ボディメイク

筋トレ

僧帽筋の鍛え方!自重〜器具使用の筋トレメニュー&背中をデカくするコツを解説

2020年05月08日

背中を大きくするには僧帽筋の筋トレが欠かせません。この記事では、懸垂などの自重種目から、シュラッグなどのダンベル・バーベル・マシンを使用する種目まで、僧帽筋の筋トレを幅広く解説します。ストレッチも紹介するので、逞しい背中を手に入れたい方は参考にしてください。

【監修】パーソナルトレーナー ずーみー(泉風雅)

【所属】早稲田大学スポーツ科学部、早稲田大学バーベルクラブ、パーソナルトレーナー
【経歴】JOC日本ジュニアボディビル優勝、2018全日本学生ボディビル準優勝、関東学生ボディビル優勝(2年生時での優勝は30年ぶりの快挙)
【SNS】Twitter / YouTube

僧帽筋の構造・作用

出典:https://note.com/seiya_sato/n/naf2996f08ff7

僧帽筋は背中にある大きな筋肉で、上部・中部・下部に分けることができます。それぞれ異なる働きをしていますが、僧帽筋全体としては肩甲骨を動かす働きがあります。それでは、僧帽筋の構造や作用を詳しく見ていきましょう。

僧帽筋上部の構造・作用

僧帽筋上部は、の後ろからまで広がる部分で、肩甲骨を上に持ち上げる動作を担当します。物を持ち上げたり、肩をすくめたりするときに働いています。また、肩こりによる痛みが発生するのもこの僧帽筋の上部です。

僧帽筋中部の構造・作用

僧帽筋中部は、肩甲骨の上の方から肩まで広がっており、肩甲骨の内転という役割を持っています。を張るときなどに使われており、姿勢の維持などにも関与しています。僧帽筋中部の筋力が低下すると、がうまく動かなくなるなどのおそれがあります。

僧帽筋下部の構造・作用

僧帽筋下部は、背中の中央あたりから、横は肩甲骨まで広がる三角形の部位です。肩甲骨を下に下げる働きがあるほか、上に上げたり、寄せたりといった動作にも関与します。僧帽筋上部と影響しあって肩甲骨を安定させる役割も担っています。

筋トレメニューからみたい方はこちら

僧帽筋の筋トレをするメリット

僧帽筋は重要な役割を持つ大きな筋肉なので、鍛えることによりさまざまなメリットがあります。特に、以下の4点が挙げられます。

・大きな背中を手に入れることができる
・姿勢が良くなる
・肩こりが改善される
・四十肩が予防できる

では、僧帽筋を鍛えるメリットを詳しく解説します。

大きな背中を手に入れることができる

僧帽筋は背中にある大きな筋肉です。身体を大きくして男性らしくしたい方は、僧帽筋の筋トレにぜひ取り組んでください。僧帽筋は肩・首・背中にまたがっている筋肉なので、鍛えることにより、後ろから見た姿を男性らしく強化することができます。また、僧帽筋が発達していると横から見ても厚みのある体になるので、服の上からでもたくましさが際立ちます。

姿勢が良くなる

僧帽筋は、首から背中まで広がる筋肉なので、鍛えることにより背筋が伸びて良い姿勢になります。また、猫背の改善も期待できます。背中が丸まってしまう方、猫背に悩んでいる方は、僧帽筋を鍛えましょう。また、僧帽筋を鍛えることで、なで肩の解消も期待できます。ただ、僧帽筋が発達しすぎてもなで肩に見えてしまうので注意してください。

肩こりが改善される

デスクワークやスマートフォンの普及により、顎が突き出た姿勢を長時間続けている人が増えています。こうした姿勢は僧帽筋に負担をかけ、肩こりを起こす原因になります。僧帽筋の筋トレやストレッチを行い、筋力を強化して血流を良くすることで、肩こりの解消が期待できます。

四十肩が予防できる

四十肩とは、腕が肩よりも上がらなくなる状態のことです。関節の炎症や、肩甲骨及び肩の動きに関わる筋肉が硬くなってしまったことが原因と考えられます。肩甲骨を動かす作用がある僧帽筋を鍛えることにより、こうした症状を防ぐことができます。腕が上がらなくなる前に、僧帽筋の筋トレを始めましょう。

