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水泳に役立つ筋トレメニュー15選!確実にタイムを上げる鍛え方〜注意点まで解説!

2020年11月13日

水泳は水中での運動ですが、筋トレによって筋力を向上させるとパフォーマンスを上げられるのをご存知でしょうか。今回はそんなクロールや平泳ぎ、バラフライなどそれぞれの泳ぎに役立つ筋トレメニューを紹介します。タイムを上げたい水泳選手はぜひ参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー Riku

法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。
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水泳に筋トレは必要?

水泳は水中でいかに早く移動するかのスポーツです。そのため中には重りになる筋肉を付けてしまう筋力トレーニングは必要ないと考える人も少なくありません。また筋トレで付けた筋肉は水泳で使えないから役に立たないと考える人もいるでしょう。

しかし、実際にはオリンピックで金メダルを獲得するようなトップスイマーでも積極的に取り組むほど、筋力トレーニングには効果があるのです。そのため水泳のパフォーマンスを向上させ、タイムを上げたいのであれば取り組む価値は十分にあると言えます。

今回は特に水泳に役立つ筋トレのやり方やメニュー、注意点などを解説しますので、タイムを縮めたい水泳選手はぜひ参考にしてください。

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水泳のタイムを上げる為に必要な筋肉

それでは筋力トレーニングのメニューややり方の前に、そもそも水泳のタイムを上げるために鍛える必要がある筋肉の部位はどこなのかを解説していきます。

大胸筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i

大胸筋は腕を押し出したり、閉じる作用を持つ筋肉です。そのためそれに近い動きを行うクロールやバタフライ等の泳ぎ方で特に力を発揮します。実際にトップレベルの水泳選手の大胸筋が見事に発達しているのを見ても、その重要性がわかるでしょう。

三角筋

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三角筋は前部、中部、後部の3つの筋肉から成り立っていて、腕を前後左右に動かす作用を持っています。つまり三角筋は腕を動かすクロールやバタフライ、平泳ぎ、背泳ぎと全ての泳ぎ方において非常に重要な役割を持つ筋肉と言えるのです。

また大胸筋と同様に水泳選手の肩幅の広さを見ても三角筋の重要性が理解できます。全身の中でも比較的小さい筋肉ですが、忘れずに鍛えておきましょう。

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広背筋

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広背筋は背中全体を覆うように付いている全身の中でも大きな筋肉です。腕を上や前方から体に引きつけるような作用を持っています。この背中の作用からもわかる通り、広背筋は特にクロールやバタフライ等の腕を強く前から引く泳ぎ方をする水泳選手にとって重要な筋肉と言えるでしょう。

上腕二頭筋

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上腕二頭筋はいわゆる力こぶの筋肉です。そしてまさにその力こぶを作る時の動作である、肘関節を曲げる作用を持っています。

中には肘関節を曲げる力こぶの筋肉は泳ぎには関係ないと思われる人もいるかもしれません。しかし、実は上腕二頭筋には肘関節を曲げるだけでなく、先程紹介した広背筋と連動して腕を強く引く動作に関与しているのです。そのためクロールのように前から引くような泳ぎ方をする水泳選手なのであれば、補助的にでもトレーニングで鍛えておく必要があると言えます。

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上腕三頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-3

上腕三頭筋は上腕二頭筋とは逆側に付いている筋肉で、反対に腕を曲げた状態から伸ばす作用を持っています。そのためこの上腕三頭筋はクロールやバタフライ等のストロークの後半の腕を後ろに伸ばす泳ぎ方をする水泳選手には特に重要と言えるのです。

僧帽筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-3

僧帽筋は背中の上部を広く覆うように付いている全身の中でも特に大きな筋肉です。腕を下方から上げてきたり、肩甲骨を真ん中に寄せる作用を持っています。そしてクロールや平泳ぎ等全ての泳ぎ方のストロークで腕を下から上に引き上げたり、肩甲骨を寄せる運動は行うので水泳選手はしっかりとトレーニングで鍛えておく必要があるのです。

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腹直筋・腹斜筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-4

