ランニングで筋肉は落ちる?増える部位も?メカニズム〜正しい対策まで解説!

ボディメイクの手段の一つとして、その手軽さからランニングばかり行う人が多いのではないでしょうか?実は有酸素運動であるランニングは筋肉量低下を招くことがあります。この記事では、有酸素運動によって筋肉が減少するメカニズムとその正しい対策を解説していきます。

監修 |パーソナルトレーナー Riku
instagramTwitterHPTRIGGER POINT Performance Therapy 認定トレーナー2ndpass認定トレーナーBODYBOSS認定トレーナー 法政大学スポーツ健康学部出身。パーソナルトレーナー兼ミラーフイットコンテンツディレクター。2021年6月にパーソナルトレーニングジム『SPICE GYM』を中目黒・恵比寿エリアにて開業予定。王様のブランチなどメディアにも複数出演。お客様のパートナーとして食事管理やトレーニングの指導はもちろんのこと日常生活や仕事での悩みなど身体&精神的な不調に関わることに対してサポート致します。

目次

  1. ランニングで筋肉が落ちる?増える?
  2. 有酸素運動は筋肉が落ちやすい?有酸素運動の種類を紹介
  3. 無酸素運動はボディメイク・ダイエットに必須!無酸素運動をするとどうなるの?
  4. 「走る」は有酸素運動?無酸素運動?
  5. ランニングで筋肉が落ちる理由
  6. 理由1.エネルギー不足によって筋肉内のアミノ酸を分解するから
  7. 理由2.コルチゾールが出てしまいたんぱく質が分解されるから
  8. 理由3.筋肉が増えるための無酸素運動ができなくなるから
  9. ランニングで筋肉が増える部位もある
  10. ランニングで使用している筋肉は?
  11. ランニングは筋トレと並行して行うべき!
  12. 脂肪を落とし筋肉をつけるトレーニングの順番!
  13. 脂肪を落とし筋肉をつけるトレーニングの時間配分!
  14. ランニングと一緒に行う筋トレの選び方
  15. よりランニングを楽しみたい方むけ!スクワットで下半身筋トレ
  16. バランスの良い美しい体に!まんべんなく鍛えられる上半身筋トレ
  17. ランニングでの筋肉痛について
  18. ランニングをすると筋肉痛になりやすい下半身の筋肉
  19. 筋肉痛が起きているときは休むべき?回復方法は?
  20. ランニングと筋肉の関係性を理解してトレーニングしよう

ランニングで筋肉が落ちる?増える?

ボディメイクやダイエットを志す人は、その手段の一つとしてランニングを検討する人も多いのではないでしょうか?手軽に始められて筋トレをするよりも簡単で継続しやすそうですよね。また、下半身の筋肉は全体の約70%を占めているので、走ることはより多くの筋肉を動かし脂肪燃焼効果、ダイエットに役立つイメージがついているのではないでしょうか。

しかし、実はランニングを行うと筋肉は落ちてしまうので、ボディメイクやダイエットにとって効率よく効果を発揮できる方法とは言えません。たしかにマラソン選手は筋肉質な体をしていますが、選手たちは総じて走る練習以外にも筋トレを行っています。そこでランニングだけでは筋肉が落ちてしまうのか、それをどのように対策したらいいのかについて紹介します。

まずは、この記事によく出てくる有酸素運動と無酸素運動の違いについて説明します。

(ランニングの消費カロリーについては以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングの消費カロリーを計算!他の運動との比較〜脂肪1kg落とす量まで解説!

有酸素運動は筋肉が落ちやすい?有酸素運動の種類を紹介

有酸素運動とは筋肉を動かす際に、酸素をエネルギーに使いながら軽めもしくは中程度の負荷を持続的にかけていく運動のことを言います。有酸素運動の種類は上記で述べたランニング、またサイクリングやエアロビクスや水泳などがあげられます。もちろん、ランニングより負荷の低いジョギングやウォーキングも有酸素運動に入ります。

有酸素運動時には酸素だけでなく、糖質・脂質・アミノ酸がエネルギーとして使用されます。エネルギーとして使用される順番は、体の中でエネルギーになりやすい糖質が最初に分解されていきます。しかし分解しやすい糖質がなくなってくると、次に脂質と筋肉内にあるアミノ酸からエネルギーを獲得していきます。

(有酸素運動で筋肉が落ちる噂については以下の記事も参考にしてみてください)

有酸素運動で筋肉が落ちる噂は嘘ではない!論文〜落とさないポイントを解説!

無酸素運動はボディメイク・ダイエットに必須!無酸素運動をするとどうなるの?

