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ミリタリープレスのやり方!肩をデカくする手幅・重量など逆三角形ボディへのコツを解説

2020年03月14日

「筋トレをしているのに逆三角形になれない」と悩んでいませんか?今回は逆三角形ボディを作るのに役立つミリタリープレスの効果的なやり方を解説します。また三角筋に効かせるコツや注意点、最適な重量・セット数なども紹介します。肩を大きくしたい人は参考にしてみてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

ミリタリープレスとは?ショルダープレスとの違いも解説

ミリタリープレスとは立ったままバーベルを頭上に挙げる肩の筋トレメニューです。フロントプレスやオーバーヘッドプレスとも呼ばれます。

また似た動作を行う筋トレにショルダープレスもあり、中にはミリタリープレスとの違いが気になる人もいるでしょう。しかし、立って行うショルダープレスのことをミリタリープレスと呼ぶだけなのです。実際、上半身と下半身を連動させて行うこと以外にはほとんど動きやフォームに違いはありません。

今回はそんなミリタリープレスの効果的なやり方や肩に効かせるコツ、注意点などを解説します。それでは最初にミリタリープレスで鍛えられる筋肉の部位や得られる効果から見ていきましょう。

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(マシンショルダープレスのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)

ミリタリープレスで鍛えられる筋肉部位、得られる効果

ミリタリープレスで鍛えられる筋肉の部位は以下の4つあります。

・三角筋前部
・上腕三頭筋
・僧帽筋
・ローテーターカフ

それではそれぞれがどのような筋肉なのか、得られる効果と合わせて解説していきます。

三角筋前部

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-2

三角筋前部は鎖骨から上腕骨まで付いている筋肉です。腕を前へ上げたり、内側に閉じたりする作用を持っています。

そしてミリタリープレスでこの三角筋前部を鍛えると肩の前面を中心に厚みと丸みが生まれて、体の厚みや幅を増やす効果が得られます。また筋肉が固まるのを防いで、肩こりの予防・改善効果も期待できるのです。

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(三角筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

上腕三頭筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-3

上腕三頭筋は肩甲骨や上腕骨の上の部分から尺骨肘頭にまで付いている筋肉です。主に肘を伸ばしたり、上腕を内転させる作用を持っています。

上腕三頭筋は腕の中で最大の筋肉なので、鍛えると太い腕を作りやすいメリットがあるのです。女性の場合は引き締まった腕になるのが大きなメリットと言えるでしょう。

(上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

僧帽筋

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html#chapter-4

僧帽筋は後頭骨や頸椎などから肩峰まで覆うように付いている筋肉です。主に腕を上に引き上げる作用を持っています。

この僧帽筋を鍛えると背中の厚みを増やしたり、首を正しい位置に戻し姿勢を改善する効果などが得られます。また三角筋と同じように肩や首のこりを改善する効果も期待できるのです。

(僧帽筋の鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ローテーターカフ

出典:https://www.sfphes.org/2019/08/musclename.html

ローテーターカフとは回旋筋腱板とも呼ばれており、肩の内側に付いている筋肉です。主に肩を外転・内転させる作用を持っています。

このローテーターカフを鍛えておくと上腕骨と肩関節の繋がりが強くなって、肩の動きが安定しやすくなる効果があります。また脱臼などの肩関節の怪我の予防効果もあるのです。そのため肩を動かすスポーツをしている人はもちろん、肩の筋トレをする人も十分に鍛える価値がある筋肉なのです。

(ローテーターカフの鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)

ミリタリープレスの効果的なやり方

それでは次にミリタリープレスの効果的なやり方を解説します。間違ったやり方では手首や肘・腰を痛めることもあるので、ここでしっかりと正しいフォームを確認しておきましょう。

①バーベルを担ぐ

まずはバーベルをスクワットと同様の高さにセットします。そしてフロントスクワットのように身体の前でバーベルを担ぎましょう。またこの時、バーは親指も使ってしっかりと握るようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

バーベルを担ぐ時は親指を使わない「サムレスグリップ」にならないように気を付けてください。この方法では手から滑り落ちて怪我をしてしまう可能性があります。

②鎖骨上から頭上まで挙げる

バーベルを鎖骨の上から頭上まで挙げていきます。この時、バーがアゴに当たらないように股関節と胸椎部分を伸展してうまくバーをかわしましょう。そして頭上まで行ったところで骨で支えるようなポジションを作ります。

③バーベルを降ろす

次にバーベルを降ろしていきます。バーを降ろす位置は鼻からアゴくらいの高さが目安です。後は同じ動作を繰り返します。

ちなみに1レップ目くらいは脚の筋肉を使わず行うと、三角筋の筋肥大に効果があるのでおすすめです。

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ずーみー(泉風雅)