腹直筋や腹斜筋はいわゆる腹筋を構成する筋肉郡に含まれる体幹の筋肉です。体幹を前方に折り曲げたり、横向きに回旋させるような作用を持っています。

水泳ではストリームラインといってなるべく水からの抵抗を減らすための姿勢を保つ必要があります。そしてその姿勢の維持に役立つのがこの体幹周辺にある腹直筋や腹斜筋などの腹筋郡なのです。

大腿四頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/#i-4

大腿四頭筋とはその名前からもわかる通り、大腿直筋と外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つから構成される筋肉です。太ももの前側に付いていて、大腿四頭筋は股関節を外転させたり、膝を曲げた状態から伸ばす作用を持っています。そのためクロールやバタフライのように膝を強く伸ばしながらキックを行う水泳選手には特に非常に重要な筋肉と言えるでしょう。

ハムストリングス

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ハムストリングスは大腿四頭筋と反対側に太ももの裏側に付いている筋肉で、大腿二頭筋とも呼ばれます。そしてハムストリングスは膝を曲げたり、お尻の筋肉と連動して足全体を後ろに持ち上げる作用があります。クロール等のキックの戻りの局面等で働きますので、キック強化を重視している水泳選手はしっかりとトレーニングで鍛えておく必要があるでしょう。

水泳に特化した筋トレメニュー

それではここから水泳に特化した筋トレメニューをご紹介していきます。5つ紹介しますので、自分に合いそうなトレーニングから取り組んでみてください。

①クロールのフォーム改善のための椅子を使う筋トレ

この水泳に特化した筋トレはクロールのフォームをより綺麗にするための効果が期待できる種目です。椅子だけでできるトレーニングなので、自宅等でのトレーニングにもおすすめできます。

▼クロールのフォーム改善のための椅子を使う筋トレのやり方
①骨盤部分を椅子に乗せて足を浮かせる
②両手を肩に置く
③肘で円を作るように前側に回す

この筋トレを行う時は椅子の上にマット等の柔らかめのものを敷いて行うようにしましょう。

▼クロールのフォーム改善のための椅子を使う筋トレのコツ&注意点
・背中の筋肉を使って全身、体幹を真っ直ぐに維持する
・肘を回す時に筋肉を使い軸がずれないようにする
・慣れたら実際の泳ぎ方に近いタイミングで行う

水泳時のフォームを改善すると疲れや怪我の予防になり、タイム向上効果も得られます。そのためにもしっかりとこの筋トレの時には体幹の筋肉を使って全身の軸を安定させるような意識を持って取り組んでみてください。

②バランスボールを使った軸を鍛える筋トレ

この水泳に特化した筋トレはバランスボールを使って、クロールや背泳ぎ等での体幹を安定させる効果が得られる種目です。非常にシンプルな種目で取り組みやすいので、陸上でのトレーニングに慣れていない人も安心して取り組めるでしょう。

▼バランスボールを使った軸を鍛える筋トレのやり方
①バランスに上体を乗せる
②力を入れて上体を真っ直ぐの状態にする
③両手を両肩に置く
④中心の軸をずらさずに体を交互に捻る

この筋トレはクロールの場合はうつ伏せで行い、背泳ぎの場合には背中をボールに付けて仰向けで行いましょう。

▼バランスボールを使った軸を鍛える筋トレのコツ&注意点
・腹筋と背筋、お尻に力を入れ軸を作ってから始める
・ボールが動くほど動かすと軸がブレるので注意

この筋トレは既にお話した通りシンプルで簡単な種目です。しかし、アテネオリンピックに出場した水泳選手だった森隆弘も解説するように目的を意識して取り組めば、それだけで生まれる効果に大きな違いが現れます。そのため簡単だからと軽視しないで真剣に取り組んでみてください。

③キック強化につながる股関節の筋トレ

この水泳に特化した筋トレは股関節周りを主に鍛えるための種目です。股関節周りを強化し、土台を作っておくとキック力の向上につながります。全ての泳ぎ方において股関節は重要なので、基本のトレーニングとして採用してみると良いでしょう。

