目次
ミロスシャシブとは?
身長: 180 cm
通常時の体重: 118 kg
競技時の体重: 109 kg
上腕: 53 cm
胸囲: 140 cm
太もも: 76 cm
ウェスト: 79 cm
SNS:facebook/instagram/twitter
ミロスシャシブは旧ユーゴスラビア、現セルビア出身のボディビルダーであり、現在はボディビルトレーナーとして日本のプロボディビルダー山岸秀匡のパーソナルトレーナーも務めています。ミロスシャシブはジャイアントセット法という筋トレ法の創始者であり、アメリカで最も偉大なトレーナーの一人に挙げられている人物です。
ミロスシャシブの飽くなき探求心に満ちた経歴と、その卓越した筋トレ法、食事法について説明していきます。
(ボディビルダーについては以下の記事も参考にしてみてください)
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出典: Slope[スロープ]
ミロスシャシブが鍛えるようになったきっかけ
ミロスシャシブは共産主義国からやってきて、アメリカンドリームを掴みました。ミロスシャシブはどのような経歴で、何をきっかけにプロボディビルダーを志すようになったのでしょうか。生い立ちをみていきましょう。
幼少期から少年期
ミロスシャシブはセルビアのベチェイで生まれます。少年時代はスポーツを愛し、サッカー、バスケットボール、空手、柔道、合気道、高校での水泳など多くのスポーツに親しみました。体力向上と運動能力向上のためにジムに通いウエイトリフティングをするようになり、筋トレに興味をもつようになります。
その頃アーノルド・シュワルツェネッガーなどの肉体美を雑誌で見て衝撃を受けたミロスシャシブは、ボディビルへの探求心が生まれ、熱心に筋トレの研究と実践を行うようになったのです。当時はボディビルをしている人はユーゴスラビアには少なく、自分で探求していく必要がありました。
大学入学から卒業まで
ミロスシャシブはヴィサド大学に入学し、栄養学の勉強を始めました。この教育が晩年のトレーナーとしての仕事に影響を与えることになります。大学を卒業したミロスシャシブは、学んだことを熱心に実践し始め、脂肪の減少と筋肥大のためのさまざまなトレーニング法を試しました。そして、プロになるという夢を実現するためにアメリカを目指します。
そのためまず国内の大会に出場し、ミスターユーゴスラビアの称号を獲得したミロスシャシブは、国際的な舞台に進出していきます。
(筋肥大のトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)
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出典: Slope[スロープ]
アメリカへの道のり
当時社会主義国だったユーゴスラビアでは、アメリカのビザ取得は困難でした。ミロスシャシブはまずイタリアで行われたヨーロッパ選手権に出場し、初の国際大会でライトヘビー級2位の成績を収めます。その結果500ドルの賞金と1987年のミスターユニバース出場権を手に入れたミロスシャシブは、アメリカに行くことになったのです。
プロボディビルダーに
ミロスシャシブはアメリカで5年以内に達成すると決めた4つの目標を定めます。ミスターユニバース優勝、IFBBプロになる、ミスターオリンピア出場、プロボディビルダーとしてお金を稼ぐの4つです。そして1989年にユニバース優勝、1991年にプロ転向し、オリンピア出場、1992年にジョーウイダーと契約してプロとしてお金を稼ぐようになります。
現在、ミロスシャシブはトレーナーとして大活躍中
プロボディビルダーとして華々しい成績を収めたミロスシャシブは、現在はトレーナーとして、世界でもっとも信頼できるコーチの一人として活躍中です。プロボディビルダーのパーソナルトレーナーや、セミナーを開いて筋トレの指導を行っています。ミロスシャシブの指導するトレーニングは、ジャイアントセット法と呼ばれるものです。
ミロスシャシブによるトレーニング理論
ミロスシャシブの指導するトレーニング法は、ジャイアントセット法と呼ばれる、重量は控えめにし、4種目以上の種目を休憩なしに連続して行うというものです。非常にキツいトレーニング法で、頻繁には行えませんが、大きな効果が期待できるということで注目されています。普段は通常の筋トレを行い、仕上げに行うトレーニングです。
ジャイアントセット法のトレーニングでは、普段使っている重量より20%程度軽くし、1種目10レップスを目標に、最大3セット行ってオールアウトとします。セット数はレベルによって1から3にし、種目と種目の間の休憩はとりません。筋肉への負荷が止まるのは種目交代の時間のみで、意図的に休まないのがポイントになります。
(重量については以下の記事も参考にしてみてください)
出典: Slope[スロープ]
ミロスシャシブ指導による肩のジャイアントセット
プロボディビルダー山岸秀匡がミロスシャシブの指導で行っている肩のジャイアントセットのメニューです。山岸プロですらキツいトレーニングなので、これをフルで行える方はそうはいないでしょう。自分のできる範囲で種目を減らして行うことになりますが、一般的なジムでマシンを独占するわけにはいかないので、これを行うのは実際には難しいです。
前半
