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ヒップスラストはヒップアップに効果的な筋トレ
ヒップスラストは股関節の伸展作用をほとんど大臀筋のみで行うことができる下半身の種目です。大臀筋を強化したいアスリートやお尻のラインが気になる女性などにおすすめの種目となります。
スクワットやデッドリフトなどでも大臀筋は鍛えられますが、これらの種目では基本的にストレッチした時に負荷がかかります。一方でヒップスラストでは大臀筋に収縮の負荷を掛けられるので、非常に貴重な種目として行われているのです。
今回はこのヒップスラストの正しいやり方や効果を高める為のポイントを紹介します。それでは最初にヒップスラストで鍛えられる筋肉の部位や得られる効果から押さえていきましょう。
ずーみー(泉風雅)
ヒップスラストは特に海外で人気のトレーニング種目でした。しかし、最近では女性のヒップアップ効果が高く評価され、日本でも人気のある下半身のメニューになっています。
(動画で見たい方はこちら)
(ヒップアップに効果的な筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
アウターサイのやり方!短期間で美尻GETするコツ〜自宅でマシン無しで行う方法も!
出典:Slope[スロープ]
ヒップスラストで鍛えられる筋肉部位、得られる効果
ヒップスラストでは先ほども触れたように主に大臀筋が鍛えられます。また副次的に大腿二頭筋や大腿四頭筋などの下半身の他の筋肉も鍛えられるのです。
それでは早速これらがどのような筋肉なのか、鍛えると得られる効果と合わせて詳しく解説していきます。
大臀筋
ヒップスラストで主に鍛えられる大臀筋はお尻を覆うように付いている臀筋群の1つです。主に股関節を伸展させる作用を持っています。ヒップスラストでは股関節が屈曲した状態から伸展させる動作を行うため、その時にこの大臀筋に強い刺激が入って鍛えられるのです。
またこの大臀筋は、股関節の伸展とともに下半身を使って全身を押し出す力を生み出す大切な筋肉でもあります。そのためヒップスラストで鍛えるとスプリントやジャンプなど爆発的な動きのパフォーマンスを改善する効果が得られるのです。
それに加えてヒップアップという女性に嬉しい効果もあります。そのためヒップスラストは下半身の強化を狙う男性だけでなく、女性トレーニーも十分に取り組む価値がある種目と言えるのです。
(大臀筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大臀筋の筋トレメニュー集!お尻の効果的な鍛え方を自重・ウェイト別に解説!
出典:Slope[スロープ]
大腿二頭筋や大腿四頭筋
ヒップスラストでは大臀筋と比べると刺激が弱いですが、大腿二頭筋や大腿四頭筋も鍛えられます。大腿二頭筋とは太ももの裏にある筋肉でハムストリングスを構成する筋肉でもあります。大臀筋と連動して股関節を伸展させる働きを持つため、ヒップスラストの動作でも鍛えられるのです。
一方で大腿四頭筋は太ももの表にある筋肉で、主に膝を伸ばしたり、股関節を外転させる働きをしています。ヒップスラストでは足を置く位置によって、膝が伸びる動作が強調され刺激が入ることがあるのです。
そしてこれらの筋肉を鍛えると膝の伸展や屈曲などが起こるダッシュやジャンプ動作のパフォーマンスアップ効果が得られます。また基礎代謝の向上や太ももの引き締め効果など女性に嬉しい効果も期待できるのです。
(大腿二頭筋や大腿四頭筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)
大腿二頭筋の筋トレ&ストレッチメニュー!構造・作用〜鍛え方のコツまで解説
出典:Slope[スロープ]
大腿四頭筋の筋トレメニュー!自重〜ジムまで!太もも前を鍛えるコツを徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
ヒップスラストの効果的なやり方
それでは次に基本となるバーベルを使ったヒップスラストの効果的なやり方を解説します。大臀筋にしっかりと効かせるためにも正しいフォームと動作のポイントをここで確認しておきましょう。
①バーベルをセットする
まずバーベルを床にセットします。
②スタートポジションを作る
バーベルと平行にフラットベンチを置き、腰の前上あたりにある硬い骨の下にバーベルをセットします。ふくらはぎが地面と垂直になるように膝の角度を調節し、背中は肩甲骨の少し下あたりがベンチのヘリに付くようにしましょう。これがヒップスラストのスタートポジションとなります。
またこの時、ベンチは動かないようにしっかりと固定されていることを確認しておきましょう。
③バーベルを真上に挙げる
スタートポジションを作ったら、大臀筋の力で股関節を伸展し、バーベルを真上に挙げていきます。この時、腰を反らせすぎると大臀筋の収縮が緩み、腰を痛める原因にもなってしまうので注意してください。
④元のポジションに戻す
バーベルを挙げ切ったら慎重に元のポジションへ戻りましょう。後は決めている回数だけ同じ動作を繰り返すだけです。
(バーベルについては以下の記事も参考にしてみてください。)
バーベル兼用ダンベルが家トレで大活躍!口コミ〜選び方&おすすめを紹介!
