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L字懸垂だけで全身を鍛えられる!正しいフォームのコツ&出来ない人に効果的なメニューも!

2020年04月24日

L字懸垂は体をL字にして行う懸垂で、全身を鍛えることができるトレーニングです。この記事では、L字懸垂の正しいフォームやコツを解説します。「手首が痛い」「出来ない」という人は腹筋ローラーなどで必要な筋肉を先に鍛える必要があるため、その方法も紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

L字懸垂は腹筋・足など全身を鍛えられる筋トレ

L字懸垂とは身体をL字に折り曲げた状態で懸垂を行うトレーニングです。このトレーニングはL字に身体を曲げることで大殿筋広背筋の連携がしにくくなり、通常の懸垂よりもより広背筋にのみ負荷をかけることができるのが特徴です。

それでは、L字懸垂について効果や正しいフォームを解説します。また、L字懸垂ができるためにはある程度の筋力が要求されるため、出来ない人のための練習方法も紹介しています。

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(チンニングの効果&やり方については以下の記事も参考にしてみてください)

L字懸垂で鍛えられる筋肉部位、得られる効果

まずは、L字懸垂でどの筋肉部位が鍛えられるのかについて知っておきましょう。これらの筋肉に負荷がかかっていることを確認しながらトレーニングができるようになります。

・背筋群
・腹筋
・腸腰筋
・上腕二頭筋

L字懸垂ができるためにある程度筋力が必要となってくる部位でもあるので、まだL字懸垂ができないという人は、以下の筋肉に効かせる別のトレーニングをするようにしましょう。ではまず最も重要な背筋から解説していきます。

背筋群

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

L字懸垂は主に背中の筋肉を鍛えることができます。上の図は背筋群の中でも一番大きな広背筋で、腕を上や前から引くときに作用する筋肉です。

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ずーみー(泉風雅)

L字懸垂では身体をL字にすることで大臀筋がストレッチされたような状態になり、大臀筋と広背筋の連携が使いにくくなります。つまりより広背筋にアイソレートした動きができるようになるというわけです。

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html

L字懸垂は肩甲骨を寄せる動きに必要な僧帽筋下部や菱形筋にも効果があります。背中の筋肉を大きく見せるためには重要な筋肉です。このように、L字懸垂は背中の筋肉に広く負荷をかける種目といえます。

(広背筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

腹筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html

L字懸垂で足を伸ばすことによって腹直筋に負荷がかかります。腹直筋を鍛えることで、体幹が鍛えられスポーツのパフォーマンス向上につながるほか、きれいに腹筋を割ることも可能です。

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ずーみー(泉風雅)

ただし、L字懸垂でこの筋肉を鍛えることは考えないほうがよいでしょう。目的とする筋肉部位が多すぎると、どっちつかずのトレーニングになってしまいがちです。腹直筋は、記事の後半で紹介するレッグレイズなどの別の種目で鍛えておくことをおすすめします。

腸腰筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html

腸腰筋群は股関節にあるインナーマッスルで、体幹と大腿部をつないでいます。太もも部分を前に持ち上げる働きをしており、体幹を安定させたり姿勢をよくする効果が見込めます。

この腸腰筋群も、腹筋と同様にL字懸垂で鍛えるのではなく、レッグレイズなど別のトレーニングで集中して鍛えるとよいでしょう。

(腸腰筋を鍛えられるニーレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

上腕二頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html

L字懸垂は腕の筋肉、特に上腕二頭筋上腕二頭筋にも負荷がかかります。上腕二頭筋は腕の上部、前側にある筋肉で、肘を曲げたり腕を回したりする動きを担っています。物を持つなど日常生活でも頻繁に使われる筋肉で、逞しい腕に見せるためにも必須の筋肉です。

