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小腰筋の筋トレ&ストレッチメニュー!構造・作用〜鍛え方のコツまで解説

2020年05月04日

小腰筋は50%の割合で欠如がみられる筋肉ですが、その有無によって生活に支障が出ることはない特殊な筋肉です。この記事では、小腰筋を鍛えるトレーニングやストレッチを解説します。自重トレーニングやダンベルを使用する種目など幅広く紹介するので、参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

小腰筋の構造・作用

出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html

小腰筋は腹部から股関節にかけて伸びている細い筋肉で、大腰筋腸骨筋とともに腸腰筋を構成する筋肉です。インナーマッスルに分類され、体を曲げる際に大腰筋や腸骨筋をサポートする働きがあります。

ただ、50%の割合で欠如がみられる筋肉なので小腰筋がない人もたくさんいます。小腰筋の有無によって体の動きやスポーツの動作に影響が出ることはないため、必要のない筋肉とも言われています。ではまず、小腰筋のトレーニングを行うメリットから見ていきましょう。

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小腰筋を鍛える・柔軟にするメリット

小腰筋は、インナーマッスルである腸腰筋のなかでもさらに奥にある筋肉なので、小腰筋を鍛えたことによる効果は目で見てもわかりません。ただ、小腰筋が含まれる腸腰筋はの動作に関わる重要な筋肉なので、総合的に見ると以下のようなメリットがあります。

・バランス・スタイルの良い身体を作る
・転倒によるケガなどを防ぐことができる
・腰痛の予防になる

小腰筋を含む腸腰筋は、骨盤や股関節にも繋がっています。腸腰筋を鍛えると骨盤が安定し、姿勢が良くなります。また、内臓の位置を正しくする効果も見込めるので、ぽっこりと出てしまっているお腹をへこませることも期待できます。

さらに、小腰筋は股関節の動きにも関与しています。股関節の動きが悪くなるとつまずきやすくなり、転倒することもあります。小腰筋などを鍛えれば、下半身の動きが良くなり、こうしたトラブルが回避できるのです。なお、腸腰筋が硬くなると腰痛になることがあります。小腰筋をはじめとする腸腰筋を鍛えておけば、腰痛を未然に防ぐことにも繋がります。

小腰筋のトレーニングメニュー

ここからは小腰筋を鍛える筋トレを紹介します。自宅でも取り組むことができる自重トレーニングや、ダンベルなどの器具を使ったトレーニングもあるので、自分に合った小腰筋の筋トレ種目を見つけてください。

小腰筋の筋トレメニュー①レッグレイズ

レッグレイズは小腰筋や大腰筋を含む腸腰筋や腹筋全般のほか、下半身も鍛えられるトレーニングです。器具を必要とせず、場所も取らないので、手軽にシェイプアップしたい方はぜひ試してください。

▼レッグレイズのやり方

①マットやタオルを床に引き、その上で仰向けに寝転がる
②体に対して直角になるように脚を持ち上げる
③脚を元の位置に戻す

レッグレイズの最適な回数は、正しいフォームで行える限界の回数です。疲れてきてフォームが崩れる前に止めるようにしましょう。また、最適なセット数は、トレーニングのステータスによって変わります。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットを目安にしてください。

▼レッグレイズのコツ&注意点

・腰が反らないようにする
上半身が浮くときは、壁に手をつくか支柱を掴んで行う

どうしても腰が反ってしまう方や、太ももの前側が疲れて痛くなってしまう方は、無理に続けずに後述するニーレイズに切り替えましょう。

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ずーみー(泉風雅)

慣れてきたら、椅子やベンチを使用して可動域を広くとり、負荷を高めることもできます。

(レッグレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー②ニーレイズ

二―レイズは腹直筋や大腰筋、小腰筋などを鍛えるトレーニングです。脚を伸ばしたまま上げるレッグレイズよりも負荷が軽いため、筋トレ初心者や女性の方でも簡単に取り組むことができます。