最初はサイドレイズ、次にシーテッドサイド45度レイズ、シーテッドサイドレイズ、うつ伏せフロントバーベルレイズです。
中盤
続いてマシーンショルダープレス、サイドレイズ、ケーブルサイドレイズ、うつ伏せでのデクラインサイドレイズ、仰向けでのインクラインサイドレイズです。
後半
最後にシーテッドバーベルプレス。この10種目を休憩なしで1セット行います。
(バーベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)
バーベルショルダープレスのやり方!肩を急激にデカくするコツ!重量・回数なども解説
出典: Slope[スロープ]
ミロスシャシブ指導による胸のジャイアントセット
ケーブルプレス、インクラインケーブルプレス、インクラインダンベルプレス、デクラインバーベルベンチプレス、ベンチプレスの5種目を連続して行っていきます。ストレッチ種目からはじめ、最後にベンチプレスで終わるメニューになっています。
ミロスシャシブ指導による脚のジャイアントセット
レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカール、フロントでのハックスクワット、バックでのハックスクワット、ヒップアブダクション、ヒップアダクションの7種目を連続で行っていきます。それぞれ10レップスずつですが、最後のヒップアダクションはさらに回数を重ねて限界まで追い込みます。
ジャイアントセット法の理論
ジャイアントセット法は、重い重量で物理的刺激を与えるのではなく、連続で行うことで血中酸素を減少させる化学的刺激を与えることで筋肉を肥大化させていくトレーニング方法です。種目やリズムを変えていき、常に新しい刺激を筋肉に与えていきます。これは、ミロスシャシブが経験則で学んだ理論で、実際にミロスシャシブは偉大なボディビルダーになりました。
当初は4種目程度だったジャイアントセット法ですが、ミロスシャシブが山岸秀匡選手を指導したときに、10種目以上行うようになりました。これは非常に大きな成果をあげましたが、一般の方には難しいトレーニング方法になっています。一般の方が行う際は、4種目程度で行うのがよいでしょう。
ジャイアントセット法は4種目で行っても十分効果的です。ポイントは、休憩をいれず連続で行うこと、与える刺激の異なる種目を織り込むことです。例えば胸なら、全体刺激、上部、中部、下部の種目を休憩をいれずに連続で行います。また、スローモーションで行うなど、リズムも変更しながら行うとさらに効果的です。
ミロスシャシブのトレーニングの実際
ミロスシシャブのトレーニングは、ジャイアントセットだけで行われるのではありません。実際にはさまざまな刺激を筋肉に与えていくのです。まず、10分間の有酸素運動を行ってから、レッグエクステンションを行いさらにウォームアップしていきます。上げるのに3秒、上げた状態を保持して2秒、下げるのに3秒かけてゆっくり行いましょう。
次にバーベルスクワットです。ウオームアップとして10回のスクワットを2セット、下降速度は3秒でゆっくり行います。そして重量負荷を上げて10回を3セット。次にレッグプレスを行います。これは、週ごとに片足ずつと両足で行うレッグプレスを切り替えて、各5セット10回ずつです。最後はハックスクワットを3セット10回行います。
片足レッグプレスを行う日は、トリプルドロップセットです。6回から8回できる重量からはじめ、重量を落として10回、さらに落として10回から15回、休憩なしで行います。ゆっくりと行いましょう。下降に5秒、下部で2秒停止、上昇に5秒かけます。以上が普段のトレーニングで、これにジャイアントセットを組み込むのがミロスシャシブのトレーニングです。
自分に合ったトレーニングを開発する
ミロスシャシブの指導する筋トレは、ジャイアントセットによる筋肉への刺激だけではありません。重要なのは自分に合ったトレーニングを見つけ出すことだと言っています。重さや回数を競うのではなく、必要な刺激を筋肉に与えること、優れた選手のトレーニング法をただ真似るのではなく、自分に正直になり、自分に適したトレーニングを見つけましょう。
ミロスシャシブによる食事理論
ミロスシャシブの食事理論は非常にシンプルです。十分なタンパク質、炭水化物、脂質を計算したうえで適切に摂取するというものです。カロリーが不足すると、体はカロリーの不足を補うために筋肉組織を分解して栄養を補足しようとします。そのため、これらのカロリーを毎日安定して摂取し、筋トレで消費するというのが、ミロスシャシブの食事理論です。
タンパク質、炭水化物、脂質をとる方法
タンパク質、炭水化物、脂質は良質なものを食事から摂取します。意図しない脂質摂取を避けるために、肉類からは脂を避け、タンパク質だけを摂取するようにし、脂質はピーナッツなどから計算した量を摂取するようにします。最も避けなければならないのは、満腹と空腹です。そのため、食事は決まった時間に摂取するようにしましょう。
タンパク質、炭水化物、脂質のうち、最も難しいのは脂質のコントロールです。そのため、トレーニーには鶏肉が好まれます。鶏むね肉は脂質がなく、安価でおいしく食べるための調理方法も豊富です。しかし鶏むね肉ばかり食べる必要はありません。牛や豚のヘレ肉などの赤身肉も食べて食生活に変化をつけましょう。
(筋トレと食事の関係については以下の記事も参考にしてみてください)