▼キック強化につながる股関節の筋トレのやり方
①仰向けになり、片足ずつ伸ばしたまま上下する
②横向きになり、片足ずつ伸ばしたまま上下する
③うつ伏せになり、片足ずつ伸ばしたまま上下する

うつ伏せでの動作は平泳ぎのようにつま先を外側に向けたまま行うようにしましょう。

▼キック強化につながる股関節の筋トレのコツ&注意点
・全ての動作時には腰周辺に意識を向ける
・軸がぶれないように体は真っ直ぐのまま行う

この筋トレは水泳前のウォーミングアップとしても効果的です。ちなみに動作に慣れない内はうまく足が動かない方向もあります。しかし、続けていればスムーズに動かせるようになりますので諦めずに継続して取り組んでいきましょう。

④足の開きを改善する筋トレ

クロールでは足を開いた状態でキックをすると前に進む力が減ってしまいます。そのような状態を改善し、足を閉じた状態で効率的なキックができるようになるのがこの小さいボールを使う水泳に特化した筋トレです。

▼足の開きを改善する筋トレのやり方
①床に座った状態で膝付近でボールを挟む
②キックのように足首と膝は伸ばしたまま足を浮かす
③ボールを挟む込みながら上下動を繰り返す

この動作は基本として手を体の横、もしくは後ろに置いて行います。ただ、両腕を前で組むと強度を上げられるので、慣れてきたらぜひ挑戦してみると良いでしょう。回数については30回2セットを目安にしてください。

▼足の開きを改善する筋トレのコツ&注意点
・背中が曲がるほどあまり大きく上下動させない
・ボールを内転筋で挟み込む意識を持って行う
・上体は真っ直ぐの姿勢を維持する

この筋トレは足上げの腹筋運動に似ていますので、足首等にも力をいれがちです。しかし、水泳に特化させ高い効果を得るためにも動作中はクロールのキックに似せて足首には力を入れずに柔軟性を保ったまま行うようにしてください。

⑤ストローク強化のためのチューブを使う筋トレ

この水泳に特化した筋トレはチューブを使ってクロールやバタフライのストロークを強化できる種目です。チューブを引っ掛ける場所があればどこでも出来るので、チューブを持っている方はぜひ挑戦してみると良いでしょう。

▼ストローク強化のためのチューブを使う筋トレのやり方
①チューブを手すり等にかける
②チューブの方向に対して上体を真っ直ぐに固定する
③入水位置の位置で力が入るように場所を調整
④肘を立てて手のひらを後ろに向ける
⑤そのまま手をひらを後ろに押し込む

この動作を行う時には常に手のひらが後ろを向いた状態で行うようにしてください。ちなみにチューブの角度は水平でも斜め上でも出来るので、自分の環境に合わせてチューブの角度を決めると良いでしょう。回数は40秒運動、20秒休憩のサイクルで10本等、通常の水泳のメニューに合わせて行うのがおすすめです。

▼ストローク強化のためのチューブを使う筋トレのコツ&注意点
・肩や肩甲骨、肘等の多くの関節を使う
・前腕は倒さずに立てた状態でストロークを行う

この筋トレは単純に筋力等の増加だけでなく、ストロークテクニックの向上にもつながる種目です。ストロークの強化・改善を目的としている方はぜひ取り入れてみてください。

水泳の効率を上げる筋トレメニュー

それでは次は序盤に解説した水泳のタイムを縮めるのに必要な筋肉そのものを強くするための筋トレメニューを紹介していきます。水泳に必要な基礎体力・筋力の向上を目的とする方はぜひ参考にしてみてください。

①ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは大胸筋、そして広背筋を同時に鍛えられる筋トレメニューです。動作のフォームを見てもわかる通り、クロールやバタフライのストロークに近い動きなのでストローク強化等には特におすすめできます。

▼ダンベルプルオーバーのやり方
①ベンチに肩甲骨付近を乗せ、横向きになる
②手を重ねるようにダンベルを持つ
③肘を曲げたままダンベルを頭の上方へ降ろす
④ゆっくりと胸を張ったまま元の位置に戻る