▼ニーレイズのやり方

①マットやタオルを敷きその上で仰向けに寝転がる
②膝を軽く曲げ、脚を上げていく
③脚を元の位置に戻す

ニーレイズの最適な回数は、レッグレイズと同様に正しいフォームで行える限界の回数です。セット数も同じく、トレーニングのステータスに応じて変えてください。

▼ニーレイズのコツ&注意点

・目線は自分のヘソを覗き込むようにする

トレーニング中に背中の上側が浮かないように気を付けましょう。どうしても浮いてしまうようなら机の脚などを掴んで対処してください。

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ずーみー(泉風雅)

二―レイズにも、椅子やベンチを使ったバリエーションがあります。また、専用のマシンを使用すれば、立った状態で行うこともできます。

(二―レイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー③バイシクルクランチ

バイシクルクランチは、小腰筋を含む腸腰筋のほか、腹斜筋、腹直筋なども鍛えることができるトレーニングです。フォームが崩れると効果が薄れてしまうので、正しいフォームを意識して行ってください。

▼バイシクルクランチのやり方

①仰向けに寝て手を頭の後ろに置き、上体を軽く起こす
②肘と膝をクロスさせるようにくっつける
③元に戻し、逆も同じようにやる

バイシクルクランチの最適な回数は、他の自重トレーニングと同じく正しいフォームで行える限界の回数です。セット数も同様に、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットがおすすめです。

▼バイシクルクランチのコツ&注意点

・背中全体が床につかないようにする
・腰が浮かないようにする

肘と膝がくっつかないという方は、筋力の弱さに原因があると考えられます。通常のクランチなどを行って筋力を高めてからまた挑戦してみましょう。

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ずーみー(泉風雅)

背中が床に付いていたり、腰が反っていたりすると、腹筋への効果が薄れてしまいます。腸腰筋とともに腹筋もバランス良く鍛えるには、正しいフォームを意識して行ってください。

(バイシクルクランチについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー④ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは、自宅でできる上に消費カロリーも高いため、ダイエット効果も期待できるトレーニングです。台に片足を乗せることにより、小腰筋をはじめとする腸腰筋も鍛えることができます。

▼ブルガリアンスクワットのやり方

①腰より少し低い椅子もしくはベンチを用意する
②椅子に背中を向けて片足の足の甲を椅子にのせる
③しゃがんだときに地面とふくらはぎが垂直になる位置に台を調整する
④胸を張ったまま床についている脚の膝を曲げる
⑤膝を伸ばして元の位置まで戻す
⑥回数をこなしたら脚を変えて行う

自重のみで行うブルガリアンスクワットの最適な回数は、他の自重トレーニングと同様に正しいフォームが保てる限界の回数です。

ダンベルなどを持って負荷をかける場合は、トレーニングの目的に応じて回数を変えてください。筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力アップのためには15回以上が目安です。重量は、その回数で限界が来るものを使用しましょう。セット数は他の種目と同じく、トレーニングのステータスによって決めてください。

▼ブルガリアンスクワットのコツ&注意点

・膝が内側に入らないようにする
・腰が曲がらないようにする

膝が内側に入ってしまう場合、太ももの外側の筋肉が弱っていることが多くあります。無理をせず、フォームを保てる範囲の負荷で行いましょう。

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ずーみー(泉風雅)

腰が曲がってしまうと、小腰筋などに効果的な負荷をかけることができません。両足にバランス良く体重を乗せて、腰が曲がらないようにしましょう。

(ブルガリアンスクワットについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー⑤フロントランジ

フロントランジは小腰筋を含む腸腰筋のほか、お尻や太ももの筋肉にも効果のあるトレーニングです。ランジ系のトレーニングはスクワットとは違った刺激を足の筋肉に与えることができます。

▼フロントランジのやり方

①直立に立つ
②片膝をつくように前に出してしゃがむ
③立ち上がり足を元に戻す

フロントランジを行うときは、はじめは15〜20回行うのを目標にしてください。慣れてきたらダンベルなどを使用して負荷をかけると良いでしょう。セット数は、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットが目安です。

