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ダンベルフライのやり方!大胸筋に効かせるフォーム〜重量・回数など効果UPのコツを解説

2020年03月27日

ダンベルフライは大胸筋内側を集中的に鍛えられる筋トレ種目です。今回はこのダンベルフライの正しいフォームや最適な重量・回数などの効果UPのコツについて解説します。ダンベルフライの応用のやり方も紹介するので、合わせてチェックしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ダンベルフライは大胸筋内側に効果的な筋トレ

ダンベルフライはダンベルを持って両腕を開いたり閉じたりする大胸筋の種目です。チェストフライとも呼ばれます。このダンベルフライは単関節種目ですので、大胸筋にしっかりとフォーカスして負荷をかけたいという人におすすめの種目です。

今回はそんなダンベルフライの効果的なやり方や注意点、バリエーションについて紹介します。それでは最初にダンベルフライで鍛えられる筋肉の部位と得られる効果を押さえておきましょう。

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(ダンベルフライの重量設定については以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

先ほども解説したようにダンベルフライで主に鍛えられるのは大胸筋です。それではこの大胸筋がどのような筋肉なのか、鍛えると得られる効果と合わせて解説していきます。

大胸筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

大胸筋は鎖骨や胸骨などから上腕骨にかけて付いている筋肉です。主に体の前で腕を閉じる・前に押し出すといった作用があります。ダンベルフライでは腕を広げた状態から閉じる動きをするので、この大胸筋に強い刺激が入るのです。

そしてこの大胸筋を鍛えると身体を分厚くできる見た目に関する効果やコンタクトスポーツなどにおけるパフォーマンスアップなどの効果が得られます。また綺麗なバストラインを作るという女性に嬉しい効果も期待できるのです。

(大胸筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライの効果的なやり方

次にダンベルフライの効果的なやり方を解説します。手順を静止画像と合わせて丁寧に紹介していきます。冒頭の動画と共に正しいフォームをしっかりチェックしておきましょう。

①ベンチに仰向けになりダンベルを持つ

まずダンベルを保持しベンチに寝転がります。ダンベルが重たい場合は膝にダンベルを置いた体勢のまま寝転がる、オンザニーテクニックが有効です。この方法であればダンベルの重量が上がっても、人の手を借りずにスタートポジションが取れます。

やり方としてはまず太ももの上にダンベルを縦にして置くようにして持ち、ベンチに座ります。そしてダンベルを膝から離さずに、後ろに倒れていき仰向けになりましょう。ダンベルを胸の位置で支えられるようになったら、足をベンチからおろして床につけるだけです。

このテクニックはダンベルプレスなどの他の種目でも役に立ちますので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

②スタートポジションを作る

ダンベルを挙げたら、向かい合わせに持ち胸を自然に張ります。手の向きは基本向かい合わせですが、逆ハの字型にしても問題ありません。逆ハの字ではより肩甲骨を寄せて下げやすくなり、ストレッチを感じやすくなるので、一度試してみると良いでしょう。

大胸筋は基本的に肩甲骨に対して上腕骨を動かす筋肉ですが、肩甲骨自体も動かせるとより効果的に筋肉を動かすことができます。そのためこのダンベルを挙げたポジションでは自然に肩甲骨は軽く外に出た状態になるように意識しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

「大胸筋を鍛える時は肩甲骨を寄せる」いう言葉ばかりが一人歩きしていますが、実際には「大胸筋を伸ばす時は肩甲骨を寄せる」なのです。収縮ポジションでも寄せた状態をキープしようとすると大胸筋の働きは逆に悪くなってしまう場合がありますので注意してください。

③ダンベルを降ろす

肩甲骨を寄せながらダンベルを降ろしていきます。この時の肘の角度が重要です。肘はプレス動作ほど曲げませんが、伸ばしすぎれば肩関節にかかる負担が大きくなりすぎてしまいます。また肘の曲げ伸ばしが大きくなるとプレスの動作に近づくため上腕三頭筋にかかる負荷が大きくなります。

適切なのは真上から見るとダンベルは肘から引いた垂線の少し外側、というくらいの角度です。その角度がずれないように意識しながら、肩を回してダンベルを降ろしましょう。

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ずーみー(泉風雅)

上腕三頭筋三角筋が疲れてしまわないようにするコツは、しっかりと大胸筋を動員するために鎖骨の中心から胸を開くように肩甲骨を寄せることです。体幹の横アーチを作るように意識しましょう。

(三角筋の筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

④元に戻す

ダンベルを降ろしたら大胸筋を収縮し元のポジションに戻ります。この時、ダンベルが肩よりも内側に入ってしまうと負荷が抜けてしまいます。つまりダンベルを収縮ポジションでカチンと合わせる必要はないということなので、間違えないように注意しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