ダンベルプルオーバーは肘を伸ばすスタイルもありますが、実はほとんど肘の角度にはその筋トレ効果との関係はありません。そのため特別な理由がないのであれば、基本的には肘は若干曲げたまま動作を行うようにしましょう。

回数は筋力強化の場合は1回〜6回が原則ですが、この筋トレは高重量を扱うようなメニューではありません。そのため12回から20回前後で行うのが良いでしょう。

▼ダンベルプルオーバーのコツ&注意点
・上腕三頭筋が疲労しやすいのでオーバワークに注意
・腰が反りすぎないよう意識しながら胸を張って行う
・チーティングの動作は入れないようにする

ダンベルプルオーバーで上腕三頭筋が疲れてしまい、大胸筋に刺激が伝わらない時は肩甲骨はあまり寄せずに行うようにしてみてください。また高重量を扱う時には他の人に膝を抑えてもらうとフォームが安定するので覚えておくと良いでしょう。

(ダンベルプルオーバーについては以下の記事も参考にしてみてください)

②ラットプルダウン

ラットプルダウンは広背筋を主に刺激できる筋トレメニューです。また補助的に水泳で必要な上腕二頭筋や三角筋の後部も鍛えられるので基礎的な体力・筋力向上を望む方には特におすすめできます。

▼ラットプルダウンのやり方
①ラットプルダウンマシンのバーを握る
②鎖骨の下付近までバーを引き降ろす
③ゆっくりと元の位置に戻る

ラットプルダウンで広背筋をより強く刺激するためにも動作中はしっかりと肩甲骨を内側に寄せる意識を持っておきましょう。またバーを降ろす時には若干上体を後ろに傾けると効果的なので、ぜひ試してみてください。

ちなみに回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行うと良いでしょう。

▼ラットプルダウンのコツ&注意点
・バーは深くしっかりと握る
・腰は反らせないように注意する
・バーを降ろす時は肩をすくませない

ラットプルダウンにはバーを頭の後ろに降ろすビハインドネックラットプルダウンや逆手で行うリバースグリップラットプルダウン等のバリエーションもあります。それぞれ筋肉への刺激の量を変えられるので、余裕がある方などは応用として挑戦してみると良いでしょう。

(ラットプルダウンについては以下の記事も参考にしてみてください)

③リヤレイズ

リアレイズは三角筋の特に後部を主に鍛えられる筋トレメニューです。三角筋の後部は小さい筋肉ですが、全ての泳ぎ方のストロークに関わってきますので、このメニューで忘れずに鍛えておくのをおすすめします。

▼リアレイズのやり方
①肩幅に足を広げて両手にダンベルを持つ
②地面に対して上体を30度くらいの角度にする
③両腕を左右に広げて上にダンベルを挙げる
④ゆっくりと元に戻る

リアレイズは単純に動作を行うのではなく、肩の後部の筋肉だけで持ち上げる意識を持つとより効果的です。回数は筋力強化の場合は1回から6回が良いのですが、フォーム上重たい重量は扱いにくいので様子を見ながら重量を上げていくと良いでしょう。

▼リアレイズのコツ&注意点
・動作中は背中が曲がらないようにする
・肩甲骨は動かさないで固定する
・反動は使わずにコントロールして行う
・肘を軽く曲げたまま回すイメージを持つ

リアレイズはこの他にもバリエーションとして斜めのベンチにうつ伏せで行ったり、ペックフライマシンでも行えます。またチューブでも同様に出来るので、ジムや自宅などのトレーニング環境に合わせてやり方を決めると良いでしょう。

(リアレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

④ケーブルプレスダウン

ケーブルプレスダウンはストロークに関わる上腕三頭筋を実際の動きに近いフォームで鍛えられる筋トレメニューです。特にストロークの後半の水を押し出す局面に活躍する筋肉なので、ストローク強化を目的とするのなら積極的に取り入れると良いでしょう。

