目次
筋トレのトライセット法とは?
トライセット法とは同一の筋肉部位に刺激を与える筋トレメニューをインターバル無しで3連続行う方法です。普段は1種目ごとにインターバルを挟んでいるところを無くして、3連続で筋トレメニューをこなすことによって異なる刺激を与えられます。
まずは、トライセット法のメカニズムを詳しく確認していきましょう。
トライセット法のメカニズム
筋肉を成長させる為には『物理的刺激』『化学的刺激』の2種類をバランよく与えることが必要です。まずは、『物理的刺激』『化学的刺激』とは何か確認していきましょう。
物理的刺激の定義
物理的刺激とは簡単にいうと、筋トレで筋肉にダメージを与える刺激です。この筋トレによる物理的刺激によって筋肉が分解され、休息を取ることによって筋肉が再合成されて筋肉が成長していきます。この物理的刺激は、筋トレをしていれば意識しなくても十分に与えられるでしょう。
次に、化学的刺激について確認していきましょう。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
筋トレを行う際の原則に「サイズの原理」と言うものがあります。これは筋肉への刺激の強さにより使われる筋肉の繊維が使い分けされる事を言います。軽い重量で筋トレをしているとサイズの原理によりこの物理的な刺激が筋肉に行き渡らなくなります。目安は6回から15回ギリギリ出来る重さでトレーニングしましょう。
化学的刺激の定義
筋肉は筋トレによって収縮されすぎたりすると血流が圧迫されて、回復に必要な酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。この状況を意図的に作ることが『化学的刺激』です。化学的刺激は短時間で筋肉に強い負荷をかける必要があるため、トライセット法などを意識的に行わなくては中々与えられません。
それでは、筋肉の成長に必要な2種類の刺激を理解したところでトライセット法のメカニズムを確認していきましょう。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
何故科学的ストレスと言われるのかと言うと、筋トレにより筋肉の中に血流制限が起こり低酸素状態になると、そのストレスに筋肉が対抗しようと、成長ホルモンをはじめとする様々な科学的物質が筋肉の中に放出される事からこのように言われます。科学的ストレスを与えるには、他に加圧トレーニングやスロートレーニングが、同じく筋肉の中を低酸素状態にして科学物質を放出させるトレーニングとして有名です。
トライセット法のメカニズム
前途した通り普段なんとなく筋トレをしていると、物理的刺激は強く与えることはできますが化学的刺激は十分に与えることはできません。そして、この状態を続けていると筋肉が物理的刺激に慣れてしまい、停滞期を迎えてしまうのです。化学的刺激を意図的に与えるには短時間で筋肉を刺激し続けて血流を圧迫させ、酸素や栄養素が滞りにくい環境を作る必要があります。
したがって、インターバル無しで3種目を連続で行う『トライセット法』は物理的刺激・化学的刺激をバランスよく与える為に効果的な筋トレ方法となるのです。
それでは、次にトライセット法のメリット・デメリットを詳しく確認していきましょう。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
ただし一部の上級者の中にはわざとアイソレーション種目を最初に行う方もいます。後で行うコンパウンド種目の時に大筋群を使用している感覚をより強く得たい方は参考にしてください。
トライセット法のメリット・デメリット
トライセット法は普段とは異なる刺激を筋肉に与えることによって停滞期の打破に繋がったり、強すぎない負荷でも短時間で追い込めるので、時短や怪我の防止になるといったメリットが期待できます。そこで、トライセット法のメカニズムを理解できた方だと、同一種目を高回数行うとの種目を変えて連続で行うのは何が違うのか気になるでしょう。
同一種目で行う場合は、厳密に同じ部位のモーターセットを刺激し続けられるので化学的刺激は強く得られます。しかし、同じモーターセットを刺激していると回数やセット数をこなしていくうちに疲労によって負荷が落ちてしまい、物理的刺激がかなり弱くなってしまうデメリットがあります。
そこで、トライセット法で3種目に分けて行うことによって種目を変える際わずかにモーターセットの位置が変わり、適度に休息させることができます。これらのことより、トライセット法では化学的刺激を与えながらも負荷を落とさずに、物理的刺激もバランスよく与え続けられるというメリットがあるのです。
次は、トライセット法の種目選定について解説していきます。
トライセット法の種目選定
トライセット法では、ただ単に3種目を連続して行えばいいのではなく順番がとても重要です。トライセット法の最適な順番は、複数部位を1種目で鍛えられる『コンパウンド種目』から先に行い、単体の部位を狙う『アイソレーション種目』で仕上げるという流れでとなります。さらに、高重量→低重量という順番もしかっかり守ることがポイントです。基本的には下記の流れで行いましょう。