▼フロントランジのコツ&注意点

・膝は真っ直ぐにし、内側や外側にいかないようにする
・腰が反ったり曲がったりしないようにする

上半身は前のめりにならないように意識し、上体を立てたまま行うようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

すべてのランジ動作で共通して意識するポイントは以下の6点です。

①両足にバランスよく重さを乗せる。
②身体が前傾しないようにする。
③腰が反ったり曲がったりしないようにする。
④膝がつま先の向きより内側に入ったり外側に出たりしないようにする。
⑤目線は真っすぐを意識する。
⑥骨盤は傾かないようにする。

(フロントランジについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー⑥ダンベルランジ

ダンベルランジは脚全体や股関節、小腰筋、大腰筋などに効果が期待できるトレーニングです。ダンベルの有無により、フロントランジとは違った負荷を筋肉にかけることができます。

▼ダンベルランジのやり方

①ダンベルを持ち脚を揃えて立つ
②片方の足を前に出し重心を下げ深くしゃがみ込む
③前に出した脚の股関節を使い、片脚立ちの直立姿勢まで戻る
④この動きを繰り返し1セットが終わったらもう片方の脚でやる

ダンベルランジの最適な回数は、筋トレの目的によって変わります。筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力アップのためには15回以上を目安にしてください。重量は、その回数で限界がくるものを扱うのが良いでしょう。セット数は他のトレーニングと同様に、トレーニングのステータスによって決めてください。

▼ダンベルランジのコツ&注意点

・しゃがむときは、前と後ろの膝が90度になるようにする
・足は地面につかないで浮かせたまま行う

フロントランジの項目で紹介した、ランジ系の注意点を守って行うようにしてください。

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ずーみー(泉風雅)

ダンベルランジの正しいフォームを維持するのが難しい場合は、フロントランジなどに変更しましょう。フロントランジも厳しいときは、台などに手をついて行うのがおすすめです。

(ダンベルランジについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋の筋トレメニュー⑦ハンギングレッグレイズ

ハンギングレッグレイズは小腰筋を含む腸腰筋や腹直筋下部などを鍛える種目として人気があります。足を上げる際に股関節の動きだけで行うことを意識すれば、小腰筋などへの効果を高めることができます。

▼ハンギングレッグレイズのやり方

①バーにぶら下がる
②膝を伸ばしたまま脚を上げる
③膝を伸ばしたまま脚を下げる

ハンギングレッグレイズの最適な回数は、他の自重トレーニングと同じように正しいフォームが維持できる限界の回数です。セット数も同様に、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット行うと良いでしょう。

▼ハンギングレッグレイズのコツ&注意点

・身体が揺れないようにする

負荷を上げたいときは、足にメディシンボールバランスボールを挟んで行うこともできます。

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ずーみー(泉風雅)

負荷が高すぎてゆっくりと脚を上下するのが難しいという場合は、脚を曲げて行っても構いません。背中にパッドを付けるバーティカルレッグレイズに変更するのも良いでしょう。

(ハンギングレッグレイズについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

小腰筋のストレッチメニュー

筋トレの後はしっかりストレッチを行いましょう。筋トレばかりしていると小腰筋が硬くなってしまい、ケガの原因にもなります。筋力と柔軟性を持った小腰筋にするためにも運動後のストレッチは重要です。また、小腰筋のトレーニングは大腰筋や股関節に関わる他の筋肉にも負荷をかけているため、これらの筋肉も伸ばすように意識しましょう。

小腰筋のストレッチ①

まずは、ニーアップストレッチを解説します。小腰筋等の腸腰筋や、腹筋の下部などを伸ばすのに適しています。

▼ニーアップストレッチのやり方

①マットやタオルの上で寝転がる
②両手を使い右足の膝をつかみ胸に近づける
③そのまま20~30秒止めて元に戻す
④同様の動きを左足でもやる

▼ニーアップストレッチのコツ&注意点

・曲げている足の逆側はしっかり伸ばす
・呼吸は大きく、ゆっくりと行う

力を入れずにリラックスして行いましょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

このストレッチは骨盤の後傾の意識が重要ですが、伸ばす足はしっかり伸展させないといけません。その時お尻の筋肉を意識して伸ばすと、より効果的に小腰筋のストレッチができます。