▼ケーブルプレスダウンのやり方
①バーをしっかりと握る
②肘の位置を固定したまま肘を伸ばす
③ゆっくりと元に戻る

ケーブルプレスダウンはロープで行う場合は肘を閉じますが、真っ直ぐのバーで行うのであれば多少開いても問題ありません。回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行うと良いでしょう。

▼ケーブルプレスダウンのコツ&注意点
・バーは手の根本で抑えるように握る
・小指側に主に力を入れると効果的
・手首は反らないように真っ直ぐで固定

ケーブルプレスダウンを行うと肘に痛みを感じる場合もあります。そのような場合は可動範囲を狭めたり、わざと勢いを付けてチーティングで行うと痛みを改善できる場合があるので、困った時は試してみてください。

(ケーブルプレスダウンについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑤バーベルアップライトロウ

バーベルアップライトロウは三角筋や僧帽筋等肩周りの筋肉を全体的に刺激できる筋トレメニューです。先程のリヤレイズとは違って、僧帽筋と合わせて三角筋の前部や中部も鍛えられるので、肩周りのベースの筋肉作りには特におすすめできます。

▼バーベルアップライトロウのやり方
①直立姿勢でバーベルを肩幅より広めに握る
②バーベルを上体に沿わせるように挙げる
③ゆっくりと元に戻る

バーベルアップライトロウの動作中は三角筋や僧帽筋などの一部のみを使うのではなく、全てを連動させて動かすようにしてください。回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行うと良いでしょう。

▼バーベルアップライトロウのコツ&注意点
・肘は30度くらい外側に広げながら行う
・腕と肘の両方を挙げるイメージを持つ
・バーベルは左右対称に挙げる
・肩甲骨もしっかりと動かして動作を行う

バーベルアップライトロウは手幅を狭めるとまた違う刺激を筋肉に与えられます。そのため色々な幅を試して、自分の必要な動きや刺激が得られるフォームを決めても良いでしょう。ちなみにバーベルアップライトロウはダンベルやケトルベルでも行えるのでバリエーションとして試してみてください。

(バーベルアップライトロウについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑥ケーブルクランチ

ケーブルクランチはケーブルマシンを使った体幹部の腹直筋を主に鍛えられる筋トレメニューです。タイムを縮めるのに必要なストリームラインの維持等に活躍する筋肉なので、水泳のための基礎メニューとして取り入れるのをおすすめします。

▼ケーブルクランチのやり方
①ケーブルマシンを背に向ける
②ケーブルを後ろ手に持つ
③みぞおちを丸めるように体を曲げる
④ゆっくりと元に戻る

ケーブルクランチはたったままの状態でも、膝立ちの状態でもどちらでも行えます。そのためケーブルの付いている位置ややりやすさ等に考慮してスタートポジションを決めると良いでしょう。回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行ってください。

▼ケーブルクランチのコツ&注意点
・もたれかかるように上体を倒さない
・へそを覗き込むように体を丸める

ケーブルクランチは左右どちらか一方からケーブルを握って捻るように動作を行うと、腹斜筋も同時に鍛えられます。クロール等の捻る動作が必要な泳ぎ方をする人は応用種目として取り組んでみると良いでしょう。

(ケーブルクランチについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑦レッグエクステンション

レッグエクステンションは太ももの前側の大腿四頭筋を主に鍛えられる筋トレメニューです。バタフライやクロールのキックで特に重視される筋肉なので、キック力が足りないと感じている人に特に向いているメニューと言えます。

▼レッグエクステンションのやり方
①マシンに座り、パッドを足首の位置に調整
②背中は膝がパッドに当たる位置に調整
③ハンドルの握ったまま、膝を伸ばす
④ゆっくりと元に戻る

回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行ってください。

▼レッグエクステンションのコツ&注意点
・膝だけを動かすイメージを持つ
・ハンドルを握り腰を浮かさないようにする

レッグエクステンションはマシンで行うのが基本です。しかし、ダンベルを足で挟んだり、チューブを足首にかけたりしても同じように大腿四頭筋を鍛えられます。ジムなどに行けない時には試してみてください。

(レッグエクステンションについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑧スティッフデッドリフト

スティッフデッドリフトはデッドリフトの応用種目で、ハムストリングスや大殿筋等の股関節周りの筋肉を主に鍛えられる筋トレメニューです。単純に膝を曲げるのではなく、水泳のキックのようにある程度膝を伸ばした状態で筋肉を刺激できるのでキック力向上を目指す水泳選手に特におすすめできます。

▼スティッフデッドリフトのやり方
①通常のデッドリフトのフォームでバーを持ち上げる
②膝関節はあまり曲げずにバーを降ろす
③ハムストリングスがストレッチされたら元に戻る

スティッフデッドリフトはお尻の穴を後ろに向けて下ろし、穴を下に向けて上げるイメージを持つと効果的な動作が行えます。回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行うと良いでしょう。

▼スティッフデッドリフトのコツ&注意点
・膝は曲げ過ぎず、かつ伸ばし過ぎない
・腰が曲がらないように動作を行う
・自分の柔軟性に合わせて可動範囲を決める

スティッフデッドリフトはスナッチグリップで広めに握ると、深く降ろせてハムストリングスにより強くストレッチの負荷をかけられます。しかし、柔軟性が低い人が行うと怪我の原因にもなるので、不安な方は徐々に可動範囲を広げるようにしてください。

(スティッフデッドリフトについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑨ハンギングレッグレイズ

ハンギングレッグレイズは体幹部の腹直筋の下部や内部の腸腰筋等を鍛えられる筋トレメニューです。ストリームラインの維持はもちろん、股関節から足を動かすフォームにより通常のクロールのキックやドルフィンキック等にも役に立ちます。

▼ハンギングレッグレイズのやり方
①バーにぶらさがる
②膝を伸ばしたまま足を挙げる
③ゆっくりと元に戻る

回数は基本として正しいフォームを守りながら限界の回数まで行いましょう。またあまりにも出来る回数が少ない場合は、膝を若干曲げて負荷を軽くしたフォームを試してみてください。

▼ハンギングレッグレイズのコツ&注意点
・テンポよく動作を繰り返し体が揺れないようにする
・股関節から動かすのを意識する

ハンギングレッグレイズはフォームの改善やキック力の向上などタイムを縮めるのに効果的な体幹部のメニューの1つです。ぶらさがれる場所があればどこでも出来るメニューでもあるので、ぜひ取り入れてみてください。

(ハンギングレッグレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

⑩バーベルスクワット

バーベルスクワットは下半身を中心に体幹等を含めた全身を鍛えられる筋トレメニューです。水泳では通常のキックはもちろん、スタートの飛び込み時等にも活きるメニューです。また全身を連動させる運動でもあるので、基礎体力作りのメニューとしてもおすすめできます。

▼バーベルスクワットのやり方
①バーベルを担いで肩幅程度に足を開いて立つ
②胸を張りながら、しゃがみ込む
③ゆっくりと元に戻る

バーベルスクワットはハイバーで高めの位置で担ぐと大腿四頭筋、ローバーで低めに担ぐとハムストリングスへの刺激がそれぞれ強くなります。そのため自分に必要な筋肉に合わせた担ぎ方でスクワットは行うようにすると良いでしょう。回数は筋力アップの場合は1回から6回、筋肥大が目的の場合には6回から12回を目安に行うと良いでしょう。

▼バーベルスクワットのコツ&注意点
・つま先と膝は30度ほど外側に向けて方向を揃える
・足の真ん中に重心を乗せる感覚で行う
・胸を張って腰を丸めないようにする
・立ち上がる時に膝は内側に入れない

バーベルスクワットは全身を連動させて重い重量を扱いやすいので、比較的キツいメニューです。しかし、スクワットはキングオブエクササイズと呼ばれるほど優れた筋トレでもあります。そのため水泳のために下半身を主に全身の体力・筋力を向上させたい人はぜひ挑戦してみてください。

(バーベルスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

水泳の為に筋トレをする最適な頻度は?