【自重編】僧帽筋に効果的な筋トレメニュー&鍛え方のコツ

ここからは僧帽筋の筋トレメニューを解説します。まずは、自重を利用して僧帽筋を鍛える種目から紹介します。フォームが間違っていると効果的に僧帽筋を鍛えられないので、正しいやり方をしっかり確認してください。

僧帽筋の筋トレメニュー①懸垂

懸垂は、全体重を使った高負荷な自重トレーニングです。僧帽筋の下部や広背筋上腕二頭筋腹筋などに効果があります。

▼懸垂のやり方

①手のひらを上にし、肩幅よりも少し広めの手幅で懸垂バーにぶら下がる
②バーを深く握って体を上げる
③体を下ろす

懸垂で僧帽筋を鍛えたいときは、正しいフォームを保つことができる限界の回数を行うと良いでしょう。また、セット数は、筋トレ初心者は週1回3セット、筋トレ上級者は週2回6セット程度を目安にしてください。

▼懸垂のコツ&注意点

・体を下ろすときは、下までおろしきらないようにしましょう
・肩甲骨を寄せ下げる意識で体を上げましょう
・首が反らないようにしましょう

下ろすとき、肘を伸ばしきって下までおろしてしまうと、肩甲骨の内側からテンションが抜けてしまい、再び上げるのが難しくなってしまいます。常に肩甲骨の内側にテンションがかかっているようにして、僧帽筋への効果を意識しながら行いましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

懸垂は負荷の高いトレーニングなので、最初は1回もできないという方も多いです。継続して行ううちに回数をこなせるようになるので、焦らずに筋トレに励みましょう。それでも難しい場合は、斜め懸垂や他の負荷の低いトレーニングに変更して、筋力をつけてからまた挑戦してください。

(懸垂については以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

【ダンベル編】僧帽筋に効果的な筋トレメニュー&鍛え方のコツ

続いては、ダンベルを使用した僧帽筋の筋トレを解説します。自宅でも行える種目が多いですが、僧帽筋や他の筋肉にしっかりと負荷がかかるので、トレーニングのやりすぎには注意してください。

僧帽筋の筋トレメニュー①ダンベルシュラッグ

僧帽筋上部・中部を鍛える筋トレを探しているという方は、ダンベルシュラッグに取り組んでみましょう。シンプルで簡単な動作ですが、僧帽筋の血流が良くなることにより肩こりの改善なども期待できるので、女性にもおすすめです。

▼ダンベルシュラッグのやり方

①ダンベルを両手に持ち、まっすぐ立つ
②肩をすくめるようにして肩甲骨を上に上げる
③スタートポジションに戻る

ダンベルシュラッグにより僧帽筋を鍛えるときの最適な回数は、筋トレの目的によって変わります。筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力アップのためには15回以上を目安にしてください。また、その回数で限界となる重量のダンベルを使用するといいでしょう。

セット数はトレーニングのステータスに応じて設定してください。初心者には週1回3セット、上級者には週2回6セット程度がおすすめです。

▼ダンベルシュラッグのコツ&注意点

・肩を耳に付けるように回すイメージで行いましょう
・動作中の目線はまっすぐをキープしましょう
・顎が上がらないようにしましょう

僧帽筋にできる限りの負荷をかけるために、肩の力をしっかり使って、可動域いっぱいまで動かすことを意識しましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

首が伸びて上を向いてしまうのは、頸深部屈筋がしっかりと動かせていない証拠です。このままでは姿勢が悪くなり、肩こりの改善効果が薄まってしまいます。しっかりと顎を引いて、僧帽筋を鍛えるように意識しながら動作を行ってください。

(ダンベルシュラッグについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

僧帽筋の筋トレメニュー②ダンベルフェイスプル

フェイスプルは、三角筋後部を鍛える筋トレとして知られていますが、意識を少し変えるだけで、僧帽筋に負荷をかけることもできます。ダンベルを使用するバージョンは手軽に行えるので、初心者の方にもおすすめです。

▼ダンベルフェイスプルのやり方

①深いベントオーバーポジションを取るか、インクラインベンチにうつ伏せで寝ころぶ
②両手でダンベルを握り、肩甲骨をしっかりと動かしながら引き上げる
③ダンベルを肩の位置まで引き上げたら、スタートポジションに戻る

