脚の筋肉の構造
脚の筋肉は立ち上がる・歩く・走るといった、生活を送るうえで欠かせない動作に関わっています。脚には大きな筋肉から小さな筋肉まで、11種類の筋肉があります。脚の付け根から足首まで続く筋肉は存在せず、膝を境に「大腿部」「下腿部」の2部位で筋肉が構成されています。
大腿部
大腿部は脚の付け根から膝までの部位。一般的に太ももと呼ばれている部位です。大腿部には身体で一番大きな筋肉群があり、脚を上げる・脚を前後させる・膝関節を曲げる・膝関節を伸ばす、などの動作に関係しています。さらに、立位状態のときにバランスを取って身体を支える働きにも使われている筋肉です。
(太ももの筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
太ももの筋トレメニュー!下半身を細く・太くしたい目的別にコツを解説
出典:Slope[スロープ]
下腿部
下腿部は膝から足首までの部位。一般的に脛やふくらはぎと呼ばれている部位です。下腿部には大腿部ほどの大きな筋肉はありませんが、つま先の上下・踵の上下・足首を回す、などの細かい動作に関係しています。下腿部の筋肉も大腿部と同様にバランスや身体を支える働きに関与。
筋トレメニューからみたい方はこちら(ふくらはぎの筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
ふくらはぎの筋トレメニュー!細く・太くの目的別に効果UPの鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
脚の筋肉の部位別の名前&作用
脚には大きく分けて11種類の筋肉が存在しており、それぞれが重要な作用をもたらしています。
・ハムストリングス
・大腿四頭筋
・下腿三頭筋
・前脛骨筋
・後脛骨筋
・腓骨筋群
・長母趾伸筋
・長母趾屈筋
・長趾屈筋
・長趾伸筋
・足底筋
これらの脚の筋肉がどのように作用しているのか、名前や構造と共に解説していきます。
ハムストリングス
ハムストリングスは脚の太ももの裏面に位置している大きな筋肉群です。ハムストリングスという名前は筋肉名ではなく、大腿二頭筋と半膜様筋・半腱様筋から形成されている筋肉群の総じて呼ばれている名称。主な作用は股関節の動作で、股関節を伸展させて脚を後ろに下げたり、股関節を内旋させて脚を内側に捻ねったりという動きに作用。
また、膝関節を屈曲・内旋にも関わっているため、膝を曲げたり膝を股関節の内側に向ける動作にもハムストリングスの筋肉が使われています。
(ハムストリングスの鍛え方については以下の記事も参考にしてみてください)
ハムストリングスの鍛え方!15種の筋トレ&コツ!自宅でできる自重メニューも多数!
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大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前面に位置する筋肉群。腸骨から脛骨まで伸びており、身体にある筋肉のなかでも一番体積の大きい部位です。大腿直筋と外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つの筋肉で形成された筋肉群の総称が大腿四頭筋という名前で呼ばれています。
主な作用は股関節と膝関節の動作です。股関節を屈曲させて脚を前に動かしたり、膝関節を伸展させて膝を伸ばしたりという動きに関わっています。対となる筋肉であるハムストリングスと逆の動作に作用するのが大腿四頭筋というわけです。
また、股関節の外転や外旋にも使われている筋肉なので、脚を外側に広げるときにも働きます。
(大腿四頭筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大腿四頭筋の筋トレメニュー!自重〜ジムまで!太もも前を鍛えるコツを徹底解説!
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下腿三頭筋
下腿三頭筋は一般的にふくらはぎと呼ばれている部位に位置する筋肉です。腓腹筋外側頭・腓腹筋内側頭とヒラメ筋から構成されている筋肉群で、膝裏の大腿骨から踵裏の踵骨まで伸びています。下腿三頭筋の主な作用は足関節の底屈。つま先を下げたり足の指を曲げたりする動きに下腿三頭筋が関わってきます。
下腿三頭筋のなかの腓腹筋は、底屈だけでなく膝関節の屈曲にも作用するため、膝を曲げるときにも働いています。
(ふくらはぎを鍛えるスタンディングカーフレイズのやり方については以下の記事も参考にしてみてください)
スタンディングカーフレイズのやり方!綺麗なふくらはぎを作るコツ!ダンベル・マシンなど種類も
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前脛骨筋
前脛骨筋は下腿の前面、一般的に脛と呼ばれている部位に位置する筋肉です。脛骨から中足骨底まで伸びています。前脛骨筋の主な作用は脚関節の背屈。つま先を上げる動作に関わっているため、歩く・走るといった動作に必要不可欠な筋肉です。
筋トレメニューからみたい方はこちら(前脛骨筋の筋トレ&ストレッチメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
前脛骨筋の筋トレ&ストレッチメニュー!構造・作用〜鍛え方のコツまで徹底解説
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後脛骨筋