それでは次にここまで紹介したような水泳のための筋トレを行う頻度はどのくらいが最適か等について解説していきます。

筋肥大の面では頻度はほとんど関係ない

筋トレの効果、特に筋肥大については基本的にボリュームに依存します。ボリュームとはセット数✕回数✕重量の総量を指し、この総量は約20セットほどまでは多ければ多いほど筋トレの効果が高まるのです。

一方で総量が同じであれば、頻度はほぼ関係ありません。つまりトレーニングボリュームが一定であれば、週に2回でも5回でも同様の効果が得られるわけです。そのため基本的には自分の水泳の練習との兼ね合い等を考えて自分にあった頻度で筋トレを行えば良いと言えます。

週1回はおすすめできない

上記の通り、水泳のための筋トレの効果と頻度はあまり関係ありません。しかし、週1回の筋トレはおすすめできません。なぜなら1回の筋トレに全てのトレーニング量を集中させると体力や集中力が維持できずフォームが崩れたりして怪我をする可能性があるからです。また過度な疲労によって水泳の練習に悪影響が出る可能性もあります。

そのため先程の話と合わせると、水泳のための筋トレは週2回以上の範囲で決めるのが良いと言えるでしょう。

水泳の為に筋トレをする際の注意点

筋トレは正しく取り組めば、確実に水泳のパフォーマンスアップの役に立ちます。しかし、筋トレに取り組む時にはいくつか注意しないといけないポイントがあるのです。

例えば、水泳選手はボディビルダーやウエイトリフター等とは違って、当然ですが水泳の練習があります。筋トレに集中し過ぎて疲労が溜まりすぎると水泳の練習の質が落ち、パフォーマンスが低下する可能性があるのです。そのため練習とのバランスを考えて筋トレの量やスケジュールを調整する必要があります。

また筋トレで全身の筋力のバランスが崩れると、怪我・故障のリスクが高まってしまいます。それを防ぐために水泳のための筋トレではメニューのバランスも考えないといけないのです。

このように水泳のための筋トレではいくつかの注意点があります。トラブルを起こさずに効率的にパフォーマンスアップを実現させるためにも忘れずに覚えておきましょう。

筋トレによって水泳の能力が向上した人の体験談

それでは最後に筋トレによって実際に水泳の能力が向上した人たちの体験談を紹介していきます。

8年ぶりの公式戦でもほぼベストタイム



この方は水泳の公式戦が8年ぶりと久しぶりのレースで、さらに最後のレースからは筋トレしかしていません。しかしながら、タイムはほぼベストタイムをマークしています。もちろん、最大限にタイムを縮めるには水泳の練習が必要ですが、この体験談からは筋トレそのものの効果の高さが理解できますね。

朝のトレーニングで1秒もタイムが上がる



この方は筋トレによって泳ぎが変わり、わずか1日で1秒もタイムを更新させています。実際の筋トレの効果は1日ではほとんど得られませんが、このように短期間で水泳に良い影響を与えるケースもあるのですね。

世界ランカーも泳ぎが変わる



この方は2018年の世界ランキング6位だったマスターズの水泳選手です。そして既に素晴らしい泳ぎが出来ている状態だったにも関わらず、今回紹介したダンベルプルオーバーによって泳ぎの変化を実感されています。このようにレベルの高い水泳選手でも筋トレによって能力が向上する場合もあるのです。

体の持ちが良くなる



この方は筋トレに注力したことで、泳ぎにおける体の持ちが向上したのを実感しています。冗談とは言え、マスターズを目指しても良いと思えるほどの能力の向上を得ているのを見ても、筋トレによる影響の大きさがわかりますね。

水泳の為の筋トレを理解して効率的に取り組もう

今回は水泳のための筋トレの必要性やおすすめの筋トレメニュー、注意点、体験談などを紹介してきました。その紹介した内容通り、水泳は正しく取り組めば水泳の能力向上に役に立ちます。タイムを縮めたい方は今回の情報を参考に、ぜひ効率的に筋トレに取り組んでいきましょう。