出典:Slope[スロープ]
ヒップスラストのコツ&注意点
ヒップスラストを行う上でのコツや注意点は以下の2つあります。
①足を置く位置が遠すぎる・近すぎる
②腰の前の骨が痛む
それでは①の足を置く位置が遠すぎる・近すぎることから順番に詳しく見ていきましょう。
①足を置く位置が遠すぎる・近すぎる
ヒップスラストでは上の画像のように膝を伸ばして足の位置を遠くしている状態はNGです。このように足をわざと遠く置くことで、あえてハムストリングスにテンションを掛けることもできます。しかしこれは、大腿四頭筋の余計な緊張などに繋がってしまうリスクもあるのです。
そのため基本的にはふくらはぎの骨が地面と垂直になるようにセットして、足があまり遠くならないように心がけましょう。
また上の画像のようにふくらはぎが地面に対して垂直でなく、膝よりかかとが入りこんでしまうのもNGです。大臀筋への効果がない、という間違った結果にならないように足は近い位置に置かないように注意しましょう。
②腰の前の骨が痛む
ヒップスラストでは「腰の前の骨が痛い」という問題がよく起きます。特にやせ型の方は脂肪が薄いため非常に痛くなりやすいです。この場合、バーを乗せる位置を調節したりスクワットパッドを敷くなどして対処します。
ある程度の慣れもありますが、それでも痛い場合はスクワットパッドにさらにタオルをかませてください。またスクワットパッドを2枚重ねにして使うのも良いでしょう。
無理に痛みを我慢すると怪我やフォームの崩れなどの原因となります。そのため痛い時はそれを耐えるのではなく、自分なりに快適にトレーニングしやすいように積極的に工夫していきましょう。
ヒップスラストの最適な重量・回数・セット数
ヒップスラストを行う上で最適な重量や回数は、筋トレの目的に合わせて変化させてください。具体的には筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量が目安です。ちなみに筋肥大目的の場合、限界まで追い込めば軽い重量×高回数でも同程度の効果を期待できます。
最適なセット数はトレーニングステータスによって変わります。基本的に初心者の方は週1回3セット程度を、上級者の方は週2回6セット程度を行うのがおすすめです。
ちなみにさまざまな研究から1週間で1回よりも2回のトレーニングの方が効果はあるとされています。しかし、3回以上行うことがさらに高い効果を生むかは不明です。ただ実際にはやりすぎる方が多く見受けられますので、オーバーワークにならないように十分注意して行うようにしましょう。
ずーみー(泉風雅)
ヒップスラストは初心者でもわりと高い負荷で行うことができる下半身の種目です。しかし、重すぎる負荷は正しいフォームの妨げにも怪我の原因にもなります。そのため無理はせずに自分に合った重量で行うように心がけてください。
(筋トレの回数については以下の記事も参考にしてみてください。)
筋トレの『レップ数』とは回数のこと!最適な負荷調整〜1RMの意味についてまで解説!
出典:Slope[スロープ]
スミスマシンを使用したヒップスラストのやり方
ヒップスラストはスミスマシン使って行うこともできます。スミスマシンを使うやり方はバーの軌道が固定されている分、力を発揮するのに集中しやすいのが大きなメリットです。通常のやり方だとバランスが取れない初心者や筋力の発揮に集中したい方はぜひ取り入れてみてください。
ちなみに斜め軌道のスミスマシンを使う場合は、沈むにつれて頭側にバーが流れる方向で使うようにしましょう。
▼スミスマシンを使用したヒップスラストのやり方
①バーベルをマシンの一番下にセットする
②腰の前上あたりにある硬い骨の下にバーをセットする
③バーベルを真上に挙げて降ろす
スミスマシンを使用したヒップスラストも通常と同じように筋トレの目的に合わせて重量や回数を設定してください。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量が目安です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行うようにしましょう。
▼スミスマシンを使用したヒップスラストのコツ&注意点
・膝が垂直になる位置に足を置く
・挙げる時に腰を反らせすぎない
(スミスマシンの使い方については以下の記事も参考にしてみてください。)
スミスマシンの使い方!初心者もわかるメニュー&やり方!向きに要注意?