無酸素運動とは、筋肉運動時にエネルギーとして酸素の代わりに糖質をエネルギーとして使用し、筋肉負荷の強度が高いものです。無酸素運動といえば、筋トレがその代表例としてあげられます。筋トレは筋肉への強度が高いものの、瞬間的に力を入れるので有酸素運動のように連続的な運動ではありません。

無酸素運動をすると体の中では成長ホルモンが多く分泌されます。もちろん有酸素運動でも分泌はされますが、無酸素運動の方が分泌量が多いです。成長ホルモンとは、文字通り体の成長を支える働きを持っており細胞の分裂、増殖、再生を促します。そのため、新陳代謝の活性に効果があるだけでなく筋肉の増加にも効果があるのです。

「走る」は有酸素運動?無酸素運動?

「走る」ということには3つの種類があります。ランニング、ジョギング、全力疾走です。そのうち有酸素運動はランニングとジョギングです。全力疾走は反対の無酸素運動に入ります。トレーニングを始めたばかりの方や走るのに自信のない方は無理せず、ジョギングやウォーキングから始めましょう。

(ランニングとジョギングの違いについては以下の記事も参考にしてみてください)

ランニング・ジョギングの効果は違う?各メリット〜成果UPのやり方まで解説!

ランニングで筋肉が落ちる理由

有酸素運動と無酸素運動の特徴やその働きについて理解できたところで本題のランニングで、なぜ筋肉が落ちるのかという理由を3つあげます。

理由1.エネルギー不足によって筋肉内のアミノ酸を分解するから

有酸素運動に必要なエネルギーの一つにアミノ酸があげられますが、それは筋肉の源です。前述したとおり、有酸素を行うために必要な糖質が不足してくると脂質だけでなく、筋肉内にあるアミノ酸もエネルギーの一つとして分解されていきます。そのため、有酸素運動を続ければ続けるほどアミノ酸が分解され筋肉量が減ることになります。

理由2.コルチゾールが出てしまいたんぱく質が分解されるから

長時間の有酸素運動は体に炎症を起こします。その際に炎症を抑えるホルモンとしてコルチゾールが分泌されます。体の炎症を抑えるためにコルチゾールは、たんぱく質からエネルギーを得ます。そのため、コルチゾールが分泌されるとたんぱく質が分解されるので筋肉量が低下してしまうのです。

理由3.筋肉が増えるための無酸素運動ができなくなるから

ボディメイクやダイエットを行おうとする人、またランニングなどの有酸素運動が好きな方はつい運動量が増えてしまいがちです。量が増えるということは、時間も体力も割かれるので満足のいく無酸素運動ができなくなります。特にランニングは下半身の筋肉を多く使いますので、オーバーワークに気を付けなければなりません。

ランニングで筋肉が増える部位もある

ランニングをすると絶対に筋肉量が減少するのかというとそういうわけではありません。たとえば、ランニング前にしっかり糖質を体の中に補っていたり、アミノ酸を分解されるまで有酸素運動を長く続けたりしなければ、運動で使っている筋肉は鍛えられます。

ランニングで使用している筋肉は?

出典:https://bukiya.net/blog/musclename/

・大腿四頭筋(太もも前側)
・ハムストリングス(太もも裏側)
・大殿筋(お尻)
・下腿三頭筋(ふくらはぎ)
・脊柱起立筋(腰)
・腹直筋(お腹)

主に下半身の筋肉をメインに使っていることになりますが、意外に上半身の筋肉も使っているのです。下半身を使うことで上体のブレが起こることから、姿勢を真っすぐに維持しようとします。その時に、上半身の筋肉を使いますのでランニングを全身運動と位置付ける人もいます。

(ハムストリングの鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ハムストリングスの鍛え方!15種の筋トレ&コツ!自宅でできる自重メニューも多数!

ランニングは筋トレと並行して行うべき!

ランニングと筋トレを並行して行えば、より効率的で効果的なボディメイクやダイエットを行うことができます。自分がどのような運動効果をあげたいかによって、有酸素運動と無酸素運動の順番や時間配分が変わってきます。

例えば、体を太く逞しく見せたい人は、筋肥大をするために有酸素運動を行わず、筋トレのみ行うことが推奨されています。もちろん筋トレをすることで筋肉太りを懸念されている方も、それを防ぐためには運動の順番と時間配分には十分に気をつけてください。

今回は、ボディメイクや痩せることを目的とした人向けに、ランニングしても筋肉を落とさず、また同時に体脂肪を減らすことができる組み合わせを紹介します。

脂肪を落とし筋肉をつけるトレーニングの順番!

無酸素運動を行ってから有酸素運動を行うようにしてください。たとえば、ジムや自宅で筋トレを行った後にランニングやジョギングなどを行いましょう。理由は、より成長ホルモンが分泌される無酸素運動を先に行うことでその後の有酸素運動時により効果的に脂肪が燃焼されるからです。

脂肪を落とし筋肉をつけるトレーニングの時間配分!