ダンベルを使うやり方はマシンの場合よりもストレッチポジションでの負荷が相対的に強くなります。

⑤ダンベルの挙げ降ろしを繰り返す

後は②と③のダンベルの挙げ降ろしを繰り返しましょう。ちなみにこの動作中の呼吸法について、多くの質問を受けます。基本的にはしっかりと腹圧を高めるために息は基本的に動作中は息を止め、挙げきったレストポジションで息をすることをおすすめします。しかし、この状態では肩甲骨を柔軟に使えないということもあるでしょう。

そのような時はフーッと息を吐いてそのまま下腹部に力を入れた状態をキープし動作してみてください。そうするとある程度腹圧を高めたまま、肩甲骨を柔軟に使うことができます。ちなみにこの呼吸法を行うなら動作の切り返しで息を吐き、トップポジションから降ろす時に息を自然に吸うようにすると良いでしょう。

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ずーみー(泉風雅)

動作中に息を止めてレストポジションで呼吸をする方法は、血圧が上がります。そのため、心血管系リスクのある方にはこの方法はおすすめできません。


(肩を大きくするダンベルショルダープレスのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライのコツ&注意点

ダンベルフライを行う上でのコツや注意点は以下の3つあります。

①肩甲骨が動かせていない
②肘が開きすぎている
③ダンベルを強く握りすぎてしまう

それでは①の肩甲骨が動かせていないことから詳しく見ていきましょう。

①肩甲骨が動かせていない

ダンベルフライでは、肩甲骨を柔軟に使えていないフォームがよく起こる問題として挙げられます。このような状態では三角筋前部が疲れてしまい、大胸筋が使えないという問題が起こります。

これは肩甲骨のポジションやダンベルやハンドルを降ろす位置に原因があることが多いです。肩甲骨をしっかりと寄せて体幹の横アーチを作れていないと大胸筋ではなく三角筋前部に負荷が逃げてしまいます。しっかりと肩甲骨を寄せて胸を張り、体幹の横アーチを作るようにしましょう。

(三角筋強化におすすめのフロントレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

②肘が開きすぎている

ダンベルフライのフォームでは肘の角度も意識する必要があります。先ほども解説したように肘の角度を広げすぎると肩関節に大きな負担がかかってしまいます。降ろした時のダンベルは肘の少し外側に位置する角度が適切とされています。特に肩が痛い方は忘れずに意識しましょう。

ただし、マシンではダンベルで行う場合よりも肘は開いた形となります。

③ダンベルを強く握りすぎてしまう

ダンベルを強く握りすぎてしまうのも、よくある間違いです。このような状態では正しいフォームを維持できていても、大胸筋よりも先に腕が疲れるという問題が起こります。

この握り過ぎてしまう原因は肘よりも外側にダンベルが位置しすぎていることにあります。ダンベルが遠すぎる位置にあると肘がこれ以上開かないようにするために肘を曲げる上腕二頭筋やその他の前腕の筋肉が強く働くようになってしまうのです。また単純に指先に力を入れて握り過ぎている場合もあります。

いずれにしても強く握ることは大胸筋に効かない原因になりますので、注意しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

手の根元にダンベルを乗せるようにすると前腕は疲れにくくなります。指先で握る形になっていないか、フォームを確認してみましょう。

(ダンベルプレスについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライの最適な重量・回数・セット数

大胸筋は平らに伸びた筋肉で高回数で行ったほうが筋肥大しやすいと言われています。そのため12~20回くらいの重量で大胸筋の仕事量を増やすように大きく動かすと筋肥大を狙いやすいです。ただ、筋力アップであれば1回から6回まで、筋持久力アップであれば15回以上で限界が来る重量を選択するのをおすすめします。

最適なセット数についてはトレーニングステータスによって変化します。初心者であれば3セット、上級者は6セットくらいを目安に行いましょう。ちなみに週1回よりも2回の方が効果的です。しかし、3回以上がそれ以上の効果をもたらすのかは不明です。また多くし過ぎるとオーバーワークになってしまうこともあるので、無理はしないように注意しましょう。

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ずーみー(泉風雅)

大胸筋だけでなく、上腕二頭筋も紡錘状筋と呼ばれる筋肉です。この種類の筋肉は少しハイレップ気味で仕事量を多くすると効果が高いことも覚えておくといいですね。

(ダンベルのメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

【種類別】ダンベルフライのやり方

ここからダンベルフライの応用のやり方について、それぞれのメリットと合わせて解説していきます。通常のダンベルフライのフォームをマスターしたら、ぜひ挑戦してみてください。

①インクラインダンベルフライ

インクラインダンベルフライは通常のダンベルフライと比べて、腕を斜め上に挙げることになります。そして負荷のかかる方向と大胸筋上部の走行が一致しますので、上部を集中的に強化するのに向いているのです。

▼インクラインダンベルフライのやり方

①30~45度程度のインクラインベンチに座る
②ダンベルを両手に持ってベンチに背中をつける
③手のひらを内側に向けて、ダンベルを挙げる
③ダンベルを開きながら降ろす
④大胸筋を収縮させて元に戻し、繰り返す

