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ハックスクワットのやり方!膝を痛めないコツで下半身を強化!自宅でも簡単!

2020年05月18日

ハックスクワットは、マシンを使って下半身を鍛える筋トレです。この記事ではハックスクワットの効果的なやり方を、足の位置の設定からじっくり紹介します。また、自宅などでマシンがない場合に代わりとなる方法として、スミスマシンやバーベル、自重で鍛える方法も紹介します。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ハックスクワットとは?

ハックスクワットは専用のマシンを使う筋トレで、主に下半身を鍛えることができます。この記事では、まず普通のスクワットや同じようにマシンを使って似た動きをするレッグプレスレッグプレスとの違いを明らかにしたのち、鍛えられる筋肉や正しいフォームについて詳しく解説していきます。

普通のスクワットとの違いは?

ハックスクワットはマシンで行うことから、通常のスクワットに比べて安定した動作で行えます。そのため、体幹部の筋肉への負荷を抑え、脚への負荷に集中できることがいい点です。テンポよく行うこともできるため高回数の脚のトレーニングとも相性が良い種目です。

レッグプレスとの違いは?

レッグプレスは、上体が斜め45°になるマシンに乗って足を前に着けて膝を曲げ伸ばしするトレーニングです。ハックスクワットと体の向きは逆ですが、動きや鍛えられる筋肉に大きく違いはありません。

細かく言えば、ハックスクワットのほうが可動域が大きく、重心がやや後ろになるという特徴があるといえます。そのことから、太ももの大腿四頭筋よりも体の後ろ側にある大臀筋やハムストリングスに刺激が入りやすくなります。一方で、レッグプレスのほうが高い重量を扱うことができます。

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ハックスクワットで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ハックスクワットで鍛えられるのは、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋です。鍛えられる筋肉部位がどこにあって、どんな効果が得られるのかを意識することで効率的にトレーニングすることができます。

大腿四頭筋

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

専用のマシンを使い、上半身を固定し脚の力でプレスするハックスクワットは、大腿四頭筋を鍛えることができるトレーニングです。大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つからなる大腿四頭筋は、全身の筋肉の中で最も強くて大きな筋肉です。

大腿四頭筋を鍛えることで、歩く・走るなどの日常の基本的な動作を維持できるだけでなく、瞬発力、足腰の耐久力が向上するので運動能力の向上にもつながります。また、大きな筋肉ですので、基礎代謝をアップさせダイエットにも効果が期待できます。

ハックスクワットの効果的なやり方

ハックスクワットで鍛えられる筋肉部位やその効果を理解できたところで、次はより良い効果を出すためのやり方紹介します。動作そのものは難しいものではありませんが、コツとなるポイントを意識して行いましょう。

▼ハックスクワットのやり方

①重量をセットする
②足を肩幅程度に開いて置き、頭と背中は背もたれに固定する
③足裏全体で押し出すように足を伸ばす
④膝が伸び切らない所までで止める
⑤膝の角度が90度になるよう曲げ、スタートポジションに戻る

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ずーみー(泉風雅)

あまり下の方に足を置くと、状態を立てたまま膝を前に出していくヒンズースクワットに似た動きになり、大腿四頭筋にかかる負荷は大きくなります。そうすると膝が痛いという人は、足を上の方に置くように対処してください。

ハックスクワットのコツ&注意点

ハックスクワットのコツと注意点について解説します。正しいフォームで行うことで、より筋トレの効果を高めることができます。よくある間違いをもとに、次の5つのポイントを紹介します。

・足の幅と向きの設定
・腰を浮かさない
・ボトムで腰が曲がらないように
・膝の位置に注意
・ボトムでかかとを浮かさない

まずは、足の置き方と刺激が入る筋肉の関係について解説します。

足の高さと幅の設定

ハックスクワットにおいて、足の位置の設定はとても重要なポイントになります。基本的には、足幅は肩幅程度に開きます。ただし、足を置く高さと足幅によって効いてくる部位の違いが違うので、より効かせたい部位を意識して調整してみましょう。

①位置高め・幅広め(つま先ハの字)…ハムストリングス大殿筋中部上部、内転筋
②位置高め・幅狭め(つま先まっすぐ)…ハムストリングスや大殿筋下部
③位置低め・幅広め(つま先ハの字)…内転筋
④位置低め・幅狭め(つま先まっすぐ)…外側広筋

ハックスクワットで下の方に足をおくと、上体を立てたまま膝を前に出していくヒンズースクワットに似た動きとなります。そのため、足を下の方に置くと大腿四頭筋にかかる負荷が大きくなります。膝が痛い場合には、方は足を上の方に置くようにして対処してください。

腰を浮かさない

腰が浮いたり前に出すぎたりする姿勢はNGです。上半身はしっかりと背面パッドに固定し、負荷の方向と上半身の方向が一致するように動作を続けます。腰が浮いてしまうと腰痛の原因になるので注意です。

ボトムで腰が曲がらないように

腰を落としたポジションで、腰が曲がったり反ったりしないように注意しましょう。しっかり腹圧を高め、上半身をまっすぐ安定させます。また、股関節伸展筋を強化したり、つま先の向きを外側に向けることで改善する可能性があります。

膝の位置に注意

膝が内側に入らないようにしましょう。大腿部外側が硬かったり、股関節を外に開く・外に回す(外転・外旋)筋肉の強さが足りない可能性があります。また、膝はつま先と同じ向きを向いているようにします。