・ストレッチ(5分)
・筋トレ(無酸素運動20分)
・ランニングやジョギング(有酸素運動30分)
・ストレッチ(5分)

合計60分が理想です。これより無酸素運動や有酸素運動が長くなってしまうと、次第にアミノ酸が分解されるようになります。筋肉を落とさずに脂肪燃焼が行われるよう、頑張りすぎには注意してください。

(筋トレと有酸素運動の時間配分・順番については以下の記事も参考にしてみてください)

筋トレ×有酸素運動の時間配分・順番は?ダイエットなど目的別に効果的な方法を解説

ランニングと一緒に行う筋トレの選び方

ランニングについては、無酸素運動の後に30分間行うことが目安になるので自分のペースで走るだけです。ボディメイクやダイエットを始めて間もない方は無理にランニングをするのではなく、ジョギングやウォーキングから始めて怪我の無いように気を付けましょう。

これから説明する筋トレは簡単な道具を購入するだけで、家でもできる自重がメインのメニューになっています。ジムに通わなくてもできるので、出費も最小限に抑えることができますし、もしダイエットを継続できなくなっても、またすぐに始めやすいのでまずは家でできる筋トレから頑張ることをオススメします。

よりランニングを楽しみたい方むけ!スクワットで下半身筋トレ

ランニングで使用される下半身の筋肉を鍛えることで、短い時間で長い距離を走ることができるようになります。そうすると日々の成長を感じられ、モチベーションの維持にもつながります。また、下半身の筋肉の量は全体の筋肉量の70%を占めるので、ボディメイクやダイエットにも効果的です。

・ノーマルスクワット
・ナロースクワット
・ワイドスクワット


(基本的なスクワットの方法については以下の記事も参考にしてみてください)

ナロースクワットは太もも前に効果的!自重・器具ありのフォーム〜足幅の違いまで解説!

バランスの良い美しい体に!まんべんなく鍛えられる上半身筋トレ

ランニングに着目してしまうと、どうしても上半身の筋トレの量が減ってしまいます。しかし、下半身ばかり筋肉がついてしまっても見た目のバランスが悪い体つきになってしまうので、必ず筋トレのメニューの中に上半身に効果があるものを入れていきましょう。

・シアンツイストハイパー(腹筋・体幹)
・ヒンズープッシュアップ(胸・腕)
・デクラインプッシュアップ(胸・腕・肩)

(上半身の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

上半身の筋トレメニュー!自宅&ジム別!初心者向けに魅せる身体を作るコツを徹底解説

ランニングでの筋肉痛について

普段運動をしない人がボディメイクやダイエットのためにランニングを始めると高確率で筋肉痛に襲われることとなるでしょう。特に下半身は使う筋肉も多いので筋肉痛になる範囲が広くなるかもしれません。そんな時はどのように筋肉痛を回復したらいいのか、また有酸素運動や無酸素運動は行っていいのかについて紹介します。

ランニングをすると筋肉痛になりやすい下半身の筋肉

ランニングは上記でも述べたように下半身と上半身、両方の筋肉を使います。そのなかでも下半身の筋肉への負荷が大きく、特にふくらはぎ、太もも、お尻の筋肉をよく使っているので、この3つの部位が筋肉痛になりやすいです。

筋肉痛が起きているときは休むべき?回復方法は?

ランニングや筋トレで筋肉痛が来た場合は、しっかりと休みましょう。なぜなら、筋肉痛は筋肉が疲労している状態のため、そのまま有酸素運動や無酸素運動を行うと怪我につながる恐れがあります。また、筋肉痛の部位をいくらトレーニングしても最大限の力を発揮できず、ボディメイクやダイエットの効果は弱いです。

(ランニングによる筋肉痛については以下の記事も参考にしてみてください)

ランニングで筋肉痛になる部位は?原因〜予防&回復方法、継続判断まで解説!

ランニングと筋肉の関係性を理解してトレーニングしよう

ランニングだけでボディメイクや痩せることは実現できません。ランニングと併せてしっかりと無酸素運動を行ことで、筋肉がつき基礎代謝があがって脂肪燃焼が実現できたり、美しいボディラインを生み出すのです。やみくもに頑張ってみるのではなく、きちんとランニングと筋肉の関係性を理解しトレーニングを行えば、よりはやく結果を出せるでしょう。

そして、体重や体脂肪率を数字だけで管理するのではなく実際に自分の体を鏡で見ることも大切です。筋肉が落ちないように監視し、また筋肉の付き方がどのように変わっていくのかは体重計では測ることができません。モチベーションの維持にも繋がりますので定期的に自分の体を見てみましょう。