インクラインダンベルフライも筋トレの目的に合わせて重量や回数を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力なら15回以上で限界が来る重量が目安です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼インクラインダンベルフライのコツ&注意点

・肩甲骨を寄せて動作を行う
・挙げた時に肩甲骨を外に出し過ぎない

(インクラインダンベルフライのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

②デクラインダンベルフライ

デクラインダンベルフライはインクラインとは逆に頭が下がる角度で行います。そのため大胸筋下部を集中的に鍛えられるのです。日本人は比較的下部が発達していないことが多いので、大胸筋のバランスを整えたい人はぜひ取り入れてみてください。

▼デクラインダンベルフライのやり方

①ベンチに仰向けになり、足をベンチの上に置く
②下背部とお尻を浮かせて上体を斜めにする
③ダンベルを胸の上に挙げる
④ダンベルを開きながら降ろす
⑤大胸筋を収縮させて元に戻し、繰り返す

デクラインダンベルフライも筋トレの目的に合わせて重量や回数を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力なら15回以上で限界が来る重量が目安です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼デクラインダンベルフライのコツ&注意点

・肩甲骨を柔軟に動かして動作を行う
・背中が滑る場合は滑り止めを使う

(デクラインダンベルフライのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

③ワンアームダンベルフライ

ワンアームダンベルフライはダンベルを片方だけ動かすバリエーションです。体幹を固定するために、姿勢維持のための筋肉が強く働くのがメリットです。ただし、高重量が扱いにくいためあまりおすすめはしません。

▼ワンアームダンベルフライのやり方

①両手にダンベルを持ち、ベンチに寝る
②ダンベルを胸の上に挙げる
③片方のダンベルを降ろして挙げる
④繰り返したのち、反対の腕も同じように行う

ワンアームダンベルフライも筋トレの目的に合わせて重量や回数を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力なら15回以上で限界が来る重量が目安です。ただし、高重量は扱いにくいので無理はしないでください。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼ワンアームダンベルフライのコツ&注意点

・体が傾かないようにバランスを取る
・肘を曲げ過ぎたり、伸ばし過ぎたりしない

(大胸筋や上腕三頭筋を鍛えられるデクラインプッシュアップのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

④フロア(床)ダンベルフライ

フライ系種目はストレッチポジションでの負荷が大きくなることが特徴です。そのためフライ系種目のストレッチ範囲が狭くなるフロアで行うこの方法は相性はあまり良くないと考える人もいるでしょう。

しかし、肩関節の水平伸展に制限がある人などは怪我を防ぐ意味ではアリです。またストレッチ範囲が広すぎて大胸筋から負荷が抜ける人もいます。そういった方が大胸筋の収縮感を掴むために行うのならおすすめできます。

▼フロアダンベルフライのやり方

①ダンベルを持ったまま床の上で仰向けになる
②ダンベルを胸の上に挙げる
③ダンベルを開きながら降ろす
④大胸筋を収縮させて元に戻し、繰り返す

フロアダンベルフライも筋トレの目的に合わせて重量や回数を調節します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力なら15回以上で限界が来る重量が目安です。セット数については初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安に行いましょう。

▼フロアダンベルフライのコツ&注意点

・肩甲骨を寄せて動作を行う
・肘を曲げ過ぎたり、伸ばし過ぎたりしない

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ずーみー(泉風雅)

ジムに行かず、家で筋トレがしたいという方はチューブなどを使い、片方ずつのダンベルフライをやってみてください。ただし、しっかりと大胸筋を動かすため、体幹が回旋してしまわないように注意してください。

(ダンベルが使える筋トレについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライの効果を高める為のポイント

それでは最後にダンベルフライの効果を高める為のポイントを紹介します。さらなる成長を望む方はぜひ参考にしてみてください。

類似種目や拮抗筋種目と一緒に行う

ダンベルフライによる大胸筋の刺激に慣れて、停滞期に陥らないためにも他の類似種目と一緒に取り組むのをおすすめします。具体的にはベンチプレスなどのプレス系の種目が良いでしょう。

また大胸筋のトレーニングにおいてはその拮抗筋である背中などの筋肉のストレングスや柔軟性はかなり重要になってきます。そのため三角筋後部や僧帽筋下部・菱形筋のトレーニングを合わせて行うのもおすすめです。

(一緒に行いたいメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ダンベルフライで大胸筋を鍛えて綺麗な胸板を手に入れよう

ダンベルフライは大胸筋にフォーカスして鍛えられる種目なので、綺麗な胸板を手に入れたい人はぜひ取り入れてみてください。良くある問題については肩甲骨や肘の角度に注意していれば起こりにくくなります。大胸筋の収縮をしっかり意識して、正しいフォームでトレーニングしていきましょう。

(大胸筋を鍛えるメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)