ボトムでかかとを浮かさない

しゃがんだポジションでかかとが上がってしまうのはよくあるNG例です。この原因としては、ふくらはぎが硬くなっている可能性が高いでしょう。足の位置を高めに上めにしたり、重量を落とすことが最優先です。または、リフィングシューズなどのかかとが高くなっているシューズを使うことで対応できます。

ハックスクワットの最適な重量・回数・セット数

ハックスクワットの回数については、基本的には筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力のためには15回~で行います。重量については、設定した回数で限界が来る重量を扱うことが大切です。筋肥大に関しては、限界まで行えば例え軽い重量の高回数でも同等の効果を得られます。

1部位あたり初心者の方の場合は週1回・3セット、上級者の方の場合は週2回・6セット程度が基本的におすすめのセット数です。もちろんトレーニングステータスが上昇するにしたがって、1部位あたりの頻度やセット数を増やしていく必要があります。

筋トレを初心者の方は、はじめは思うように回数やセット数をこなせないかもしれませんが、慣れてきたら重量やセット数を増やしてみましょう。一番重要なのは、正しいフォームで限界まで追い込むということです。

【マシンがない場合】ハックスクワットのバリエーション

ハックスクワットには専用マシンが必要ですが、ジムに専用マシンがない場合やジムになかなか行けない人も多いでしょう。そこで、ここからは専用マシンがない場合や自宅などでも簡単に鍛えることができるハックスクワットのバリエーションを3つ紹介します。

・スミスマシンで代用
・バーベルで代用
・自重

安全に行うために注意が必要だったり負荷が小さかったりしますが、自分に合ったやり方でやってみましょう。

スミスマシンで代用

最初はスミスマシンを使った代用方法を紹介します。斜め軌道のものの場合、立ち上がるにしたがって後ろのほうに流れていく方向で使います。その際はセーフティバーの設定を忘れないようにしてください。

▼スミスマシンで行うやり方

①バーベルを高い位置で担ぐ
②しゃがむ
③バーベルをスタートの高い位置に戻す

スミスマシンを使ったハックスクワットでは、1~6回できる重量ならば筋力アップに、6~12回ならば筋肥大に、15回以上または軽い重量で限界まですると筋持久力アップに効果的です。初心者の方は3セットを週に1回、上級者の方は6セットを週2回行うことをおすすめします。

▼スミスマシンで行う場合のコツ&注意点

・スミスマシンが後ろに倒れてしまわないよう注意
・高重量を扱う場合は、万が一スミスマシンが傾いても壁側に傾くような方向で設置

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ずーみー(泉風雅)

足を置く位置は前のほうにします。こうすることで上体が前傾しないまましゃがんでいきことが可能です。

(スミスマシンスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

バーベルで代用

次は、マシンの代わりにバーベルで行う方法です。バーベルをお尻に付けた状態で行うことで、比較的安定した動作になりハックスクワットがやりやすくなります。

▼バーベルで行うやり方

①バーベルを後ろ手で掴む
②バーベルをお尻に付けたような状態まで上げる
③そのまま膝を曲げスクワットをする

バーベルを使ったハックスクワットは、正しいフォームで行える範囲で、限界の回数まで追い込むことが大切です。初心者の方は週1回3セット、上級者の方は週2回6セットを目安に行いましょう。慣れてくればバーベルの重量で調節しても良いです。

▼バーベルで行う場合のコツ&注意点

・足幅は肩幅くらい
・膝が内側に入らないように
・腰を反らさない

自重

最後に自重で行うハックスクワットです。初心者の方は自重で構いませんが、マシンがある場合はマシンの最小負荷で行ったほうが良いでしょう。

▼自重で行うやり方

①肩幅程度に足を開き立ちます。
②膝を曲げしゃがむ
③スタートポジションに戻ります。

自重でのスクワットは、正しいフォームを意識し、限界まで追い込める回数を行いましょう。初心者の方は週に1回3セット、上級者の方は週に2回6セット行うのがおすすめです。膝を痛めないように適正な回数で実施してください。

▼自重スクワットのコツ&注意点

・かかとを浮かさないようにする
・かかとが浮く場合は、ほんの少し前傾する
・膝の位置や向きに注意する

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ずーみー(泉風雅)

しゃがみきった時に、後ろ手でカカトを触るようにしましょう。

(ダンベルで負荷をかけるスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

ハックスクワットの効果を高める為のポイント

ハックスクワットの効果を高めるためのポイントを紹介します。フォームに関するポイントは、ここまでの解説を参考にしてください。ここからは、一緒に行うべきメニューについて解説します。ハックスクワットと同じように大腿四頭筋に効く補助種目や発展形と、拮抗筋であるハムストリングスを鍛えるメニューを紹介します。

一緒に行うべきメニュー

効率良く鍛えるためにハックスクワットと一緒に行うべきメニューがあります。それがレッグエクステンションや発展形として自宅などで簡単にできるスクワットが挙げられます。こちらはハックスクワットと同じく主に大腿四頭筋に効くトレーニングです。

また拮抗筋の種目として、デッドリフトやルーマニアデッドリフトがあります。体幹や下半身全体も鍛えるトレーニングで、ハックスクワットと一緒に行うとより効果的です。

(一緒に行うべきメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ハックスクワットで効率よく下半身強化!

ハックスクワットは大腿四頭筋に効くトレーニングで、下半身を強化することができます。鍛えることでスポーツはもちろん、ダイエットや健康面に良い影響を与えてくれます。足の置く位置に気を付け膝を痛めないよう正しいやり方で行ってください。

目的が違えば扱う重量や回数は異なります。平均重量などの情報にまどわされず、自分にあった方法と最適な重量や回数をみつけ、下半身強化に取り組みましょう。

(大腿四頭筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)