①コンパウンド種目(高重量・高負荷)
②コンパウンド種目(高重量・高負荷)
③アイソレーション種目(低重量・低負荷)
①②はともに高重量・高負荷となっていますが、その中でも②より①を高重量・高負荷にして行ってください。さらに、アイソレーション種目を『低重量・低負荷』としているのは、コンパウンド種目に比べて高重量を扱うことができないという特徴からの概念ですので、自身の扱える重量からは下げすぎる必要はありませんので注意しましょう。
それでは、筋肉部位別のトライセット法の筋トレ方法について確認していきましょう。
(コンパウンド種目・アイソレーション種目について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。)
コンパウンド種目とは?コンパウンドとの違い〜部位別の筋トレ一覧まで紹介
出典:Slope[スロープ]
アイソレーション種目とは?コンパウンドとの違い〜部位別の筋トレ一覧まで紹介
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【大胸筋編】
大胸筋のトライセット法を行うには、下記のメニュー例のような順番で行いましょう。
①ベンチプレス
↓
②ダンベルプレスorチェストプレス
↓
③ダンベルフライ
(その他、大胸筋の筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
大胸筋の筋トレ20選!急激にデカくなる鍛え方のコツをプロが解説
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【背筋編】
背筋のトライセット法を行う場合は、下記の例のように行いましょう。背筋はアイソレーション種目が少なく、ショルダーシュラッグ以外はコンパウンド種目なので①②は適宜入れ替えても問題ありません。しかし、1種目により高重量を扱える筋トレメニューを選びましょう。
①デッドリフトor懸垂orラットプルダウン
↓
②ベントオーバーローイングorワンハンドローイング
↓
③ショルダーシュラッグ
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
他に背中のアイソレーション種目としては、リヤデルト、ベントオーバーサイドレイズ等の種目があります。よろしければ取り入れて見てください。
(その他、広背筋の筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
広背筋の筋トレ11選!逆三角形ボディに爆速で近づく鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【三角筋編】
三角筋は前部・中部・後部で構成されており、綺麗なメロンのような肩を形成するには全てバランスよく鍛える必要があります。このことから、前部・中部・後部をそれぞれ特化して鍛えられるレイズ系を多く取り入れると効果的です。
①バーベルショルダープレス
↓
②フロントレイズorサイドレイズorリアレイズ
↓
③フロントレイズorサイドレイズorリアレイズ
(その他、三角筋の筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
三角筋の鍛え方!肩が急激にデカくなる筋トレメニュー&ストレッチの方法を解説
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【上腕三頭筋編】
上腕三頭筋の筋トレでトライセット法を用いる場合は、下記メニュー例の順番のように行いましょう。
①ナローベンチプレス
↓
②ディップス
↓
③プレスダウンorキックバック
(その他、上腕三頭筋の筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
上腕三頭筋の筋トレ&ストレッチメニュー!二の腕に効かせる鍛え方のコツも解説
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【上腕二頭筋編】
力こぶとも呼ばれる上腕二頭筋を鍛える場合は、下記のような種目選定の例、順番で行ってみましょう。
①ドラッグカール
↓
②逆手懸垂
↓
③バーベルカールorダンベルカールorケーブルカール
(その他、上腕二頭筋の筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
上腕二頭筋の筋トレメニュー!急激に力こぶを発達させる鍛え方のコツを解説
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【大腿四頭筋編】
大腿四頭筋をメインターケットとしてトライセット法を用いて筋トレを行う時は。下記のメニュー例と順番のように行ってみましょう。
①スクワット
↓
②レッグプレス
↓
③レッグエクステンション
(大腿四頭筋の筋トレメニューについては以下の記事も参考にしてみてください)
大腿四頭筋の筋トレメニュー!自重〜ジムまで!太もも前を鍛えるコツを徹底解説!