毎回鎖骨まで降ろす方法もあります。鎖骨まで降ろすと脚を使っての運動になるので、下半身で生まれたパワーを上半身に伝える練習としておすすめです。

ミリタリープレスのコツ&注意点

ミリタリープレスを効果的に行うためのコツ・注意点は以下の3つあります。

①バーの持ち方を間違えると手首が痛くなる
②肘が前に出ると肘が痛くなる
③腰を反らせると腰が痛くなる

それでは①から順番に詳しく確認していきましょう。

①バーの持ち方を間違えると手首が痛くなる

ミリタリープレスでは手首が痛くなる問題がよく起きます。これはバーの持ち方が間違っていることが主な原因です。画像のようにバーを手のひらに載せてしまうと手首が反り過ぎてしまって、痛みが出てしまうのです。

手首を負担をなくすためにはバーは画像のように手の根本に載せる方法が有効です。この持ち方だと手首が過剰に反り返らず、痛みを回避できます。

②肘が前に出ると肘が痛くなる

ミリタリープレスでは肘がバーよりも前に出てしまわないように注意しないといけません。なぜなら上腕三頭筋にかかる負荷が増えすぎて、肘を痛めてしまう可能性があるからです。

上腕三頭筋への負担を減らすためには画像のように肘を常にバーの真下にキープしておくのが効果的です。また痛みを防ぐだけでなく三角筋に効かせるためにも動作中は常に肘の位置をバーの真下に維持しておきましょう。

ちなみに肘をバーの真下に維持するためには、ある程度肩の柔軟性も必要です。そのため日ごろから肩のストレッチをして、柔軟性を高めておくと良いでしょう。

③腰を反らせると腰が痛くなる

腰を痛めやすいのもミリタリープレスのよくある問題です。これはバーをよける時に、画像のように胸ではなく腰から上半身全体を反らせているのが原因である可能性が高いです。

腰を反らせないためにも動作中は腹部に力をしっかりと入れて上半身を真っ直ぐに固定するように意識してください。腹圧を高めるためのベルトを着用するのも良いでしょう。

(トレーニングベルトについては以下の記事も参考にしてみてください)

ミリタリープレスの最適な重量・回数・セット数

ミリタリープレスを行う上で最適な重量・回数は筋トレの目的によって変わります。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来るまでの重量が目安です。ただし、筋肥大を目的とする場合は軽重量・高回数でも限界まで行えば同等の効果が得られます。

セット数についてもトレーニーとしてのレベルによって変わります。初心者の方は週1回・3セット、上級者の方は週2回・6セット程度がおすすめです。トレーニングステータスが上がっていくにしたがって、頻度・セット数を徐々に増やしていきましょう。

ちなみに週1回よりも2回の方が効果があるされています。しかし、週3回以上がさらに効果を生むというわけではないので、やり過ぎによるオーバーワークには注意してください。

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ずーみー(泉風雅)

どんな目的でも「正しいフォーム」を意識して限界まで追い込むことが最も重要です。

【応用メニュー】ミリタリープレスの種類別のやり方

ミリタリープレスには以下のようにダンベルやマシンを使った応用メニューもあります。

①シーテッドミリタリープレス
②スミスマシンミリタリープレス
③ダンベルミリタリープレス
④マシンミリタリープレス

これからそれぞれのやり方や効果を解説しますので、興味があれば取り組んでみてください。

①シーデッドミリタリープレス

シーデッドミリタリープレスは、座って行うミリタリープレスです。座って行う分、腰への負担を軽減できるのが大きなメリットです。また上半身の他の部位や脚の力をあまり使わないため、三角筋へ集中的に刺激を与えられるメリットもあります。

▼シーテッドミリタリープレスのやり方

①インクラインベンチを90度よりも1段下げる
②ベンチに座り、バーを鎖骨あたりの高さで担ぐ
③頭上にバーを押し挙げる
④鼻からアゴの高さまでバーを降ろす

重量や回数は目的別で設定します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来るまでの重量が目安です。セット数については初心者は週1回・3セット、上級者は週2回・6セットがおすすめです。

▼シーテッドミリタリープレスのコツ&注意点

・肘を開きすぎない
・挙げる時に肘を完全に伸ばして負荷を逃がさない

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ずーみー(泉風雅)

立って行うミリタリープレスよりも体幹への刺激は弱いので、体幹強化を狙う場合はこの方法はあまりおすすめしません。

②スミスマシンミリタリープレス

スミスマシンミリタリープレスでは名前の通り、スミスマシンを使います。スミスマシンは軌道が固定されているため、シーテッドミリタリープレスよりもさらに安定して動作を行えます。力を出すのに集中したい方やバーベルでは動作が難しい初心者などにおすすめです。