僧帽筋に効果のあるダンベルフェイスプルの最適な回数や重量は、ダンベルシュラッグと同様に筋トレの目的に応じて設定してください。セット数も同じく、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度が良いでしょう。

▼ダンベルフェイスプルのコツ&注意点

・ダンベルは小指球に力を入れるように握りましょう
・あまり高重量は扱えない種目なので、無理のない重量を使用してください

フェイスプルは、基本的には肩甲骨をあまり動かさずに行います。しかし、僧帽筋にフォーカスをあてるときはしっかりと動かすように意識しましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

スタートポジションでは、腕を伸ばした位置でダンベルを構えるようにしましょう。

(フェイスプルについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

僧帽筋の筋トレメニュー③ダンベルローイング

ダンベルローイングとは、片手にダンベルを持ち、ローイング動作を行う筋トレです。僧帽筋だけではなく、広背筋にも負荷をかけることができます。さまざまなスタイルがありますが、今回はベンチに片膝と片手を付いて行うスタイルで解説します。

▼ダンベルローイングのやり方

①ダンベルを片手で握る
②片膝と片手をベンチに置いて身体の半分だけ四つん這いの姿勢になる
③両肩と骨盤が作る四角形を意識し、四角形が傾かないように地面と平行をキープする
が反らないように意識して胸の方にダンベルを引く
⑤スタートポジションに戻る

僧帽筋を鍛えるダンベルローイングの最適な回数は、他のダンベルを使用する種目と同じく筋力アップのためなら1~6回、筋肥大のためなら6~12回、筋持久力アップのためなら15回以上です。また、その回数で限界となるダンベルを使用しましょう。セット数も他のトレーニング同様に、自身のトレーニングステータスに応じて設定してください。

▼ダンベルローイングのコツ&注意点

・ダンベルを下ろすとき、ダンベルを持っている方の肩は沈んでも構いません
手首の角度は45度くらいをキープするようにするといいでしょう

肩甲骨を寄せることができないほどの大きな重量を扱うと、僧帽筋や広背筋ではなく三角筋後部や上腕三頭筋長頭、大円筋などに負荷が乗ってしまいます。僧帽筋を効率良く鍛えるためにも、無理な重量を使用しないようにしてください。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

ダンベルを上げる際、外側に回しながら上げると、肩甲骨が動かしやすいというメリットがありますが、上腕二頭筋が疲れやすいなどのデメリットがあります。

(ダンベルローイングについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

【バーベル編】僧帽筋に効果的な筋トレメニュー&鍛え方のコツ

ここからは、バーベルを使用した僧帽筋の筋トレを解説します。僧帽筋に大きな負荷をかけ、効果的に鍛えられる種目ばかりです。

僧帽筋の筋トレメニュー①フロントバーベルシュラッグ

フロントバーベルシュラッグは、主に僧帽筋の上部と中部を鍛えることができる筋トレです。僧帽筋を大きくしたい方だけでなく、肩こりで悩んでいる方にもおすすめです。

▼フロントバーベルシュラッグのやり方

①バーベルを持ってまっすぐ立つ
②下半身の力を使わず、肩甲骨を上に上げるように首をすくめる
③スタートポジションに戻る

僧帽筋に効果の高いフロントバーベルシュラッグの回数や重量は、他のトレーニング同様に筋トレの目的に応じて設定しましょう。正しいフォームで限界まで追い込むことを意識して行うことが重要です。また、セット数も他のもの同様にトレーニングステータスによって設定し、オーバーワークに注意しましょう。

▼フロントバーベルシュラッグのコツ&注意点

・足幅は腰幅程度にしましょう
の力を使わないようにしましょう
・顎が上がらないようにしましょう

バーベルを上げるときは、肩を耳に付けるように少し内側に入れるイメージで行うのがおすすめです。そうすることで、僧帽筋にしっかりと負荷を乗せることができます。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

あえて脚の力を使い、全身で上げるという方法もありますが、まずは基本のフォームをマスターすることを意識しましょう。無理に高重量を使用せず、僧帽筋の力だけで上げ切れるような重量を扱うことが大切です。

(フロントバーベルシュラッグについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

僧帽筋の筋トレメニュー②ビハインドバーベルシュラッグ

ビハインドバーベルシュラッグは、バーベルを後ろに持って行うバーベルシュラッグです。僧帽筋のなかでも、特に僧帽筋中部に効果的です。

▼ビハインドバーベルシュラッグのやり方

①バーベルが背中側に来るように立つ
③後ろ手でバーベルを持ち、ハーフデッドリフトの要領でラックから持ち上げる
④肩甲骨をしっかりと動かしながら肩を上げる
⑤肩甲骨をしっかりと動かしながら肩を下げる

ビハインドバーベルシュラッグは、フロントバーベルシュラッグに比べると高重量を扱えません。軽めの重量を使用して、他のトレーニング同様に筋トレの目的に合った回数を行うようにしましょう。また、セット数は、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度がおすすめです。

▼ビハインドバーベルシュラッグのコツ&注意点

・手幅は腕をだらんと下げた状態かそれよりも広くらいの幅にしましょう
・足幅は腰幅程度にしましょう

顎が上がるのは、僧帽筋が伸縮して頚椎が過伸展するのが原因です。このフォームでは収縮感は得やすいものの、長期的に見るとデメリットの方が大きいので、顎は下げるように意識しましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

ビハインドバーベルシュラッグは僧帽筋中部の収縮感をより掴みやすいというメリットがあるので、僧帽筋中部を集中的に鍛えたいという方にとてもおすすめです。

僧帽筋の筋トレメニュー③ハーフデッドリフト

ハーフデッドリフトとは、基本的なデッドリフトの上半分の動作を切り取った筋トレです。通常のデッドリフトより腰にかかる負担が小さいので、僧帽筋に大きな負荷を乗せることができます。

▼ハーフデッドリフトのやり方

①バーベルが膝の上あたりの高さになるようにセットする
②足の中心の位置がバーベルの真下になるようにし、腰を引いてバーベルを掴む
③肩甲骨が外に出ないように意識しながらバーベルを引き上げる
④引き上げるときと同じ軌道でバーベルをゆっくりとラックに戻す

ハーフデッドリフトで僧帽筋を鍛えたいときの最適な回数は、他の筋トレと同じく筋力アップのためなら1~6回、筋肥大のためなら6~12回、筋持久力アップのためなら15回以上です。重量は、その回数で限界となる重量を扱いましょう。セット数も他の種目と同様に、初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度がおすすめです。

▼ハーフデッドリフトのコツ&注意点

・腰が反ったり、曲がったりしないようにしましょう
・上体を立てすぎないようにしましょう
・バーをしっかり握って行いましょう

バーベルを上げるときは、息を止めて腹圧を高め、僧帽筋の下部などに力を入れて行うのがおすすめです。ただ、息を止めると血圧が上がりやすいので、心血管系に不安がある方は医師の指示に従ってください。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

動作中、正面にある鏡を見つめすぎると顎が上がり、腰が反る原因になります。腰が反ってしまう方は鏡を見るのをやめてみましょう。

(ハーフデッドリフトについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

僧帽筋の筋トレメニュー④アップライトロウ

アップライトロウは僧帽筋や三角筋を鍛えることができる筋トレです。ナローグリップで行う方法もありますが、今回は肩のつまり感が出にくいワイドグリップで行う方法を解説します。

▼アップライトロウのやり方

①ワイドグリップでバーベルを持ち、直立姿勢になる
②身体に沿うようにバーベルを上げる
③バーベルを下げる

僧帽筋に効果のあるアップライトロウを行うときも、他のトレーニング同様に筋トレ目的で重量や回数を設定して取り組みます。筋肥大に関しては限界まで行うことで、軽い重量の高回数でも同じくらいの効果を得ることができます。また、筋トレ初心者は週1回3セット、筋トレ上級者は週2回6セット程度のセット数を目安にするといいでしょう。

▼アップライトロウのコツ&注意点

・肘の角度は30度で外側に広げるようにしてバーベルを上げます
・腕だけではなく肘も一緒に上げるイメージで行いましょう
・肩甲骨を動かすことを意識しましょう

肩甲骨や上腕筋の左右の動かし方が違うと、左右非対称な動きになり、正しいフォームで僧帽筋を鍛えることができなくなります。その場合は、ローテーターカフを鍛えてみましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