出典:Slope[スロープ]
トライセットの筋トレ方法【ハムストリングス編】
ハムストリングスの狙ってトライセット法を行う場合は、下記の例のように行いましょう。
①スティッフレッグデッドリフト
↓
②ブルガリアンスクワット
↓
③レッグカール
(その他、ハムストリングの筋トレメニューを確認したい方は、下記記事を参考にしてください。)
ハムストリングスの鍛え方!15種の筋トレ&コツ!自宅でできる自重メニューも多数!
出典:Slope[スロープ]
筋トレのその他セット法も確認
筋トレにはトライセット法に加えて、筋肉の成長効率を上げるセット方が多数存在します。そこで今回は、トライセット法と混同しやすいセット方を厳選して紹介するので、参考にしてみてください。
コンパウンドセット法
コンパウンドセット法は今回紹介したトライセット法をはじめ、同一の筋肉部位を鍛える筋トレをインターバル無しで2連続以上して行う方法の総称です。普段は1種目ごとにインターバルを挟んでいる中、コンパウンド法を用いて異なる刺激を与えることで筋肉の慣れを防止し、停滞期を打破することができます。
野上 鉄夫パーソナルトレーナー
他に胸の場合、押す方向を変える手法もとても有効です。例えばベンチプレス→インクラインベンチプレス→フライなどのような感じです。一般的にこのコンパウンド法をスーパーセットと呼ぶ事も多いです。筋トレの種目名や、やり方は名称が曖昧な部分も多々あります。この辺は柔軟にとらえておきましょう。
(コンパウンドセット法について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。)
コンパウンド種目とは?コンパウンドとの違い〜部位別の筋トレ一覧まで紹介
出典:Slope[スロープ]
ジャイアントセット法
ジャイアントセット法は、同一の筋肉部位を4種目以上連続で行う筋トレ方法でありコンパウンド種目の一種です。4種目は適当に選んで好きな順番で行うわけではなく、しっかりと効率の良い種目選びや順番があります。ジャイアントセット法は、かなり負荷が大きいので停滞期にぶつかっている上級者に好まれますが、忙しくまとまった時間が取らない方にもおすすめです。
(ジャイアントセット法について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。)
ジャイアントセット法は短期間で成長できる!効果〜部位別のメニュー例まで紹介!
出典:Slope[スロープ]
スーパーセット法
スーパーセット法は、これまでの特徴とは違い『異なる筋肉部位』の筋トレメニューをインターバル無しで連続する方法です。スーパーセット方も好きな種目を好きなように連続して行うのではなく、主動筋・拮抗筋という筋肉の性質を理解して種目を組み合わせる必要があります。
(スーパーセット法について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。)
スーパーセット法で筋トレ効率UP!メリット〜部位別の組み合わせまで紹介!
出典:Slope[スロープ]
短時間で追い込めるトライセット法は最強!
トライセット法のメカニズムや、メリット・デメリット、種目選びまで詳しく解説してきました。筋肉は慣れを覚えてしまうと成長が滞ってしまい停滞期に陥ってしまいます。そこで、トライセット法含め様々なセット方などで異なる刺激を与えることで、停滞期を打破できるので、伸び悩んでいる方は試してみてください。さらに、仕事などで忙しく時間が取れない方も隙間時間の短時間で追い込みをかけることができるので試してみましょう。