L字懸垂の効果的なやり方

L字懸垂は全身を鍛えることができる種目として人気があります。動きとしては以下の通り、バーにぶら下がって身体を上げ下げするというわかりやすいものです。

①肩幅より少し広い手幅でぶら下がる
②肘を曲げて身体を上げる
③肘を伸ばして身体を下ろす

しかし、正しいフォームで行うことができないと効果を最大限得ることはできません。スタートポジションからしっかり確認していきましょう。

①懸垂バーにぶら下がる

まずは通常の懸垂をするときと同じように、肩幅より少し広いくらいの手幅で懸垂バーにぶら下がりましょう。手幅が適切でないと、手首を痛めたり別の筋肉に負荷が逃げたりすることがあります。そして、その状態から足を持ち上げ、身体をL字になるようにします。

②肘を曲げて身体を上げる

スタートポジションを取ったら、次に肘を曲げて身体を持ち上げましょう。手首を痛めないためにも、指先だけで握らず深くグリップしてください。

③肘を伸ばして身体を下ろす

身体を持ち上げたら、肘を伸ばして身体を元の位置に戻します。

L字懸垂のコツ&注意点

L字懸垂のコツや注意点として、次の2点について解説します。

・肩甲骨をしっかり動かす
・膝を曲げてもOK

L字懸垂で背中の筋肉にしっかりと負荷をかけるには肩甲骨を意識することが必要です。まずはそのポイントから紹介します。

肩甲骨をしっかり動かす

身体を持ち上げたり下ろしたりするときに、動画のように肩甲骨が動いていないフォームや肩がすくんでしまうフォームはNGです。肩甲骨がしっかりと内転していないと、広背筋をしっかりと動かしてくことはできません。

もし、肩甲骨を内側に寄せることができない場合は、僧帽筋下部や菱形筋といった肩甲骨を内側に寄せる筋肉を鍛える必要があります。僧帽筋下部や菱形筋を鍛えたいときは、斜め懸垂をトレーニングメニューに取り入れてみるといいでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

L字懸垂は肩関節の伸展屈曲動作、つまり腕をタテに振る動作との相性がいいため、狭い手幅であるナローグリップや手を向かい合わせにするパラレルグリップで行ってみるのもいいでしょう。

膝を曲げてもOK

L字懸垂という名前から足を真っすぐに伸ばす方法が連想されがちですが、身体を曲げることの主な狙いは股関節を屈曲させて大臀筋が伸びた状態にすることです。そのため、膝は曲げてしまっても構いません。曲げた膝にタオルを挟むなどして行うといいでしょう。

L字懸垂の最適な回数・セット数

L字懸垂の回数やセット数の目安について解説します。L字懸垂は自身の体の重さを負荷とするため、負荷を変えることができない自重トレーニングです。そのため、L字懸垂をするときは正しいフォームで行うことができる限界の回数を行いましょう。

もし負荷が大きすぎて正しいフォームがキープできないという場合は、同一部位を鍛えることができる負荷の軽い別の種目に切り替えるというのもいいでしょう。

L字懸垂をするときのセット数は、自身のトレーニングステータスで決めるといいでしょう。一部位当たりトレーニングに慣れていない筋トレ初心者には週1回3セット、日ごろからトレーニングをしている筋トレ上級者には週2回6セット程度のセット数がおすすめです。慣れてきたら徐々に増やしていきましょう。

(懸垂の回数については以下の記事も参考にしてみてください)

【初心者編】L字懸垂ができない人向けの練習方法

懸垂ができない、身体をL字に保てない段階では、L字懸垂をいきなりできるようにはなりません。そこで、L字懸垂ができない人向けの練習方法として、次の3つを紹介します。

①懸垂
②レッグレイズ
③腹筋ローラー

これらのトレーニングで、背筋や腹筋・腸腰筋が鍛えてからL字懸垂に挑戦するとよいでしょう。まずは、懸垂の基本的なやり方から紹介します。

①懸垂

L字懸垂を行うには、懸垂がある程度の回数できるくらいに筋肉が鍛えられている必要があります。まずは正しいフォームで懸垂ができるようにして、十分に背筋や腕の筋力アップをしておきましょう。

▼懸垂のやり方

①懸垂バーにぶら下がる
②肘を曲げて身体を引き上げる
③肘を伸ばして身体を下ろす

通常の懸垂もL字懸垂と同じように自重トレーニングですので、正しいフォームをキープできる限界の回数を行うといいでしょう。また、セット数は自身のトレーニングステータスに合わせて、筋トレ初心者は週1回3セット、筋トレ上級者には週2回6セット程度のセット数を目安に設定します。