出典:Slope[スロープ]
【自宅版】ヒップスラストのバリエーション
それでは次に自宅でも取り組めるヒップスラストのバリエーションを紹介します。家でトレーニングしている人はぜひ参考にしてみてください。
①自重によるヒップスラスト
自重によるヒップスラストは負荷が低いので、筋力の低い初心者や女性にはおすすめです。自重に慣れたら、この後に紹介するダンベルやバランスボールを使ったヒップスラストにもチャレンジしてみると良いでしょう。
▼自重によるヒップスラストのやり方
①ベンチや椅子に肩甲骨の少し下あたりを付ける
②ふくらはぎを地面と垂直に立てる
③腰を真上に挙げて降ろす
自重によるヒップスラストは負荷の調整ができません。そのため正しいフォームを維持できる限界の回数をこなすの基本とすると良いでしょう。セット数については通常のやり方と同様に初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行ってください。
▼自重によるヒップスラストのコツ&注意点
・動作中は腕を胸の前で組んでおく
・腰を反らせないように挙げる
(他の自重トレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください。)
自重トレーニングメニュー20選!筋肥大・ダイエットなど目的別のコツも解説
出典:Slope[スロープ]
②ダンベルを使ったヒップスラスト
ダンベルを使うと自重よりも高い負荷をかけられるので、初心者や中級者向けと言えます。しかしダンベルの大きさ次第では、下まで沈み込むことが難しくなってしまう難点もあります。そのため基本的にはバーベルを使う方法の方がおすすめです。
▼ダンベルを使ったヒップスラストのやり方
①ベンチや椅子に肩甲骨の少し下あたりを付ける
②ふくらはぎを地面と垂直に立てる
③ダンベルを腰の上に置く
④腰を真上に挙げて降ろす
ダンベルを使ったヒップスラストは筋トレの目的に合わせて重量や回数を調節しましょう。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来る重量が目安です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行うようにしましょう。
▼ダンベルを使ったヒップスラストのコツ&注意点
・膝が垂直になる位置に足を置く
・腰を反らせないように挙げる
(ダンベルを使った他の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください。)
【ダンベルの下半身メニュー】脚痩せダイエット〜高負荷で筋肥大・筋力UPも可能!
出典:Slope[スロープ]
③バランスボールを使ったヒップスラスト
バランスボールを使うヒップスラストは不安定性が増し、通常のヒップスラストとは違った筋肉の使い方ができるのが大きなメリットです。自重を使ったヒップスラストに慣れてきたらバリエーションとして取り入れてみると良いでしょう。
▼バランスボールを使ったヒップスラストのやり方
①バランスボールに肩甲骨の少し下あたりを付ける
②ふくらはぎを地面と垂直に立てる
③腰を真上に挙げて降ろす
バランスボールを使うやり方も自重トレーニングなので、正しいフォームを維持できる限界の回数をこなすの基本とすると良いでしょう。セット数については通常のやり方と同様に初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行ってください。
▼バランスボールを使ったヒップスラストのコツ&注意点
・体が前後左右に転がらないように注意する
・腰を反らせないように挙げる
足をバランスボールの上に乗せて行う上の動画のようなやり方もあります。
(バランスボールを使った筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください。)
バランスボールスクワットの効果&やり方!メリット〜片足・壁などのバリエーションも!
出典:Slope[スロープ]
ヒップスラストの効果を高める為のポイント
最後にヒップスラストの効果を高める為のポイントを紹介します。より高い効果を望む人はぜひチェックして、実際のトレーニングに活用してみてください。
類似種目と一緒に取り組む
大臀筋に大きな負荷が入るメニューとして、ヒップスラストの他にデッドリフトやスクワットが挙げられます。そしてこれらの類似種目と一緒にヒップスラストに取り組むのが効果を高めるのに有効なのです。なぜならこれらの種目ではヒップスラストとはまた違う刺激が入り、大臀筋の更なる成長を期待できるからです。
ただし、スクワットやデッドリフトはそれぞれ高重量を扱える下半身の種目なので、同じ日に行うと疲労が溜まりすぎます。そして怪我やオーバーワークを引き起こす可能性があるのです。それを避けるためにもできれば日を分けて、バランスよく取り組むようにすると良いでしょう。
(デッドリフトやスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)
デッドリフトの正しいフォーム!種類別の効果UPのコツ&腰を痛めない注意点を解説
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スクワットの効果&正しいやり方!13種類のフォーム、回数・重量などコツも解説
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ヒップスラストで大臀筋を鍛えて美尻を手に入れよう
ヒップスラストはお尻のシェイプアップ効果ばかりでなく、爆発力を発揮する大臀筋を鍛えられるため、アスリートにも人気の下半身トレーニングメニューです。難易度もあまり高くなく初心者でも取り組みやすいので、ぜひ日々のメニューに取り入れて自分にとっての理想的なお尻を手に入れましょう。
(大臀筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
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