小腰筋のストレッチ②

股関節のストレッチは、大腰筋や小腰筋を伸ばすことができますが、こちらは股関節が硬いと痛みが出る場合があるので、できる範囲内で行ってください。

▼股関節ストレッチのやり方

①お尻にヨガブロック(なければ厚めの本)を置く
②息を吸いながら体を揺すって股関節を伸ばす
③息を吐きながら前屈になる
④これを1分の間に3回繰り返す

▼股関節ストレッチのコツ&注意点

・呼吸により伸ばすことを意識する筋肉が違うので気を付ける
・息を吸うときは太ももの裏、お尻の裏を意識して伸ばす
・息を吐くときは股関節を意識する

トレーニングの後に股関節ストレッチを行うことで、ダンベルランジやブルガリアンスクワットの可動域が増えさらに股関節に効かせられるようになります。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

このストレッチでは股関節の動きを出すことが大事です。体が丸くなると、股関節ではなく背骨の動きがメインになるので、骨盤から動かす意識を持ちましょう。

小腰筋のストレッチ③

こちらは股関節と肩甲骨をほぐすストレッチです。内ももからのインナーマッスルにも効果があるので、小腰筋を含む腸腰筋をほぐす効果も期待できます。簡単に全身をほぐすことができるため、トレーニング後だけでなく、同じ姿勢が続いて疲れた時などにも効果的です。

入れストレッチのやり方

①足を肩幅より大きく広げる
②腰を下ろしつま先は外側に向ける手は膝の上にのせる
③体を前傾させて左肩を両足の間に下げるように上体をひねる
④体を戻し、右肩も同じように行う
⑤回数は左右10回ずつ行う

▼肩入れストレッチのコツ&注意点

・肩を入れる時に股関節の筋肉が伸びていることを意識する
・上体を前傾させるときに背筋を曲げないようにする
・肩を入れたときにゆっくり息を吐く

トレーニングで使ったところを伸ばさなければストレッチの意味がありません。股関節に効くように正しいフォームで行いましょう。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

捻るとき、足を開いたまま固定することがこのストレッチのコツです。両手を使って足を外側に押しながら、体の捻りを加えると上手にできます。

小腰筋のストレッチ④

こちらはタオルを使ったストレッチです。体が硬い方や、腰痛持ちの方も簡単に取り組むことができます。

▼腰ひねりストレッチのやり方

①マットやタオルを床に敷きその上に仰向きに寝る
②手にタオルを持ち、左足のももに引っ掛け持ち上げる
③そのままもう右足側に左足を倒して腰をひねる
④この時、上体は天井を向く
⑤元に戻して、もう片足も同じようにやる
⑥片足15秒ずつ行う

▼ひねりストレッチのコツ&注意点

・倒す方向とは逆方向の手と肩が床から離れないように気を付ける
・腰が痛むようなら無理をせずやめる

トレーニングで腰を痛めてしまった方向きのストレッチですが、痛みがあるかないかを判断して無理をしないようにしてください。

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福田翔馬パーソナルトレーナー

足をタオルで引っ張るときに、腰が浮くと腰のストレッチが大きくなります。腰は浮かないように、足だけを動かして股関節を動かすように注意してください。

小腰筋のストレッチ・トレーニングをマスターしよう

小腰筋の筋トレをすると、大腰筋や腸骨筋など他の腸腰筋も鍛えられます。結果として、体幹が強くなり、姿勢の維持や体形を引き締めることにもつながります。筋トレ初心者の方や女性の方でも自宅で手軽に取り組める種目がたくさんあるので、ぜひ毎日のトレーニングに小腰筋の筋トレを取り入れてください。