまた違う刺激を胸筋に与えられます。ダンベルが使える環境にいる人も1つの応用メニューとして覚えておくと良いでしょう。

(ダンベルフライのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ケトルベルの胸筋トレーニング③プルオーバー

プルオーバーはベンチに寝そべったまま、ケトルベルを頭上に向かって降ろす動作を行う筋トレメニューです。広背筋のメニューとしても紹介されますが、いくつかのポイントを意識することで大胸筋下部に刺激を与えられます。

▼プルオーバーのやり方

①横向きのベンチに肩甲骨辺りを乗せて寝そべる
②ケトルベルを胸の上に構えて、頭の上に向かって降ろす
③ゆっくりと元の位置まで戻す

このメニューでは筋トレの目的に合わせて負荷を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重さが適切です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼プルオーバーのコツ&注意点

・肩甲骨を柔軟に動かして大胸筋を使う意識を持つ
・挙げるときは肩甲骨を少し外に出して大胸筋を収縮させる
・腰を上下させるチーティングは行わない

重いケトルベルを使うときは、パートナーなどに膝を抑えてもらうと正しいフォームを維持しやすいので、ぜひ試してみてください。

(プルオーバーのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ケトルベルの胸筋トレーニング④ケトルベルプッシュアップ

ケトルベルプッシュアップは床に置いたケトルベルを持ったまま行う腕立て伏せのことです。通常の腕立て伏せよりも深い位置まで身体を降ろすことで強度を高められるのがメリットです。

▼ケトルベルプッシュアップのやり方

①ケトルベルを床に2つ置く
②ケトルベルを持って、基本の腕立て伏せの姿勢を作る
③肘を曲げて身体を降ろす
④肘を伸ばして元の位置まで身体を挙げる

このメニューでは正しいフォームを維持できる限界の回数をこなすのを基本とすると良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行ってください。

▼ケトルベルプッシュアップのコツ&注意点

・手幅は肩幅の1.3~1.5を目安にする
・常に頭から足先までを一直線にして維持する
・肩甲骨を寄せながら身体を降ろす

ケトルベルプッシュアップは手首への負担が小さいメリットもあります。そのため腕立て伏せをすると手首が痛いと言う方にもおすすめです。

(プッシュアップのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ケトルベルの胸筋トレーニング⑤ワンハンドプッシュアップ

このワンハンドプッシュアップはいわゆる片手腕立て伏せのことです。通常の片手腕立て伏せでも強度が高いのですが、このメニューではケトルベルによってさらに負荷をかけます。かなりの筋力が必要なので、基本的なメニューで十分に筋力を付けてから挑戦すると良いでしょう。

▼ワンハンドプッシュアップのやり方

①四つん這いの姿勢で片手だけケトルベルを掴む
②ケトルベルを持っている側の脚を横に伸ばす
③反対側の足も伸ばして片手腕立て伏せの姿勢になる
④ケトルベルを背中の上に乗せて保持する
⑤肘を曲げて身体を降ろす
⑥肘を伸ばして元の位置まで身体を挙げる

このメニューでは正しいフォームを維持できる限界の回数をこなすのを基本とすると良いでしょう。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行ってください。

▼ワンハンドプッシュアップのコツ&注意点

・足と手の三角形を意識してバランスを取る
・大胸筋にストレッチをしっかりとかけてから挙げる

ワンハンドプッシュアップは最初は正しいフォームで1回でもできればそれで充分です。間違ったフォームでは怪我をする可能性もあるので、焦らずに徐々に回数を伸ばしていくようにしましょう。

(片手腕立て伏せのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ケトルベルを使用して胸筋を鍛える際のコツ&注意点

それでは次にケトルベルを使用して胸筋を鍛える際に意識しておきたい以下のコツや注意点を解説します。

・オーバーワークに気を付ける
・拮抗筋のメニューと一緒に取り組む

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

オーバーワークに気を付ける

ケトルベルのトレーニングはダンベルやバーベルなどよりも軽く見られがちです。しかし、先ほども紹介しましたが、ケトルベルを使用して胸筋を鍛えられるメニューの中には上級者でも難しいような強度の高いものもあるのです。

そのためケトルベルだからと頻度を高め過ぎたり、セット数を増やし過ぎたりすると容易にオーバーワークになってしまいます。オーバーワークになると怪我や筋力低下などを引き起こす可能性もあるので、やり過ぎないように注意しましょう。

(オーバーワークについては以下の記事も参考にしてみてください)

拮抗筋のメニューと一緒に取り組む

ケトルベルで胸筋を鍛えるときには、胸筋の拮抗筋である広背筋などの背中の筋肉と一緒に取り組むのも効果的です。なぜなら拮抗筋と鍛えると胸筋のパフォーマンスアップや怪我の予防、また疲労回復などにもつながるからです。もちろん、背中の筋肉もケトルベルで鍛えられますので、ぜひ一緒に鍛えるようにしてみてください。

(拮抗筋については以下の記事も参考にしてみてください)

その他、ケトルベルに関する記事もチェック

最後にケトルベルに関する他の記事を紹介します。余裕がある方はぜひケトルベルを使った他のメニューにもチャレンジしてみてください。

正しいフォームを覚えるのにも効果的なケトルベルスクワット

ケトルベルスクワットは通常のスクワットと同じように下半身全体を鍛えるのに有効な筋トレメニューです。またケトルベルを使うスクワットには正しいフォームを覚えやすいというメリットもあります。以下の記事で正しいやり方や注意点などを確認してみてください。

全身の筋肉を連動させる定番メニュー

ケトルベルを使う定番のメニュー1つ、それがこのケトルベルスイングです。このメニューは全身の筋肉を連動させるため、有酸素運動として取り組んでも高い効果が期待できます。最近流行りのHIITトレーニングでも活用できるので、これを機に正しいやり方を覚えておくと良いでしょう。

身体の後ろ側を鍛えるのにおすすめのケトルベルデッドリフト

ケトルベルデッドリフトは背中やお尻、太もも裏など身体の後ろ側にある筋肉を全体的に鍛えたい人におすすめです。スモウスタイルやルーマニアンスタイルなど集中的に鍛えたい筋肉ごとに向いているやり方があるので、ぜひこの記事で自分に合ったやり方を見つけてください。

ケトルベルで胸筋トレーニングを行おう

今回解説したようにケトルベルで胸筋を鍛えることにはダンベルやバーベルなどとはまた違ったメリットや効果があります。日々のトレーニングメニューに取り入れて、より効果的に胸筋を鍛えていきましょう。