後脛骨筋は下腿部のふくらはぎ位置しており、脛骨と腓骨の膜から踵にある舟状骨まで伸びています。主な作用は足関節の底屈で、下腿三頭筋と同じくつま先を下げる動きに関わっている筋肉です。日常生活では、つま先立ちするときに働きます。
腓骨筋群
腓骨筋群は長腓骨筋・短腓骨筋・第3腓骨筋の3つの筋肉で構成されている筋肉群です。下腿部の外側に位置しており、腓骨下部から中足骨底まで伸びています。腓骨筋群の主な作用は足関節の底屈と外反。つま先を下げたり、足を外側に向けたりする動きに関わっています。
筋トレメニューからみたい方はこちら長母趾伸筋
長母趾伸筋は下腿部の外側に位置する腓骨の内側から、親指の末節骨底まで伸びている下腿部の筋肉です。脚の親指に関わる筋肉なので、親指を上げたり足関節を内反させたりする動きに関わっています。
長母趾屈筋
長母趾屈筋は腓骨の後面から踵側と足裏を通って、親指まで伸びている筋肉です。長母趾伸筋と同じく足関節を内反させる動きに作用していますが親指に関しては逆で、親指を下げる動きに関わっています。
長趾屈筋
長趾屈筋は脛骨の後面から踵を通って、親指以外の足指に伸びている細かい筋肉です。足指に繋がる屈筋なので、指を曲げる屈曲の動作に関わっています。また、足関節の足底や内反を行うときにも働きます。
長趾伸筋
長趾伸筋は脛骨と腓骨の間から親指以外の足指に伸びている筋肉です。長趾屈筋は足裏を通る筋肉ですが、長趾伸筋は足の甲を通ている筋肉。伸筋なので足指を持ち上げたり、足を上げたり外反させる動作に作用しています。
足底筋
足底筋は膝裏の大腿骨から踵を通って踵骨まで伸びている筋肉です。ふくらはぎに位置する下腿三頭筋の深層部にあります。膝を曲げる動作や足関節の底屈に関わっていますが、深い位置にある筋肉なのでとても細く繊細。その分影響力も少なめです。
脚の筋肉の部位別の筋トレメニュー
脚の筋肉の名前と作用を確認したところで、次に脚の筋肉を鍛えられる筋トレメニューを紹介していきます。脚の筋肉別に特化した筋トレメニューなので、鍛えたい部位を確認してトレーニング内容に組み込んでみてください。
ハムストリングスの筋トレメニュー:デッドリフト
デッドリフトはバーベルを引き上げて上下運動させる筋トレメニュー。脚の裏にあるハムストリングスや背中にある脊柱起立筋群など、身体後面を広範囲で鍛えることができます。また、デッドリフトは筋トレBIG3のひとつに数えられており、全身の筋肉をバランス良く鍛えられる優秀な種目です。
ずーみー(泉風雅)
デッドリフトは脊柱起立筋群やハムストリングス・大殿筋などの、バックラインの筋肉を鍛えていくことができます。バックラインの筋肉は様々なスポーツ動作に関係する重要な筋肉といえます。
(デッドリフトについては以下の記事も参考にしてみてください)
デッドリフトの正しいフォーム!種類別の効果UPのコツ&腰を痛めない注意点を解説
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ハムストリングスの筋トレメニュー:ダンベルスクワット
ダンベルスクワットはダンベルを両手に持って、上下運動のスクワットを行う筋トレメニュー。脚のハムストリングスに刺激を与えることができます。バーベルよりも負荷が少なく手軽にチャレンジできるため、筋トレ初心者や女性の方で脚の筋肉を鍛えたい場合におすすめです。
ずーみー(泉風雅)
ダンベルスクワットは家にバーベルが無いという方でも、スクワットに負荷を追加できます。しっかりと腹圧をかけて、お尻を引くように動作を行うのがポイントです。ローバースタイルのスクワットのように、前傾姿勢で行うことができ、重心位置がそれよりも低くなるため安定した動作でトライできます。
(ダンベルスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)
ハムストリングスの筋トレメニュー:フロントランジ
フロントランジはハムストリングスや大殿筋に強い負荷をかけられる筋トレメニュー。脚のなかでも太ももを中心に鍛えたいという方におすすめの種目です。バーベルやダンベルを使わず自重で行うため、自宅でも簡単にチャレンジできるのでおすすめ。
ずーみー(泉風雅)
ラウンジ系の種目は脚の筋肉にスクワットとは違った刺激を与えることができます。脚を大きく前後に開いた状態で行う種目のため、体幹部の筋肉への刺激も異なります。体幹がねじれようとする力に対抗するような形になるのです。
また、脚やお尻を全体的に鍛えることはもちろん、ストレングスを強い動きに繋げていく連動の基礎練習としても利用できます。
(ダンベルスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)
フロントランジの効果&やり方!短期間で下半身痩せ!太もも・お尻に効かせるコツを解説
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大腿四頭筋の筋トレメニュー:シシースクワット
シシースクワットは膝のみを前に出して上下運動する筋トレメニュー。脚の筋肉の大腿四頭筋に刺激を与えて鍛えられる種目なので、太ももまわりを鍛えたい方におすすめです。大腿四頭筋のなかでも特に大腿直筋を重点的に負荷がかけられます。
ずーみー(泉風雅)
大腿四頭筋のストレッチ種目は珍しく、ストレッチ刺激は筋肉を発達させるためにとても重要なので重宝したい種目です。股関節が伸展位であるため、大腿直筋に最大限のストレッチ負荷を加えられる点が大きな特徴。脚のトレーニングはキツいものが多いため、大きな大腿四頭筋を手に入れている方は少なめです。差別化を図りたい方におすすめ。
(シシースクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)
シシースクワットのやり方!膝を痛めず、大腿四頭筋に効かせるコツを解説
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大殿四頭筋の筋トレメニュー:レッグエクステンション
レッグエクステンションはマシンを使用して、膝の曲げ伸ばし運動を繰り返し行う筋トレメニュー。膝の屈伸に関与している脚の筋肉、大腿四頭筋に強い負荷をかけることができます。マシンを使うので、ジムで本格的に脚を鍛えたいという方におすすめの種目です。
ずーみー(泉風雅)
レッグエクステンションは膝の曲げ伸ばしによって大腿四頭筋に負荷をかけていきます。特に大腿直筋に聞きやすいといわれています。レッグエクステンションと同様に膝の曲げ伸ばしを行うレッグカールは、膝を曲げる方向に対して負荷がかかるため、ハムストリングスを鍛えることができます。
(レッグエクステンションについては以下の記事も参考にしてみてください)
レッグエクステンションのやり方!太もも前の筋肥大に効果的!自宅代用メニューも紹介
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大腿四頭筋の筋トレメニュー:スプリットスクワット
スプリットスクワットは大腿四頭筋やハムストリングスに強い負荷がかかる筋トレメニュー。脚の筋肉で太ももまわりを重点的に鍛えたい方におすすめです。スプリットスタンスで行う上下運動なので、脚全体をバランスよく鍛えることができます。
ずーみー(泉風雅)
レッグランジとバックランジの中間に位置しており、脚を動かさない特徴があります。可動域が狭くなるデメリットがあるため、それぞれの利点を考えてバランスの良いトレーニングメニューを組みましょう。
(スプリットスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)
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下腿三頭筋の筋トレメニュー:シーテッドカーフレイズ
シーテッドカーフレイズは脚のヒラメ筋や腓腹筋といった下腿三頭筋に負荷をかけられる筋トレメニュー。ウェイトを使わずに座った状態で行えるトレーニングなので、自宅や出先でも簡単に行える点が魅力です。座った状態で脚を上下させるだけなので、筋トレ初心者の方も気軽にチャレンジできます。
ずーみー(泉風雅)
ヒラメ筋を大きくするには高重量または高回数で行うことが挙げられます。高回数で行う場合でも、重量を下げすぎないようにしましょう。
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下腿三頭筋の筋トレメニュー:ドンキーカーフレイズ
ドンキーカーフレイズは脚の下腿三頭筋に負荷をかけられる筋トレメニュー。主に腓腹筋とヒラメ筋を効果的に鍛えることができるため、脚のなかでふくらはぎを鍛えたいという方におすすめです。通常のカーフレイズと比べて、腓腹筋に大きくテンションをかけられます。
ずーみー(泉風雅)
スタートポジションのときにつま先をまっすぐ揃えるか、少し内側に入れて立つことで、腓腹筋の外側の活動を大きくすることができます。ハの字型につま先を開くと腓腹筋の内側の活動が大きくなります。
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下腿三頭筋の筋トレメニュー:ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは一般的なスクワッドにジャンプ運動をプラスした筋トレメニュー。通常のスクワットでは脚のふくらはぎの筋肉への負荷は少ないですが、ジャンプが加わることでふくらはぎに強い刺激がプラスされます。
深くしゃがんで高い位置までジャンプするという動作を繰り返し行うため、脚の筋肉を鍛えるだけでなく瞬発力向上や脚痩せにも良いとされています。
ずーみー(泉風雅)
ジャンピングスクワットで膝を痛めてしまうという方は、着地するときに膝が前に出ていたり、膝が内側に入ってしまっている場合が考えられます。つま先と膝の向きが一致するような身体づくりをしてください。
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前脛骨筋の筋トレメニュー:トゥレイズ
トゥレイズは脚の脛に位置する前脛骨筋を鍛えられる筋トレメニュー。つま先を上下させる単純な運動の繰り返しですが、脚の脛を鍛えられる筋トレは少ないので貴重な種目です。トゥレイズは立った状態でも座った状態でも行えるトレーニングなので、自宅や出先で簡単にチャレンジできます。
ずーみー(泉風雅)
前脛骨筋を鍛えることで、歩くときに疲れにくい脚を手に入れることができます。負荷を大きくしたい場合は、ダンベルやチューブを駆使してトレーニングを行うのもおすすめです。
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複雑な脚の筋肉の名前&作用を完璧に覚えよう!
脚には細かく複雑な筋肉がたくさんあります。筋肉の名前や作用を覚えて、自身がどの筋トレメニューを行うべきか見極める素材にしてください。太ももを鍛える筋トレは複数存在しますが、ふくらはぎを鍛えられる筋トレは少なめなので、筋トレの質を上げて特定の種目だけで鍛えられるようにしましょう。
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