バーベルをしっかりと上まで上げることで、僧帽筋と三角筋が収縮する感覚を掴むことができるはずです。きつくなってきたら足の力を使ったチーティングを入れましょう。

(アップライトロウについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

僧帽筋の筋トレメニュー⑤バーベルベントオーバーローイング

バーベルベントローイングでは、僧帽筋下部を鍛えることができます。肩甲骨の内側をしっかりと動かしましょう。広背筋や菱形筋にも効果がある筋トレです。

▼バーベルベントオーバーローイングのやり方

①肩幅程度の手幅でバーベルを持ち、直立姿勢になる
股関節を曲げて前傾姿勢になる
③肩甲骨をしっかりと寄せながらバーベルをお腹の方に向けて引いていく

バーベルベントオーバーローイングで僧帽筋を鍛える際の回数や重量は、他のバーベルを使用する筋トレと同じくトレーニングの目的に応じて設定しましょう。また、セット数は、自身のトレーニングステータスによって決めてください。

▼バーベルベントオーバーローイングのコツ&注意点

・足の幅は腰幅くらいで狭めにしましょう
・つま先は多少外側に開いていても構いません
・前傾姿勢になるときは上体が45度以上倒れるまで曲げましょう
・バーベルを胸まで引き上げると、僧帽筋の上部や中部に負荷がかかります

上体の倒れる角度が浅いと腰が反ってしまい、収縮感はあっても僧帽筋に負荷がかからず意味のない動きになってしまいます。腰は反るのでもなく曲げるのでもなく、ニュートラルな状態を保ちましょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

腰のニュートラルな状態を保つためには、ハムストリングス大臀筋の柔軟性・ストレングスが十分にあることが重要です。もしキープすることが難しい場合は、ルーマニアンデッドリフトバックエクステンションなどを並行して行うと良いでしょう。

(バーベルベントオーバーローイングについては以下の記事も参考にしてみてください)

(動画で見たい方はこちら)

【マシン編】僧帽筋に効果的な筋トレメニュー&鍛え方のコツ

最後に、ケーブルチューブを使用する僧帽筋の筋トレを解説します。負荷をきちんと調節して、自分の僧帽筋の筋力に合ったトレーニングを行いましょう。

僧帽筋の筋トレメニュー①ケーブルフェイスプル

ケーブルフェイスプルとは、顔に向かってケーブルを引く動作を行う筋トレです。僧帽筋はもちろんのこと、三角筋後部も鍛えることができます。

▼ケーブルフェイスプルのやり方

①ケーブルを身長よりも少し高いくらいの位置にセットする
②ロープを握り、一歩下がったところに立つ
③顔の横に向かってロープを引く
④ロープを戻す

僧帽筋の筋トレであるケーブルフェイスプルの重量や回数は、他の種目と同じく筋トレの目的によって決めましょう。筋力アップのためには1~6回、筋肥大のためには6~12回、筋持久力アップのためには15回以上が目安です。なお、フェイスプルは重量を伸ばす種目ではなく収縮感覚を掴む種目なので、高重量を扱うことにこだわる必要はありません。

また、セット数はトレーニングのステータスに応じて変えてください。初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セットがおすすめです。

▼ケーブルフェイスプルのコツ&注意点

・アタッチメントはトライセプスロープを使用するといいでしょう
・手首が内側に倒れないようにしましょう

身体が持っていかれるほどの大きな重量を扱うようになった場合は、下から引くようにしたり、ラットプル台などに座ったりして行うと良いでしょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

グリップはしっかりと握り、小指側の小指球に力を入れるといいでしょう。肩甲骨を動かすことにより、僧帽筋にも負荷をかけることができます。

僧帽筋の筋トレメニュー②チューブフェイスプル

チューブを使用して行うフェイスプルでも、ケーブルフェイスプルなど他のフェイスプルと同様に、僧帽筋や三角筋を鍛えることができます。

▼チューブフェイスプルのやり方

①前面から張力がかかるようにマシンにチューブをセットする
②チューブを持って顔の前で腕を伸ばす
③肩より高い位置に肘を上げ、顔の横までチューブを引く
④スタートポジションに戻る