▼懸垂のコツ&注意点

・肩甲骨をしっかりと動かす
・指先だけでバーを握らず、グリップを深く握る
・首を反らさない

これらの点に注意しないと、広背筋にしっかり効かせられず三角筋や腕など別の筋肉にばかり負荷を与えてしまいます。狙った筋肉を鍛え、けがを防ぐためにも正しいフォームを意識しましょう。

(懸垂については以下の記事も参考にしてみてください)

②レッグレイズ

レッグレイズは床に仰向けになって、足を上げ下げするトレーニングです。L字懸垂で下半身を曲げておくのに必要な腹直筋下部や腸腰筋を鍛えることができます。また、綺麗なシックスパックをつくるのにも、この腹直筋下部を鍛えるトレーニングは必須です。

▼レッグレイズのやり方

①床に上向きで寝ころぶ
②足を伸ばしたまま上げる
③下腹部・腸腰筋を意識しながら足を下げる

レッグレイズは負荷を変えることができない自重トレーニングですので、正しいフォームで限界まで上記の動きを繰り返します。セット数や頻度は週1回3セット~週2回6セットを目安に、熟練度に合わせて設定しましょう。

▼レッグレイズのコツ&注意点

・腰を反らさない
・うまくできない場合は、膝を曲げてする方法でもよい

椅子に座ったりベンチに寝たりといった体勢で行うこともできます。これらは、下方向の可動域が広がるため、上級者向けの方法です。

(レッグレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

③腹筋ローラー

腹筋ローラーという器具を使って、腹直筋を鍛えるのもL字懸垂のための練習になります。家でもできる人気のトレーニングですが、細かい注意点が多いので正しいフォームを理解して行うようにしましょう。

▼腹筋ローラーのやり方

①膝を立てて腹筋ローラーを持ち、四つん這いの姿勢になる
②身体を遠くに押し出す
③地面につかないギリギリで止める
④みぞおちを上に突き上げるようにして元の体勢に戻る

腹筋ローラーは筋トレ初心者には難易度が高いため、フォームを確認しながら1~3回からはじめましょう。8~12回を目安に数を増やしていき、できるようになったらもっと負荷の高いやり方を試してもいいでしょう。セット数は、3~6セットを週に1回か2回おこなうとよいでしょう。

▼腹筋ローラーのコツ&注意点

・腕で動かさないように肩を固定する
・お尻を前後に動かしすぎない
・腰は反らさず少し丸めた状態で行う
・目線は下に向ける
・手首を少し曲げて持つ

負荷が大きすぎてできない場合は、戻るときに手をついて戻ったり体を倒す距離を小さくしたりする方法でやってみましょう。負荷を上げたい場合は、スタートポジションを立って前屈した体勢にする「立ちコロ」というやり方があります。

(腹筋ローラーについては以下の記事も参考にしてみてください)

L字懸垂の効果を高める為のポイント

トレーニングは毎日すればいいというわけではありません。一般的に週1回より週2回の筋トレが効果的だとされていますが、週3回以上がそれ以上の効果を生むかはわかっていないのです。トレーニングをやりすぎるとオーバーワークになってしまう可能性があります。

「手首が痛い」「肩に違和感がある」と感じる場合は、懸垂のトレーニングを休むようにしましょう。早く効果を出そうとやりすぎてしまう場合が多いので、自分に合ったものを見つけながらトレーニングに取り組むことが大切です。

L字懸垂で全身の筋肉を追い込もう

L字懸垂は懸垂の一種で、より効率よく広背筋を鍛えることができるトレーニングです。背筋だけでなく全身の筋肉を追い込むことも可能で、「懸垂だけで鍛えた体」と題して筋トレの成果を公開しているトレーニーもいるほどです。背中を大きくしたい、逞しくしたい筋トレ上級者は、ぜひ正しいフォームでL字懸垂に挑戦してみましょう。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)