▼スミスマシンミリタリープレスのやり方

①バーが身体の前を通る位置に立つ
②バーを鎖骨あたりの高さで担ぐ
③頭上にバーを押し挙げる
④鼻からアゴの高さまでバーを降ろす

重量や回数は目的別で設定します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来るまでの重量が目安です。セット数については初心者は週1回・3セット、上級者は週2回・6セットがおすすめです。

▼スミスマシンミリタリープレスのコツ&注意点

・力が出なくなるので肘を下げ過ぎない
・上半身を反ったり、丸めたりしない

③ダンベルミリタリープレス

ダンベルミリタリープレスはダンベルを使って行うミリタリープレスです。バーベルよりも不安定なので、ローテーターカフにより強い刺激を与えられるのがメリットです。また挙げる時に顔をよける必要がないのも大きな特徴です。ちなみにダンベルの代わりにケトルベルも使うこともできます。

▼ダンベルミリタリープレスのやり方

①インクラインベンチを90度よりも1段下げる
②ベンチに座り、ダンベルを耳の真横に持ち上げる
③頭上にバーを押し挙げる
④上腕が地面と水平になる高さまでバーを降ろす

重量や回数は目的別で設定します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来るまでの重量が目安です。セット数については初心者は週1回・3セット、上級者は週2回・6セットがおすすめです。

▼ダンベルミリタリープレスのコツ&注意点

・肘は常にダンベルの真下に来るように調整
・挙げる時に肩幅よりも手幅を狭めない

④マシンミリタリープレス

マシンミリタリープレスは、マシンショルダープレスとも呼ばれています。そして名前の通り、マシンを使ってミリタリープレスを行います。スミスマシンと同様に軌道が決まっていて、動作を安定させられるのがメリットです。力を出すことに集中したい方には特におすすめです。

▼マシンミリタリープレスのやり方

①背中とお尻をしっかりとシートに付ける
②グリップが肩の高さになるように椅子を調整
③肩幅よりも広めにグリップを握る
④グリップを肘が伸びきるまで上に押し挙げる
⑤鎖骨付近までグリップを降ろす

重量や回数は目的別で設定します。筋力アップなら1回から6回、筋肥大なら6回から12回、筋持久力アップなら15回以上で限界が来るまでの重量が目安です。セット数については初心者は週1回・3セット、上級者は週2回・6セットがおすすめです。

▼マシンミリタリープレスのコツ&注意点

・上半身を反ったり、丸めたりしない
・挙げる時に息を吐き、降ろす時に息を吸う

ミリタリープレスの効果を高める為のポイント

最後にミリタリープレスを効果をさらに高めるための以下のポイントについて解説します。

・バーベルやダンベルを重くし過ぎない
・ラットプルダウンや懸垂と一緒に行う

それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。

バーベルやダンベルを重くし過ぎない

ミリタリープレスは上半身のコンパウンド種目なので、高重量を扱いやすいです。しかし、無理にバーベルやダンベルを重くし過ぎるのは避けてください。重くし過ぎると可動範囲が狭くなったり、フォームが崩れて筋肉や関節を痛める原因にもなります。

安全に効果を引き出すためにも、自分の力に合った重量でトレーニングするようにしましょう。

ラットプルダウンや懸垂と一緒に行う

ミリタリープレスはプッシュ系種目と一緒に行われることが多いです。しかし、ラットプルダウンや懸垂などのプルダウン種目も一緒に行うメニューとしておすすめします。なぜならプルダウン種目ではミリタリープレスにおける三角筋などの主動筋に対する拮抗筋が鍛えられるからです。

主動筋と拮抗筋を同時に鍛えると筋肉のバランスが整い、より綺麗な肉体を作ることができます。また怪我の予防や主動筋のパフォーマンスアップなどの効果もあるのです。ミリタリープレスと一緒に行うメニューに迷っている方はぜひ試してみてください。

(一緒に行うと効果的なメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)

ミリタリープレスで三角筋(肩)を鍛えて逆三角形ボディに

ミリタリープレスは三角筋前部を鍛えるのに効果的な筋トレです。また基本のフォームでは全身の連動性を高める効果も期待できます。最後に紹介したプルダウン種目やその他の三角筋の筋トレと一緒に取り組んで、効率的に逆三角形の上半身を作っていきましょう。

(三角筋や肩部分を鍛えるトレーニングについては以下の記事も参考にしてみてください)