チューブフェイスプルで僧帽筋を鍛えるときの最適な回数は8~12回です。チューブの種類によって負荷が調整できるときは、その回数を正しいフォームでこなせる程度の負荷を使用してください。負荷が変えられないときは、正しいフォームで行える限界の回数を行うのがおすすめです。

セット数は、他の筋トレと同じく初心者は週1回3セット、上級者は週2回6セット程度を目安にしてください。

▼チューブフェイスプルのコツ&注意点

・手首が内側に倒れないようにしましょう
・肘が外に張り出すことを意識しましょう

チューブフェイスプルは自宅で行うトレーニングとしてもおすすめです。マシンがない場合は、どこか高い所にチューブをかけて行ってみるといいでしょう。

アイコン

ずーみー(泉風雅)

身体が前に持っていかれがちな筋トレなので、重量の設定は慎重に行い、安全に僧帽筋を鍛えてください。

僧帽筋のストレッチ・柔軟体操メニュー

僧帽筋を効率的に鍛えつつ、ケガを防止するためには、トレーニングと一緒にストレッチをすることが大切です。ここからは、僧帽筋のストレッチを解説するので、ぜひ参考にしてください。

僧帽筋のストレッチ①

僧帽筋をほぐし、肩こりを解消することができるストレッチです。

▼肩こり解消ストレッチのやり方

①胸を張って肩甲骨を内転させ、肩を上下する
②肩甲骨を外転させ、肩を上下する
③手の甲を顔の前で合わせ、肩を上下する
④肩甲骨を内転させて頭の上で手を合わせ、背中の後ろで肘を合わせる
⑤頭の上で合わせた手を上に引っ張り、後ろに流す
⑥肩甲骨を外転させ、最後に首を回す

僧帽筋のトレーニングの前後だけではなく、隙間時間にも行いましょう。

▼肩こり解消ストレッチのコツ&注意点

・痛みを感じたらすぐにやめましょう
・肩甲骨をしっかりと動かしながら行いましょう

このストレッチにより肩こりを解消することで、頭痛が解消されることもあります。僧帽筋の筋トレをしている方だけではなく、肩こりや頭痛で悩む方にもおすすめです。

僧帽筋のストレッチ②

肩のフォームローラーを使って僧帽筋を伸ばす、甲骨ローテーションというストレッチです。

▼肩甲骨ローテーションのやり方

①縦に置いたフォームローラーに肩甲骨内側を当てる
②両膝を立ててお尻を浮かす
③肘を上下に大きく動かす

僧帽筋のトレーニングと一緒に取り入れてみましょう。

▼肩甲骨ローテーションのコツ&注意点

・フォームローラーに頭も乗せるようにしましょう
・お尻を浮かせるときは、身体が床と平行になるようにします
・お尻が浮かせていないとしっかりとほぐすことができないので注意しましょう
・肘を下げて寄せることを意識しましょう

肘の動きに合わせて肩甲骨が外旋するため、僧帽筋下部をほぐすことができます。肩の後ろのコリが気になるという方は、さらにお尻を高く浮かせて取り組むといいでしょう。

(肩甲骨の筋膜リリースについては以下の記事も参考にしてみてください)

僧帽筋のストレッチ③

僧帽筋を伸ばすことで、肩や首のこりを解消する効果があるストレッチです。

▼首を横に倒すストレッチのやり方

①あぐらをかいて座り、片手を後ろに回して手の甲を腰に付ける
②もう片方の手は頭の上に乗せ、頭をゆっくり倒す
③反対側も同じように行う

僧帽筋の筋トレの前後だけでなく、毎日行うことで効果を得ることができます。

▼首を横に倒すストレッチのコツ&注意点

・頭を倒すときは痛みを感じない程度に優しく行いましょう
・首から肩にかけての部分が伸びていることを感じながら行います

簡単なストレッチなので、僧帽筋を伸ばしたいときに行ってみましょう。

僧帽筋を鍛えて筋トレの効率をUP

僧帽筋には上部・中部・下部があり、それぞれ役割があります。僧帽筋を鍛えるトレーニングにも幅広い種類がありますが、それぞれ僧帽筋のどの部分を鍛えられるかが異なります。効果的に鍛えるためには、僧帽筋のどの部分を鍛えたいのかを考えながら、トレーニングメニューを決めましょう。僧帽筋を鍛えて、かっこいい背中をゲットしてください。