【筋トレ×食事】効果UPの食べ物〜筋肉の発達が停滞するNG例など徹底解説
出典: Slope[スロープ]
一日に必要なカロリーは
一日に摂取するカロリーを計算するため、まずは基礎代謝を計算します。基礎代謝は、男性なら10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢(歳)+5、女性なら10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢(歳)-161です。身長170cm体重70kg年齢30歳の男性なら、1617.5kcal。ここに、目的や活動量に合わせて係数をかけます。
係数は、まず活動量から、ほとんど運動をしない人は1.2、仕事などである程度動いている人は1.55、ある程度動き、筋トレもしている人は1.725になります。基礎代謝1617.5kcal身長170cm体重70kg年齢30歳の筋トレをしている人なら2,790kcalです。ここにさらに目的別の係数をかけていきます。
ダイエット目的なら0.8、現状維持なら1.0、筋肥大したいなら1.2になります。先ほどの基礎代謝1,617.5kcal身長170cm体重70kg年齢30歳の筋トレをしている人が筋肥大を目指すなら3,348kcalの摂取が必要です。この数値を元に、タンパク質、炭水化物、脂質の必要摂取量を計算していきます。
タンパク質・炭水化物・脂質の摂取量
タンパク質は体重の0.2%、体重70kgなら140g、タンパク質は1g4kcalなので600kcal。脂質は総カロリーの25%、3348kcalなら、837kcal、脂質は1g9kcalなので、93gになります。炭水化物は総カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引いたもので、3348kcalなら1911kcal、炭水化物は1g4kcalなので、478g(小数点以下四捨五入)になります。
まとめると、体重70kg、身長170cm、30歳の筋トレをしている人が筋肥大を目指す食事は、タンパク質140g、脂質93g、炭水化物478g。これを1日3食で摂取するのは難しいので、1日6回、2時間から3時間に1回の食事をとります。この食事法をマクロ管理法といい、ダイエット・筋トレ情報サイトDIET GENIUSで簡単に計算できます。
ミロスシャシブは、筋肥大には炭水化物が必須であると述べています。しかし一方で、炭水化物の摂取を制限するケトジェニックダイエットも、大幅に体脂肪を落とさなければいけない場合や、特殊な体質の人の場合は、有効な方法であるとも述べています。一定の方法に頼るのではなく、自分に合わせて方法を組み立てることを重要視しているのです。
(ケトジェニックダイエットについては以下の記事も参考にしてみてください)
ケトジェニック×チートデイも効果ある?頻度などやり方〜NG例まで解説!
出典: Slope[スロープ]
1日の食事法
ミロスシャシブの食事法では、3時間に1回の食事が推奨されています。まず、朝はタンパク質をしっかりとる事、食事の合間に必須アミノ酸とグルタミン酸をサプリなどから摂取します。脂質は、オリーブオイルやアボカド、ナッツなどで摂取しましょう。炭水化物はトレーニングに必須の栄養素です。ジャガイモ、米、小麦等のデンプン質をゆっくり摂取します。
(サプリについては以下の記事も参考にしてみてください)
山本義徳のサプリメントに関する考え|必要な物・タイミングなど
出典: Slope[スロープ]
【画像集】ミロスシャシブの筋肉を存分に拝もう
ミロスシシャブの現役時代の画像集です。非常にバランスのとれた筋肉美を堪能してください。
1993 German Grand Prix
1993年のドイツで行われた大会での画像です。このときミロスシャシブは5位でした。
アンドレアス・ムンツァーと
アンドレアス・ムンツァーとの写真です。二人とも見事な筋肉美で圧倒されます。
初の大会出場で
1985年初めての大会ミスターユーゴスラビアに出た時の写真です。まだ21歳の若さです。
1989U.S.Aチャンピオンシップ優勝
1989のU.S.Aチャンピオンシップ優勝時の写真です。腹筋が圧倒的ですね。
仕上がり上々
出所不明ですが、腹筋がくっきり出ていて圧倒的な仕上がりのすばらしい体です。
上半身のデカさ
上半身の大きさが尋常ではありません。タンクトップが似合いますね。
1996年
1996年32歳の時の体です。完成度がどんどん上がっています。
Alex Ardenti撮影
ロサンゼルスのCMディレクター兼写真家Alex Ardenti撮影の写真です。モノクロの陰影で筋肉がさらに映えますね。
ロニーコールマンと
ローマで行われたイタリアグランプリでロニーコールマンと撮った写真です。ロニーコールマンが優勝、ミロスシャシブは5位でした。
筋肉ピンナップ
ボディビル雑誌に載った写真です。上腕の筋肉が盛り上がり、非常にかっこいい写真です。
ミロスシャシブから筋肉をつける術を学ぼう!
ミロスシャシブは偉大なトレーナーとしてジャイアントセット法をセミナーやミロスキャンプと呼ばれる一般の人も参加できるキャンプ企画で指導しています。さらにさまざまな情報発信をしており、ミロスシャシブから多くの筋トレ知識を学ぶことができます。ミロスシャシブから効果的なトレーニング法を学んで、筋肉を肥大化していきましょう。